風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

第三極

2010-04-13 01:13:51 | 時事放談
 平沼赳夫氏や与謝野馨氏が立ち上げた新党の評判が余り芳しくありません。
 狙いは全く悪くありません。むしろ彼らが訴えていること、民主党には政治に対する哲学や思想がない、自民党には野党として戦う気力がない、新党は反民主・非自民として、国民のために戦う・・・この発言に異を唱える国民はいないでしょう。それに続く発言に反対する国民もいません。曰く、政治人生のすべてをかけた最後の戦いであり、(中略)、残された体力、気力、そして使命感をふり絞って新党成功のために身を捧げたいと決意を新たにする、と。すなわち、何が問題かと言うと、そんな彼らの平均年齢が69.6歳だということにがっかりしてしまうのが第一、そしてかつて郵政民営化を巡って、与謝野氏と園田氏が小泉政権で民営化を推進したのに対し、平沼氏は反対した造反組であることを国民は忘れておらず、そんなリベラル派の与謝野氏と、田母神氏を擁立しようとするほど保守色が強い平沼氏との間で、イデオロギー的に一致できるのか大いに疑問とすることが第二。
 その結果、民主党の黄門様・渡部恒三氏に「家出老人が増加して自民党が気の毒だ」などと言われたくはないでしょうが、東国原宮崎県知事に「敬老会みたい」と言われると返す言葉がありませんし、ネーミングにまでケチがつく始末で、「みんなの党」の渡辺喜美代表には「立ち枯れ日本」と揶揄されてしまいました。常識的に見て、「たちあがれ日本」は、国民に対してと言うより、自らを鼓舞するようなネーミングであると感じるのは、否定しようがありません。
 4/11のフジ・新報道2001の世論調査によると、こうして不甲斐ない自民党にしびれを切らした老人たちに期待するのは僅かに20%にとどまりました。一方の民主党・鳩山政権の支持率も、NNNが4/9~11で行った世論調査で、ついに危険水域の30%を割り込んで、28.6%と報道されました。さらに先のフジの新報道2001の世論調査によると、夏の参院選で投票先に考えている政党は、民主党16.6%、自民党13.4%、半年前には二大政党制と意気込んだ割に、合わせても30%にしか達せず、まだ決めていない無党派層が55.4%もいるというのが、今の貧しい政治状況を表しています。
 ここまで低下した支持率を前にして、鳩山首相はなお「一番大事なことは国民のために一生懸命やっている姿というものをまだまだ必ずしも見せ切れていないというところだと思っていますから、それを見せきるために努力をするということだと理解しています」「改革の方向は絶対間違っていない。これは自信がある。ただ、政治とカネの問題に隠れて、必ずしも改革が大変大胆に行われていることが見えきっていない」と言い切り、政権に問題があるということではないかと水を向けられても、「政権は私は国民のみなさんのために一生懸命仕事している。そのように思っております」と啖呵を切ったと言いますから、なかなかの大物です。麻生さんのぶら下がり取材は、国民をないがしろにした実に不遜なインタビューが鼻つまみものでしたが、鳩山さんのぶら下がり取材も、国民の皆様のためを繰り返す慇懃無礼が、全く心に響きませんし、ここまで言い切られると、国民は却って引いてしまうのではないか。振付師を雇ってしっかりコントロールしないで、このまま野放しにしていたら、支持率低下に歯止めがかかりそうにないと心配するのは、余計なお世話なのでしょう。
コメント
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