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科学的手法とは、大きな疑問でも小さな疑問でも、その根本を突き止める作業にほかならない。問いに答えがある限りは非常に有用なツールである。いずれは宇宙を計算できる量子コンピューターも完成するときがくるだろうが、それもやはり科学的手法の結果なのだ。
だが、ときにはその歩みが遅々としていることもある。俗世のことから地球外に関する疑問まで、ここで紹介するのは答えにたどり着くまでにとんでもなく時間がかかった10の疑問だ。
激しく噴上げる火山の噴火は、噴煙に関連する電気現象を見せてくれる。安全な距離から見るだけなら思わず感嘆するような光景だが、大地と結びついた雷とは明らかに違うことから、はっきりとした原因はわからないままだった。
ミュンヘン大学の研究者によれば、その答えは火山灰にある。吹き上がる灰の微細な粒子にはマグマによって電気が供給されている。ここでは乱気流が複雑な電荷分布を生み出し、やがて静電放電が起こる。それは通常の下向きの雷とは異なり、灰の上昇に応じてしばしば上向きに広まる。
この答えはただ好奇心を満足させるだけではない。雷の頻度と灰の総量との相関関係が明らかにされ、図らずも火山雷から火山灰雲の大きさを正確に予測できるようになった。おかげで、それまで以上に優れた避難計画の立案や空気の質に関する警戒が可能になっている。
亀が甲羅を進化させた理由など簡単に答えられそうだ。動きの鈍い彼らは捕食者の格好の獲物である。硬い甲羅には明らかに進化上の利点があるだろう。しかし、亀の進化プロセスはその説明が間違いであることを告げている。亀の動きが鈍いのは甲羅を支えるために必要となる幅が広く平な肋骨せいなのだ。ゆえに甲羅があるから動きが鈍いということになる。
では甲羅は何のためにあるのか? もちろん身を守るためだ。だが捕食者からではない。亀が進化をした南アフリカの砂漠の厳しい環境からだ。甲羅は地下を掘り、熱と乾燥から逃れる穴を作るために進化した。
この説はかねてから存在していたが、よくやく確認されたのは、南アフリカの8歳の少年が保存状態のいい”原始の亀”の化石を発見したときだ。幸いにもその子の家族が標本を地元の博物館に持ち込んでくれたおかげで、ノロノロと歩き続けた疑問に決着をつけることができた。
よく飛行機に乗る人ならば、西から東へのフライトで感じる時差ボケは東から西の場合よりも強いことにお気づきだろう。これは長い間気のせいか、社会的な迷信のようなものだと考えらえてきた。だが、最近になって事実であると確認されている。それは概日リズムと脳のタイムゾーンの移動に対するシンクロのしやすさが関連している。
体内時計は24時間よりわずかに長く設定されている。よって体は自然に24時間より長いリズムに合わせようとする。このリズムは脳内の特定の細胞によって制御されているが、この細胞もまた日光の変化に制御されている。
1日の時間が伸びて、日光を長く浴びるとき、依然として”信号(日光)”が存在し、こうした細胞に情報を与えている。しかし、細胞は日光がない状況、すなわち日が短くなった状況では混乱してしまう。これが体内時計を直撃する。西から東への移動では1日が短くなるような効果があるため、長くなる1日に適応するよう設定された生来の傾向に反する。そのために体内リズムはより強い打撃を受けるのだ。
こぶしがポキっと鳴るのは関節液の泡がはじけた音だと聞いたことがあるかもしれない。そしてこれを信じていた人も多いことだろう。だが、これが単なる推測でしかなかったということが、アルバータ大学でこぶしを鳴らす名人の手を徹底的に調査した結果判明した。
カイロプラクターでもあったこぶし鳴らしの名人ジェローム・フライヤーは、ある理論を携えて大学を訪れた。それはこぶしの音は関節液に空洞が突然形成されることが原因であるというものだ。泡がはじける音ではない。形成される音だ。関節の表面が突然離れると、そこを満たすだけの関節液がなくなる。このとき空洞が形成され、これに伴って音が発生するのだ。
なお、こぶしを鳴らすと関節炎になるという話もあるが、それもほぼ間違いなく正しくない。今回の研究はそうした話が誤りであることを証明してしまうかもしれない。いずれにせよ関節の問題には早期の治療が一番だ。
昔から盲腸は退化した内臓の名残だと考えられてきた。ゆえに、ときおり取り除かなければ命を奪うような時限爆弾を作動させる以外の役割はない、と。ところが、盲腸がなくとも人が生きていけることは確かに間違いない一方で、盲腸の隠された役割が明らかになっている。それは危険な感染と戦う善玉菌の援軍を待機させておくための兵舎であるという。
これはコアラの盲腸を調査することで判明した。実は彼らの盲腸は長く大きい。ユーカリの葉しか食べないコアラは餌を消化するために補助を必要とするからだ。そのために、もしコアラの餌が数千年をかけて変化したのだとしたら、盲腸も人間のものと同じように短くなるのではないかと推測されている。
こうした結果があるとはいえ、これは何が何でも盲腸を手放すべきではないということではない。虫垂炎になったときは素直に医師の診断に従おう。
後成的遺伝学とは、遺伝子が環境によって変化し、それがDNAに書き込まれて後世に伝えられる仕組みを研究する学問だ。例えば、食習慣や環境毒への曝露のようなものは、子孫に特定の食物や化学物質への感受性を受け継がせる場合がある。最近までわからなかったことは、経験も同様に後世に遺伝されるかどうかだ。例えば、親がトラウマになるような子供時代を送っていたとして、それは子供のDNAを変えるのだろうか。
テルアビブ大学の研究では、これが実際に起きることを確認したのみならず、詳しいメカニズムまで明らかにした。小RNA分子にDNA修飾の受け継ぎを容易にするうえで重要な役割があることは以前からわかっていた。蠕虫での後成遺伝的な反応を測定することで、小RNA分子が複製していることを示す酵素の単離に成功。これによって数世代にわたって後成遺伝的反応が伝わることが確認された。
さらに、このスイッチを操作することで、後成遺伝的反応(例えば、前世代が学んだ恐怖の継承)を思い通りに続けさせたり、終わらせたりする方法も発見した。つまり人間においても、同様のスイッチを操作することで、肉体的な条件のみならず、感情的あるいは精神的な条件さえも植え付けることができるということだ。
素粒子物理学において、あらゆる粒子の最小粒子はクォークとされている。クォークがさらに小さな要素で構成されているかどうかはまだ明らかにされていない。これはある力によって互いに結合し、陽子と中性子を形成する。その力が何か、最近まで謎であった。今でそれは別の種の粒子であることがわかっている。
f0(1710)あるいはグルーオンと知られるそれは、粒子同士をくっつける文字通り糊のような働きをしている。これは自身には質量がないという点で光子に似ている。また光子が電磁力の原因であるのと同様、グルーオンは強い核力を担っている。重要な違いは、光子が自分の力に影響を受けないのに対して、グルーオンは受けるという点だ。つまりお互いにくっつくのだ。
直接観測するにはあまりにも存在時間が短いグルーオンは、検出された崩壊率を調べることで発見できる。正確には、結合したグルーオンの集まりであるグルーボールこそが、宇宙全体をつなぎとめているものだ。
アインシュタインの特殊相対性理論や一般相対性理論は、おそらく他のいかなる科学理論よりも真実に近い。半導体の開発はその成果の1つであり、相対性理論がなければ、あなたがこの記事を読むこともなかった。しかし、このようなもっとも堅固な理論でさえ穴はありえる。相対性理論における穴とは重力である。
アインシュタインの理論では、光や音をはじめとする実質的にすべてのものと同じく、重力も波あるいは振動として発現していると仮定している。これは相対性の最後の主要な予言であった。数十年間、一般にこれは正しいとされてきたが、実際に確認されたのは最近になってのことだ。
科学者は超高感度の器具を用いて2つのブラックホールが衝突したときの音を記録。そのかすかな音は、宇宙にある全恒星のエネルギーの50倍ものエネルギーを持つ衝突のエネルギーを表しており、重力波として観測された。アインシュタインの見解が完成された科学史上に残る偉業である。
ヒトは非常に効率的な生命体に進化した。しかし、厳密に言うと、私たちが選んだ生殖の方法は効率性の点ではふさわしくなさそうに思える。そこから悦びを感じることはあるだろうが、有性生殖は多くの生物が行うような無性生殖に比べて効率の面では劣る。ヒトがもっとも有利な進化の道筋を辿ったのであれば、性は1種類(女性)で事足りるのだ。それなのになぜオスが存在するのだろう?
その答えはコクヌストモドキの研究で見つかった。研究では、オス90匹とメス10匹を一緒にしたグループと、オスとメスがそれぞれきちんとペアになるようにしたグループを観察。50世代後、健康な子孫を残すうえで雌雄選択が大きな役割を果たしているらしきことが判明した。
配偶者の選択が有害な遺伝的突然変異を排除している可能性がある、とイースト・アングリア大学のマット・ゲージは話す。つまり、私たちにとって無性生殖は非効率的であるばかりか、仮にこれを採用していれば絶滅していた可能性もあるということだ。
私たちは宇宙で孤独な存在なのかという問いは科学最大の問いの1つである。それと同じくらい重大な問いとしては、かつて地球外生命は存在したかというものだ。文明の存続可能期間についてきちんとした基準はない。それが存在した宇宙のタイムラインについても不明だ。物理的な証拠もない。それでも、この問いに対する非常に強力な状況証拠がある。
なんと答えはイエスだ。1961年、天文学者のフランク・ドレイクが宇宙人文明と遭遇する確率を推測するための7要素を提示した。それは毎年恒星が誕生する数や生命が進化する惑星の割合などだが、最後の要素として文明の平均的な存続期間が挙げられていた。これまで、それぞれの変数の具体的な数値は不明であり、このドレイクの方程式を用いて何らかの回答を導きだすことはできなかった。
しかし最近、いったいいくつの惑星が存在するのかに関する知識が爆発的に増えた。ここからドレイクの方程式に数値を代入して、この問題にいくばくかの光を当たられるようになった。アダム・フランクとウッドラフ・サリバンの論文はこう論じている。「ハビタブルゾーンにある惑星で文明が進化する確率が100億の1兆倍分の1以下でない限りは、人類が最初ではない」。ドレイクの方程式に関する議論では、かなり悲観的な説でも文明が形成する確率は惑星あたり100億分の1とされていた。しかし彼らの発見によれば、その悲観論に拠ったとしても1兆個の文明が宇宙の歴史に存在したことになる。
☆半導体は相対性理論のおかげかいや!
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科学的手法とは、大きな疑問でも小さな疑問でも、その根本を突き止める作業にほかならない。問いに答えがある限りは非常に有用なツールである。いずれは宇宙を計算できる量子コンピューターも完成するときがくるだろうが、それもやはり科学的手法の結果なのだ。
だが、ときにはその歩みが遅々としていることもある。俗世のことから地球外に関する疑問まで、ここで紹介するのは答えにたどり着くまでにとんでもなく時間がかかった10の疑問だ。
10. 火山雷の原因
激しく噴上げる火山の噴火は、噴煙に関連する電気現象を見せてくれる。安全な距離から見るだけなら思わず感嘆するような光景だが、大地と結びついた雷とは明らかに違うことから、はっきりとした原因はわからないままだった。
ミュンヘン大学の研究者によれば、その答えは火山灰にある。吹き上がる灰の微細な粒子にはマグマによって電気が供給されている。ここでは乱気流が複雑な電荷分布を生み出し、やがて静電放電が起こる。それは通常の下向きの雷とは異なり、灰の上昇に応じてしばしば上向きに広まる。
この答えはただ好奇心を満足させるだけではない。雷の頻度と灰の総量との相関関係が明らかにされ、図らずも火山雷から火山灰雲の大きさを正確に予測できるようになった。おかげで、それまで以上に優れた避難計画の立案や空気の質に関する警戒が可能になっている。
9. 亀に甲羅がある理由
亀が甲羅を進化させた理由など簡単に答えられそうだ。動きの鈍い彼らは捕食者の格好の獲物である。硬い甲羅には明らかに進化上の利点があるだろう。しかし、亀の進化プロセスはその説明が間違いであることを告げている。亀の動きが鈍いのは甲羅を支えるために必要となる幅が広く平な肋骨せいなのだ。ゆえに甲羅があるから動きが鈍いということになる。
では甲羅は何のためにあるのか? もちろん身を守るためだ。だが捕食者からではない。亀が進化をした南アフリカの砂漠の厳しい環境からだ。甲羅は地下を掘り、熱と乾燥から逃れる穴を作るために進化した。
この説はかねてから存在していたが、よくやく確認されたのは、南アフリカの8歳の少年が保存状態のいい”原始の亀”の化石を発見したときだ。幸いにもその子の家族が標本を地元の博物館に持ち込んでくれたおかげで、ノロノロと歩き続けた疑問に決着をつけることができた。
8. 時差ボケが方角に影響を受ける理由
よく飛行機に乗る人ならば、西から東へのフライトで感じる時差ボケは東から西の場合よりも強いことにお気づきだろう。これは長い間気のせいか、社会的な迷信のようなものだと考えらえてきた。だが、最近になって事実であると確認されている。それは概日リズムと脳のタイムゾーンの移動に対するシンクロのしやすさが関連している。
体内時計は24時間よりわずかに長く設定されている。よって体は自然に24時間より長いリズムに合わせようとする。このリズムは脳内の特定の細胞によって制御されているが、この細胞もまた日光の変化に制御されている。
1日の時間が伸びて、日光を長く浴びるとき、依然として”信号(日光)”が存在し、こうした細胞に情報を与えている。しかし、細胞は日光がない状況、すなわち日が短くなった状況では混乱してしまう。これが体内時計を直撃する。西から東への移動では1日が短くなるような効果があるため、長くなる1日に適応するよう設定された生来の傾向に反する。そのために体内リズムはより強い打撃を受けるのだ。
7. こぶしがポキっと鳴る理由
こぶしがポキっと鳴るのは関節液の泡がはじけた音だと聞いたことがあるかもしれない。そしてこれを信じていた人も多いことだろう。だが、これが単なる推測でしかなかったということが、アルバータ大学でこぶしを鳴らす名人の手を徹底的に調査した結果判明した。
カイロプラクターでもあったこぶし鳴らしの名人ジェローム・フライヤーは、ある理論を携えて大学を訪れた。それはこぶしの音は関節液に空洞が突然形成されることが原因であるというものだ。泡がはじける音ではない。形成される音だ。関節の表面が突然離れると、そこを満たすだけの関節液がなくなる。このとき空洞が形成され、これに伴って音が発生するのだ。
なお、こぶしを鳴らすと関節炎になるという話もあるが、それもほぼ間違いなく正しくない。今回の研究はそうした話が誤りであることを証明してしまうかもしれない。いずれにせよ関節の問題には早期の治療が一番だ。
6. 盲腸の機能
昔から盲腸は退化した内臓の名残だと考えられてきた。ゆえに、ときおり取り除かなければ命を奪うような時限爆弾を作動させる以外の役割はない、と。ところが、盲腸がなくとも人が生きていけることは確かに間違いない一方で、盲腸の隠された役割が明らかになっている。それは危険な感染と戦う善玉菌の援軍を待機させておくための兵舎であるという。
これはコアラの盲腸を調査することで判明した。実は彼らの盲腸は長く大きい。ユーカリの葉しか食べないコアラは餌を消化するために補助を必要とするからだ。そのために、もしコアラの餌が数千年をかけて変化したのだとしたら、盲腸も人間のものと同じように短くなるのではないかと推測されている。
こうした結果があるとはいえ、これは何が何でも盲腸を手放すべきではないということではない。虫垂炎になったときは素直に医師の診断に従おう。
5. 記憶を受け継ぐことは可能か
後成的遺伝学とは、遺伝子が環境によって変化し、それがDNAに書き込まれて後世に伝えられる仕組みを研究する学問だ。例えば、食習慣や環境毒への曝露のようなものは、子孫に特定の食物や化学物質への感受性を受け継がせる場合がある。最近までわからなかったことは、経験も同様に後世に遺伝されるかどうかだ。例えば、親がトラウマになるような子供時代を送っていたとして、それは子供のDNAを変えるのだろうか。
テルアビブ大学の研究では、これが実際に起きることを確認したのみならず、詳しいメカニズムまで明らかにした。小RNA分子にDNA修飾の受け継ぎを容易にするうえで重要な役割があることは以前からわかっていた。蠕虫での後成遺伝的な反応を測定することで、小RNA分子が複製していることを示す酵素の単離に成功。これによって数世代にわたって後成遺伝的反応が伝わることが確認された。
さらに、このスイッチを操作することで、後成遺伝的反応(例えば、前世代が学んだ恐怖の継承)を思い通りに続けさせたり、終わらせたりする方法も発見した。つまり人間においても、同様のスイッチを操作することで、肉体的な条件のみならず、感情的あるいは精神的な条件さえも植え付けることができるということだ。
4. 亜原子粒子が結合する理由
素粒子物理学において、あらゆる粒子の最小粒子はクォークとされている。クォークがさらに小さな要素で構成されているかどうかはまだ明らかにされていない。これはある力によって互いに結合し、陽子と中性子を形成する。その力が何か、最近まで謎であった。今でそれは別の種の粒子であることがわかっている。
f0(1710)あるいはグルーオンと知られるそれは、粒子同士をくっつける文字通り糊のような働きをしている。これは自身には質量がないという点で光子に似ている。また光子が電磁力の原因であるのと同様、グルーオンは強い核力を担っている。重要な違いは、光子が自分の力に影響を受けないのに対して、グルーオンは受けるという点だ。つまりお互いにくっつくのだ。
直接観測するにはあまりにも存在時間が短いグルーオンは、検出された崩壊率を調べることで発見できる。正確には、結合したグルーオンの集まりであるグルーボールこそが、宇宙全体をつなぎとめているものだ。
3. 重力の本質
アインシュタインの特殊相対性理論や一般相対性理論は、おそらく他のいかなる科学理論よりも真実に近い。半導体の開発はその成果の1つであり、相対性理論がなければ、あなたがこの記事を読むこともなかった。しかし、このようなもっとも堅固な理論でさえ穴はありえる。相対性理論における穴とは重力である。
アインシュタインの理論では、光や音をはじめとする実質的にすべてのものと同じく、重力も波あるいは振動として発現していると仮定している。これは相対性の最後の主要な予言であった。数十年間、一般にこれは正しいとされてきたが、実際に確認されたのは最近になってのことだ。
科学者は超高感度の器具を用いて2つのブラックホールが衝突したときの音を記録。そのかすかな音は、宇宙にある全恒星のエネルギーの50倍ものエネルギーを持つ衝突のエネルギーを表しており、重力波として観測された。アインシュタインの見解が完成された科学史上に残る偉業である。
2. オスが存在する理由
ヒトは非常に効率的な生命体に進化した。しかし、厳密に言うと、私たちが選んだ生殖の方法は効率性の点ではふさわしくなさそうに思える。そこから悦びを感じることはあるだろうが、有性生殖は多くの生物が行うような無性生殖に比べて効率の面では劣る。ヒトがもっとも有利な進化の道筋を辿ったのであれば、性は1種類(女性)で事足りるのだ。それなのになぜオスが存在するのだろう?
その答えはコクヌストモドキの研究で見つかった。研究では、オス90匹とメス10匹を一緒にしたグループと、オスとメスがそれぞれきちんとペアになるようにしたグループを観察。50世代後、健康な子孫を残すうえで雌雄選択が大きな役割を果たしているらしきことが判明した。
配偶者の選択が有害な遺伝的突然変異を排除している可能性がある、とイースト・アングリア大学のマット・ゲージは話す。つまり、私たちにとって無性生殖は非効率的であるばかりか、仮にこれを採用していれば絶滅していた可能性もあるということだ。
1. 宇宙人はいるのか
私たちは宇宙で孤独な存在なのかという問いは科学最大の問いの1つである。それと同じくらい重大な問いとしては、かつて地球外生命は存在したかというものだ。文明の存続可能期間についてきちんとした基準はない。それが存在した宇宙のタイムラインについても不明だ。物理的な証拠もない。それでも、この問いに対する非常に強力な状況証拠がある。
なんと答えはイエスだ。1961年、天文学者のフランク・ドレイクが宇宙人文明と遭遇する確率を推測するための7要素を提示した。それは毎年恒星が誕生する数や生命が進化する惑星の割合などだが、最後の要素として文明の平均的な存続期間が挙げられていた。これまで、それぞれの変数の具体的な数値は不明であり、このドレイクの方程式を用いて何らかの回答を導きだすことはできなかった。
しかし最近、いったいいくつの惑星が存在するのかに関する知識が爆発的に増えた。ここからドレイクの方程式に数値を代入して、この問題にいくばくかの光を当たられるようになった。アダム・フランクとウッドラフ・サリバンの論文はこう論じている。「ハビタブルゾーンにある惑星で文明が進化する確率が100億の1兆倍分の1以下でない限りは、人類が最初ではない」。ドレイクの方程式に関する議論では、かなり悲観的な説でも文明が形成する確率は惑星あたり100億分の1とされていた。しかし彼らの発見によれば、その悲観論に拠ったとしても1兆個の文明が宇宙の歴史に存在したことになる。
☆半導体は相対性理論のおかげかいや!
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