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3.8リットルで約40億円以上。世界一高価な液体と言われる「オブトサソリの毒」※サソリ出演中

2021年02月01日 | 世界びっくりニュース
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世界一高価な液体と言われるオブトサソリの猛毒
世界一高価な液体と言われるオブトサソリの猛毒/unsplash

 人にとって危険な生物の毒は、時に有益な治療薬になることがある。

 主に中東・ヨーロッパに生息し、「デスストーカー」と呼ばれるオブトサソリは、世界一毒性が強いサソリの種で、その強い毒が治療薬に役立つとして非常に高額な価格で販売されており、「世界一高価な液体」として知られている。


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世界一の猛毒を持つオブトサソリ


 和名では、鋏や胴体に比べて尾が太いことからオブトサソリと呼ばれているこのサソリ、世界一の毒性を持つことで知られていることから「デスストーカー」という恐ろしいニックネームがついている。

 その名の通り、オブトサソリの毒には強い神経毒成分が含まれており、専門家によると「刺された時の痛みは、個人差もあるがわかりやすく言うと『蜂刺されの約100倍』で、耐え難いほどの痛みであることは間違いない」そうだ。

 万が一、人が刺された場合、健康な成人であれば死ぬには至らないということだが、子供や高齢者などは致命的となる可能性もあり、猛毒によりアナフィラキシーショック症状を引き起こすこともあるという。

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image credit:Wikipedia

 そんなオブトサソリの毒が、「世界一高価な液体」と呼ばれている。


3.8リットルで40億円の価格


 オブトサソリの毒の成分の1つに、ペプチドクロロトキシンというのがある。これが、ヒトの脳腫瘍を治療する可能性があるとされているという。

 クロロトキシンという神経毒は、脳腫瘍細胞の表面に結合する性質があり、蛍光色素と結合させることで癌細胞を光らせ視認が容易になるのではないかと期待されているのだ。

 また、他の毒成分もインスリンの調節や糖尿病の治療、マラリア治療などに有効な可能性があるとされており、医療業界ではオブトサソリの毒の研究が進められている。

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image credit:Louis Reed/unsplash

 しかし、サソリの尻尾から毒を抽出することは容易ではない。

 研究者らは、手動で採取しなければならず、しかもサソリが1度に放出する毒はわずか2mgということで、1ガロン(3.8リットル)集めるには2~3週間はかかるそうだ。

 こうした手間暇から毒には高額な値段が付き、現在では3.8リットルのオブトサソリの毒が40億4900万円(2020年現在)にもなるという。

 死を引き起こす毒素が、人体に有効な治療薬に代わる可能性が高いとされるオブトサソリの猛毒。今後、更なる研究開発により多くの人命を救うことが可能になるのなら、その毒が「世界一高価な液体」と呼ばれるのも納得といえるかもしれない。

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