友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

秋川雅史さんに会えた

2012年10月19日 19時01分24秒 | Weblog

 姉が「どうしても会いたい」と言っていた秋川雅史さんにはどうすれば会えるだろうか。「秋川君は私の後輩です」と言った宿の支配人の話では、「16日の朝、西条高校の前にだんじりが揃います。そこで朝食を摂るので、そこへ行けば会えると思いますよ」ということだった。15日は西条市で宿が取れなかったので、今治市で泊まった。今治のホテルからタクシーで駅に、そこから伊予西条までJRで行くのだが、1時間に普通が1本、急行が1本しかない。前日もそうだったけれど、結局急行を利用するしかないから、距離は近いのにお金はかかった。

 伊予西条駅に着き、出来るだけ早く西条高校前まで行くためにタクシーに乗った。交通規制があって近くまでしか行けなかったが、それでも82歳の姉を連れて歩くには助かった。高校は城の中にあり、その城の正門前で各だんじりが気勢を上げるのだが、77台が勢揃いをするには随分時間がかかるから、その間に食事をするという具合だ。この通りは官庁街で、その駐車場がそれぞれの休憩場になっていた。秋川さんのだんじりの名前は分かっていても、それがどこにいるのか分からない。地元の人に尋ねると「38番だ」と言う。

 だんじりは順番に並んでいる。1台ずつ確認しながら歩く。あった。けれどもそこに秋川さんの姿はない。だんじりの後ろ側を見ると、ブルーシートが敷かれて人々が休んでいる。そこに高齢の婦人たちの姿が見える。秋川さんの登場を待っているのだ。姉に、「ここに居れば必ず秋川さんには会えるから」と言い、待つことにした。やはりこの選択は正しくて、しばらくするといつもテレビで観るパーマ頭の秋川さんが見えた。途端に周りの女性軍が動き出し、サインを求めたり、写真を撮る人が現れた。

 これなら、私たちがお願いしてもいいだろうと思い、姉の手を引いて秋川さんの前に行く。「名古屋から来ました。写真撮らせていただいてもいいですか」と声をかけると、「ええ、どうぞ」と姉の隣に立ってくれた。撮り終って私は礼を言い、握手する。そして、「姉さんも握手してもらったら」と姉の手を差し出した。秋川さんの熱烈なファンの割にはいざとなると身を引いてしまう姉なのだ。秋川さんは連日の祭りで少々疲れ気味だったが、気さくに応じてくれた。気の優しい人だと感じた。姉はもう有頂天で、「まさか一緒に写真が撮れるとは思わなかった」と言う。写真の顔を見るととても満足そうだった。ここまでやって来た甲斐があった。

 夕方は最大の見せ場である「川入り」を見るために、加茂川の堤防まで送ってもらった。そのクライマックスで私は日本の祭りの原点を味合った。「川入り」というのは、祭りを終えて神様が乗った神輿が川を渡り、神社に戻るのだが、その時、名残を惜しむ何台かのだんじりが川に入って神輿を引きとめようと、川の中でもみ合う壮大で劇的な場面である。私たちの目の前に、阻止組のだんじりの1台がやって来た。そして、だんじりに提灯を取り付け火を入れる。辺りはすっかり暗くなり、77台のだんじりに提灯が燈る光景は実に幻想的で美しい。しかも川面に映えるからさらに優美さが強調される。

 静かで幻想的な世界が一変するのは、いよいよ神輿が川を渡ろうと動き出す瞬間だ。静から動へと激しく変わる。両岸の観衆は総立ちになる。そういう祭りの場面も印象的だったが、そこで出会った人たちに私はもっと感動した。でも、この続きはまた明日にする。

コメント
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