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10の驚くべきリアル世界のレーザー兵器

2013年05月27日 | 世界びっくりニュース

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 SF映画などではガシガシとその威力を発揮しているレーザー兵器。SF世界のものが実世界で現実のものとなるのはよくあるはなしで、レーザー兵器も例外ではないようだ。世界の国々は、実際に殺人光線を保有する軍隊の可能性に目覚め始めている。

 ここでは既に実践に使用されている兵器、実用化直前に開発中止になったもの、まもなく実用化されるものなどを含めた、リアル世界のインクレディブルなレーザー兵器を10種ほど見ていくことにしよう。

10.ボーイング YAL-1空挺レーザー


 空中でのレーザー戦というとスターウォーズみたいだが、アメリカが練っている計画はもっと現実味があるようだ。YAL-1航空機搭載レーザーは、ミサイル防衛のために設計されたメガワット級の酸素ヨウ素化学レーザー(COIL)兵器。レーザーは弾道ミサイルの加速度がピークに達する前に破壊することができる。

 大幅に改良を加えたボーイング747-400Fにレーザーを搭載したものだで、この兵器は、試験運航中で数本のミサイルを首尾良く撃ち落とした。ミサイルの外装を加熱し、飛行中の過負荷により撃墜できる。



 しかし悲しいことに、この計画は数多くの技術革新にありがちな"コスト"という壁にぶつかる。米軍はこのジャンボジェットを15億ドルと試算した。さらに運航には年に1億ドルかかることから防衛には適さないだろうと判断され、この計画は2011年に中止された。


9.ボーイング HEL-MD レーザー


 ボーイング HEL-MD レーザーは小型で、YAL-1の親戚にあたる地上発射型兵器だ。現在米陸軍は、砲弾などの攻撃に対する防御方法は比較的限定されており、10kwの自走式の半導体レーザーは、防衛的な溝を埋めるためにロケットや迫撃砲、そして砲弾といった上空の標的を撃つために設計された。さらに、この8輪駆動のトラックの500馬力エンジンは、様々な交戦地帯や状況下で使用可能であるという。

 HEL-MD 計画は今のところ実戦での試験段階にある。この手の装置が実際に兵器として使用されるためには10倍程度の増強が必要となるそうだが、デイリー・メール誌によると、"ボーイングは、さらに強力なレーザーを取り入れることが可能である"と言っているという。


8.ボーイング・レーザー・アベンジャー


 まるでロボットヒーローみたいな名前がついている、「アベンジャー・ミサイルシステム」は1980年代後半から軍用になり、巡航ミサイルや無人航空機(UAVs)、もしくはそれ以外の空の脅威に対して用いられた。レーザー・アベンジャーはボーイング・アベンジャー対空戦闘車の車体の上に据え付けられる。改良型はミサイルポッドの一つの位置を1kwレーザーに置き換えてある。これまでそのビームは道路脇の爆弾や、小型のUAV(無人偵察機)に使用されたが、レーザー・アベンジャーは戦時下で、その両方をターゲットとして破壊することが可能だと証明された。

 また、この兵器は敵からの視認性が低いという強みがある。閃光やミサイルの白煙無しで攻撃できるため、敵に気づかれないで攻撃できる。


7.レイセオン・レーザー CIWS


 米海軍の近接防御火器システム(CIWS)には制限がいくつかある。射程が短いこと、一回に一つの標的しか撃てないこと、そして標的の変更に数秒かかってしまうことだ。さらにもし標的に命中させたとしても、とどめを刺せるとは限らない。

 解決策の一つとしては、2010年に発表されたレイセオン社の新型レーザーCIWSに替えるという手がある。このレーザーは飛んでくるミサイルや航空機を撃墜するために設計され、射程は3km超もある。理論上、光を生み出す電気の供給さえあれば"弾切れ"も無い。

 試験中、このビームは時速480km超の速度で飛行する無人機の破壊に成功した。またこの兵器は、米海軍史上初めて実用化に成功した洋上での半導体レーザーでもあり、意義深いものだ。なぜならこのタイプのレーザーの海洋での動作には必ずトラブルがつきまとっていたからだ。


6. 1K17 Szhatie (ソビエト軍レーザー戦車)


 旧ソビエト時代のレーザー兵器、1K17 Szhatie は、彼らが企てた最も野心的なプロジェクトの一つであり、"レーザー・タンク"という名で報道されている。

 この装甲車は1970年代と80年代に開発され、敵の電気的視覚を無効化するために設計された。ソビエトはこの戦車を極秘に保とうとしたが、車両の図面が亡命者を通じてペンタゴンまで届いてしまった。この戦車にはSzhatie、"圧縮"という名がつけられ、人口ルビーを通して集光する猛烈なレーザービームを発射する。設計にあたってはかつて製造したものの、大量生産されなかったスティレット(”短剣”を意味する)型戦車の一部を参考に設計された。

 悲しいことに、このレーザーシステムは人工ルビーが必要なため、非常にコストがかかることが判明した。その後、ソビエト連邦が崩壊したことで計画は中止され、朽ち果てるだけの試作品が残った。かろうじて無事だった車両は2010年、モスクワ近郊の軍事資料館で発見されたが、残念ながらレーザー照射器はついていなかった。


5.ノースロップ・グラマン・ヴェスタⅡレーザー


 軍事企業のノースロップ・グラマン社は1970年代から高出力レーザーの研究を続けている。その最新兵器であり、革命的に小さな高エネルギーレーザーを備えたヴェスタⅡは、軍事テクノロジーを躍進させる重要な兵器として注目を集めている。

 出力15kwのこの兵器は"前作(ヴェスタI)に比べ、より移動しやすいものを生み出せる"ことを裏付ける検証モデルだ。以前の”ヴェスタ”同様、その力を損なうことなく、破壊的なエネルギーのレーザーの連続照射を1度に20分間まで可能にした。レーザーは回折率も非常に低く、他に比べてはるかに軍事応用に適している。
 
 今のところは試作品のみのようだが、この高出力装置は確実にエネルギー兵器の一歩前進させることとなるだろう。

4.ノースロップ・グラマン 戦術的高エネルギーレーザー


 高いエネルギーを出す戦術的なレーザーは、1990年代にイスラエルとアメリカが、"デモンストレーター"という名で知られる実践的なレーザー兵器の共同開発に同意したことで研究が始まった。このプロジェクトは4つの請負業社に与えられ、ノースロップ・グラマンはそこで主要な役割を果たした。

 これはフッ化重水素・化学レーザー兵器で、2000年から2004年にかけての試運転で、砲弾やロケット、そして迫撃砲を含めた多数の標的を撃墜できることを証明したが、大きすぎるのが難点であった。

 残念なことに、この兵器は小型化すると本来の性能を維持するのは困難だということが判明した。イスラエル側も、このシステムの大きさと、高いコスト、また、戦場での成果が期待していたほどあがらないことを理由に、研究費を減らし、プロジェクトは2005年に打ち切りになったらしい。

 ところが、イスラエル軍は、2006年の対ヒズボラ戦で自軍の装甲車が大打撃を受けることとなり、この計画を中止したことを後悔したのだろう。イスラエル宇宙局の代表のベン・イスラエルは、再びレーザー兵器の開発再開に興味を持っていると述べたそうだ。


3.対人レーザーライフル「PHASR」


 PHASR(The Personal Halting And Stimulation Response)ライフルは、アメリカ国防総省が開発した携帯型レーザーの試作品だ。これは低出力ビームの光でターゲットの視力を一時的に失わせ、混乱させる目的でつくられた。まるでゲームや映画の世界に登場するような近未来的な形をしたPHASRライフルは、なんら後遺症を残すことなくターゲットを無力にする。

 永久に視力を奪うレーザー兵器の使用は1995年に国連条約によって禁止されている。しかしPHASRは長期に及ぶようなダメージを与えるようなものでは無いとして、その法の穴をかいくぐっている。この兵器の名目は、"非殺傷型目くらまし"といったところだ。


2.ポリウスレーザー衛星


 冷戦の間、ソビエト連邦は資金やテクノロジー、さらにインフラでもアメリカに遅れをとっていた。ソビエトのアイデアの一つに、この状況を相殺し、軍事バランスを自分達にとって有利な方向に傾ける、というものがあった。ポリウスは、宇宙空間にレーザー防衛兵器を持ち込むという野心的なコンセプトで開発された。(007のムーンレイカーそのものだ)

 このプロジェクトは1970年代初期に研究が始まり、1987年、1メガワットの炭酸ガスレーザーを備えたポリウス衛星が発射された。この衛星は、アメリカが戦略防衛構想の一環で打ち上げていた衛星を破壊するために設計されたものだった。

 衛星は、ロナルド・レーガン米大統領が演説した、"戦略的弾道ミサイル防衛を築く"計画(通称スターウォーズ計画)に対抗して発射されたが、ミッションが遂行されることはなかった。試作品はロケットが燃え尽きた後、処女航海の最中に軌道を外れ、宇宙の藻屑と消えていったのだ。もしそれが成功したなら、冷戦は終わっていなかったかもしれない。


1.ノースロップ・グラマン・ガンマレーザー


 "ガンマ"はノースロップ・グラマンが手掛ける、近い将来、戦場に投入されるかもしれない可能性の高いレーザー兵器である。頑丈でコンパクトな13.3kwレーザーは、特定の任務のためにカスタマイズ可能で、別のシステムと組み合わせてさらに強力な兵器を作ることができるようになっている。

 現在、このエネルギービームは飛来してくる無人機の外装を燃やして穴を開け、内部を破壊するほどの威力をもつ。この装置はたった230kgほどの重さで、高さ1m、幅60cm程度だ。これはだいたい電子レンジ2台に相当する。かなりコンパクトといえるだろう。

 "ガンマ"は、ノースロップ・グラマン社のFIRESTRIKEシリーズに含まれているレーザー兵器の一部で、このハイテク兵器類シリーズは最終的には正確な攻撃や防御、そして戦況を把握するのに用いられる兵器に通じると予想されている。

※この記事は海外サイトの原文に基づいて意訳・抄訳したもので、実際の解釈と異なる場合もあります。
(via:techgraffiti) 

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