何日か前から、テレビのBS放送が見られなくなった。BSが見られなくても、地上波放送が見られなくても、楽しみがひとつ少なくなるくらいで、どうってことはない。録画も出来ないし、カミさんに頼んで録画してもらっても見忘れていることが多いから、地上波が見られるなら構わなかった。
しかし、カミさんは「毎日見ているものが見られないのは困る」と言う。私はテレビよりも電気釜の調子が悪い方が嫌だ。内蔵されている電子機器が壊れたようで、美味しいご飯が炊き上がらない。ベトベトしていて、シンも残る。せっかく美味しいお米をもらっても半煮えのようなご飯は食べたくない。
ふたりの利害が一致し、付き合いのある「街の電気屋」さんに電話することになった。「電気釜は絶対取り換えた方がいいと言うから、こっちの安いのでどう」とカミさんは言う。「何でも高いものが一番いいと思っているのだから」とけん制された後だから、「ああ、いいと思う」としか答えられない。
昨日、電気屋さんが来て、電気釜についてはカミさんの予測通り、新品を勧めてきたので、「じゃー、これでいいでしょう」と予め決めていた製品をカミさんが指す。次にテレビだが、「アンテナに異常があるようです」と電気屋さんは調べ始め、長い時間かけて直して帰って行った。ところが今朝になって、やはりBSが見られない。
今日の午後、新しい電気釜を持って来ることになっていた電気屋さんに、「BSが見られない」とカミさんは電話し、「あなたひとりで大丈夫?きっとアンテナを取り換えよと言うわよ」と言って出かけて行った。電気屋さんは「アンテナが悪いようですね。新しいものを持って来たので取り換えましょうか」と言う。見られない以上取り換える他ない。ところが、アンテナを新品にしたのにBSがやっぱり見られない。
「ディスクレコーダーもダメですね」と言う。それでは録画が出来ない訳だから、すぐ新品に取り換えるべきだが、ちょっと高額で、私が単独で決められる金額ではない。「分かりました。事情を説明しておくので、明日また電話します」と答える。不具合が生じる時はいつも一度にやって来る。老人世帯には痛い出費になりそうだ。