「つながり」の旅 in Paris ~ 人と人、自然、地域との「つながり」 ~

人・自然・地域との「つながり」をテーマにした旅や暮らし(エコツーリズム、スローライフ等)について日々の想いを綴ります。

サティシュ・クマールの「今、ここにある未来」

2012年02月26日 | Slow Life
NGOナマケモノ倶楽部(http://www.sloth.gr.jp/)主催のイベントで、明治学院大学で行われた
サティシュ・クマールの「今、ここにある未来」ツアー2012
のイベントに行ってきました。
www.sloth.gr.jp/movements/satish2012_release/

 
2,3年前の来日時にも聞きましたが、インドの思想家・環境活動家のサティシュ・クマールさんのお話しは、
分かりやすく、示唆とウイットに富み、現代社会へのアンチテーゼとスローライフ実践への気づきを与えてれます。
今回も、350人ほど入る階段教室は満員。若い人を中心に、老若男女さまざまな人が来ていました。
 

まずは、サティシュのドキュメンタリー映画を鑑賞。
サティシュがキーワードとして語る、Soil(土=自然)、Soul(魂=人)、Society(社会)という
「3つのS」のほか、千葉で自給自足的な暮らしをする益戸育江さんや、
加藤登紀子さんと対談する様子などを通して、脱・現代文明、スローライフに関する
様々なキーフレーズについて語ってくれます。

 
この映画や、その後の対談を通して、今回の彼の話で印象に残ったのは次のような点です。
 

・ポスト3.11の世の中は、これまでの工業化社会とは全く異なる時代になる。
 そこでは、自然を中心にした、クリエイティブな発想が必要。

・カネ優先の工業化社会は、多くの失業者や格差を生みだしたが、そもそもここ200年ほどの歴史しかない。、
 人と自然が調和した社会に返るべき。

・これまで言われてきた「生産性」とは、天然資源が豊富にあることを前提にしており、
 一部の大企業にとってのものにすぎない。

・持続可能であることは、どんどん大きくなる・成長を続けるということではない。

・一つ一つのモノの存在価値を重んじ、満ち足りているとすることが重要。
 それは、欠乏や我慢ではなく、elegant simplicity=優雅な簡素さである。

・我々の存在は、前の世代や自然界から多くのものを与えられたお陰である。
 この地球は将来世代からの借りもの。我々も後の世代に多くを与えないといけない。

・「消費者」とは何も与えない存在。自然や社会に対して「与える」ことが必要である。

・変化は上から起きるものではなく、草の根から起きる。政府や大企業による既存の枠組から踏み出し、
 自ら変化を創ること、その変化を人に伝えていくこと。自らが望む方向への変化を、
 週一日とか、例え僅かずつでも、興していくこと。我々にはその力がある。

・教育に重要なのは、head, heart, hand -2割は頭脳だが、8割は体験によって得られる。

・辛いことを言われたら、怒りではなく、微笑みを返せ。