minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

春はそこまで・・・

2007年02月28日 | 家族の日常
 今日4回目のレントゲンを撮った。回診に来た担当医は「だいぶ水が減りましたね。炎症反応は4,6ですからまだまだ平均(0.3とからしい)にはほど遠いけど・・・。」「先生、先日自宅へ帰ってみて判ったんですが、家の方が熟睡できるんです(きっぱり)!」「そうですか。ではそろそろ・・・」「退院ですね!?」「うん、そういう方向で・・・。明日、日大の教授が回診する日ですから、相談してみましょう。」(殆ど誘導尋問のようだったなw。)

 先生が出て行ったとたん、ばんざ~い!と小さな歓声をあげた。今まで臭かった病室もバラの香りに包まれているような気分。煩い龍角散ばばあのだみ声のおしゃべりすら小鳥のさえずりにしか聴こえない。春はもうそこまで来ているのね~。

 「水がだいぶ減っているので、急な変化に対応できず、肺と呼吸のタイミングによってつったりする事があります。でも、それは悪くなっているのではないので安心してください。」226の2セット目に異常に脇腹がつったのを思い出した。そうか、そういう事だったのね。良くなっている兆しでもあるのか。ちょっと心配だったけど、ほっと胸をなでおろす。

 この調子だと水も脇腹から抜かなくて済みそうなので通院で投薬治療。焼肉、おすし、ハンバーグ、しゃぶしゃぶ・・・あ~、退院したら何を食べようかなあ。食い意地の張っている私は食事の事で頭が一杯。あ~、この嬉しい気持ちを誰かに伝えたい!と思っていたら試験が終わった遼介がタイミングよく登場。彼も試験の結果はなかなかよかったようだので、久々に話が盛上がる。「さあ、俺は今日から当分はゲームしまくって遊ぶんだ!」と爽やかな顔で帰って行った。

 ついに屋上で新曲ができた。これは敬愛する看護師さんたちに捧げるファンキーな曲になる予定?!

 退院の日が決まったらまたすぐにここでお知らせしますね~!みなさん、本当に暖かく見守ってくださってありがとうございました(って、まだちょっと早すぎるかな?)。
 

親ばかは飛躍しない・・?

2007年02月27日 | 家族の日常
 「さっちゃんの演奏は、病気とは思えない素晴らしさだったと、私の親戚からもメールが来ています。226はやはり特別な日ですね。来年もよろしくお願いします。
 しばらくは無理をしないで休んでください。芸術家にとって、ローヤとビョーキは、飛躍の糧と密かに考えております! 洋輔」

 山下洋輔氏からいただいたありがたいメール。この「芸術家にとって、ローヤとビョーキは飛躍の糧」という文が凄い!つくづく洋輔氏に脱帽いたしました。でも私は洋輔さんのように飛躍できるのだろうか?ふつつかながら、同じ道をたどる226新参者としては、目標があまりに偉大すぎてちょっとプレッシャー・・・(汗)。(もちろん、ローヤは未経験です、誤解なきよう。)

 昨日来てくれていた美人看護師さんたちが病室に次々に現れて「永田さん、昨日は素敵でしたね。別人のようだったわ~!」(そりゃそうだ、いつも寝間着でウロウロ、ぼさぼさ頭でノーメイクの私。)満席状態だったので立ち見がつらく1セットで帰られたそうですが・・・。鍼の竹村先生もいらしてくれていたので、いつ倒れても安心だった事は確かです(嬉)。

 朝起きて(4時頃に寝たのだが6時には起きてしまった、ああ、悲しき病院リズム・・・)、昨日のあとかたづけをして、いろんな方にお礼メールなどを書いているうちに、遼介が学校に行く時間になってしまった。遼介は今日と明日学年末試験なのだ。「今まで頑張ったんだから自信持ってね~。」と暢気な母は息子にエールを送る。「ああ、行ってくるよ。」

 私がいない間にすっかり『黄金チャーハン』が得意料理になってしまった息子の背中が今朝は一段と逞しい・・・今度はいつお見舞いに来てくれるのかしら?(って殆ど毎日会っているだろうが。その為に学校の通学路にあるこの病院を選んだのだから。)

 溜まっていた洗濯物をして干してから病院にゆっくり戻ったけど、体は全然元気だ。この調子なら・・・明日のレントゲンが楽しみ。でもあんまり楽観視しているとあとでがっくりするかも知れないのでおとなしくしておこうっと。ちょっと元気になるとすぐ調子に乗るのが私の悪いところであります。限りなく親ばかだけど、飛躍にはほど遠いなあ・・・。

 写真は左から沖山秀子さん、マキさん、洋輔さん。強力な団塊トリオの貴重な3ショット・・・共通点はみんな酒豪ってところ!?

任務完了!大感謝。

2007年02月27日 | ライブとミュージシャンたち
 御陰様で、沢山の方々に見守られ今年の226も大成功に終わりました。今回はなんといっても、スペシャルゲストなのに、私より多く出番をつくってしまい、それを嫌がらず私を常にカバーするように支えてくださった山下洋輔さんに感謝しております。

 もちろん、他のメンバーも体の心配もしてくださりつつ、熱い演奏で盛り上げてくれ本当に素晴らしかったです。ああ、言葉にするのは難しいけど、私は幸せ者だなあ、としみじみ思いました。マキさんの歌声も一際冴えてましたね。

 沖山秀子さんがいらしてて「こんなにミュージシャンが一体となってグルーブしているのには感動した。」と何度も素晴らしいの連呼。嬉しい限りです。

 体の方も熱が上がる事もなく、ちょっと胸は苦しかったけどあとは病院へ戻ってしばらくは安静にします。

 本当に本当にみんなが助けてくれたお陰でコンサートも成功したのです。ご心配おかけして申し訳ありませんでしたが、こんなに元気に演奏する事ができました。ありがとうございました!泣かないで演奏もできてよかった・・・。

 沢山の方に言われました。「無理しないで頑張って。」はい、これからのテーマにいたします。

写真提供:津田啓三郎

友、遠方より来る

2007年02月25日 | 家族の日常
 「わ~、ブログで読んで想像はしてましたが、凄いところですなあ。私だったら3日もいられない・・・!」

 大抵の見舞客はこの病室の臭いとボケ老人のたまり場の中に挟まれている私のベットを見て驚く。個展を明日で終える忙しい中、今日は夕食後にKちゃん(若き天才美人アーティスト)が自分の作品の絵本とTシャツを持って遊びに来てくれた。

 「なんだか、私も最近ボケ老人になってきたみたいなのよ・・・。」「さちさ~ん、やめてくださいよぉ。でもなんだか元気そうでよかったです。」

 避難所として使う6階の喫茶コーナーは私が管理人のようなもの。ここの横の屋上のドアを通ってサックスを練習しに行くので、みんなが私に声かけてくれる。「今日も練習かい?」「無理しないでね、今日は風が強いからね。」などと言いながら誰も煩いから練習止めろとは言わないでくれるので、こちらもついつい朝と昼と2時間ほど思い切り吹かせてもらっているのだ(でも本当は隣に建っているマンションの住人が迷惑しているかも知れないな)。そしてこの部屋の空調と電気を最後に切ってくるのも私の仕事。

 Kちゃんとお菓子をつまみながらおしゃべりしていると、長野からCちゃんがやってきた。Cちゃんは最近「ポエトリーリーディング」を計画、近くに住む友人2人(フルートとジャンベ)を誘って練習を開始。自分の表現力をつけるために、今日は巻上公一さんのワークショップに来たのだ。

 彼女の詩を見せてもらい、一緒に演奏してくれるフルートの人の楽譜などを見せてもらって朗読と演奏の合わせ方についてキーボードまで持ち出して簡単なアレンジとアドバイスをする。初めてのセッションなので、さっぱり前に進まないというから私でよければ手伝うからね、と前から約束してあったのだ。Kちゃんにもこうしたらどうでしょう、などと意見をもらい、一所懸命にメモをとるCちゃん。

 偶然出会った女性アーティスト3人で2時間もしゃべっているとあっという間にCちゃんの帰る時間。Cちゃんも私の部屋を一目見て愕然としていた。「ちょうど良かったよ・・・」といってBODY SHOPの「アロマオイル」と「ルージュベリーのオードトワレ」なんてお洒落な土産をくれたのだ。おお、なんと気が利く!さっそくベッドに香りをまきながら、この老人達の臭いから逃れる。今、私の体はルージュベリーの甘い香りに包まれて・・・(嬉)。ありがとう、Kちゃん、Cちゃん。とっても楽しいひとときでした。

 Cちゃんが一言。「さっちゃん、相当暇をもてあましてるね~。」あはは・・・、否定できない私。あとは9時に寝るだけなんだも~ん。(たまに咳の発作で夜中に起き出し、こうやってブログ書いていますが・・・)。

仮出所?

2007年02月23日 | 家族の日常
 今日は226のリハーサルで病院を外出させてもらった。生憎の雨だったが、雨の匂いに混じって沈丁花の香りがさりげなく、久々の娑婆はとても気持ちいい。朝6時から叩き起こされ、9時にはベッドを追い出され(シーツ交換)、10時には郵便局へ行く為に病院をあとにする。みんなに「いってらっしゃ~い。」と言われ、どこが家だかわかんなくなってくる(苦笑)。

 雑用ばかり沢山あって、リハーサルの準備も完璧ではないまま高田馬場のスタジオに向かう。山下師匠は早々にいらした。つの犬も迷っているらしいが、駅には来ているとの連絡が入る。凄いぞつの犬!

 セシル・テイラーは全然元気でしたよ、と先日のコンサートの話などしている間にみんなが到着。マキさんとも久しぶりだ。大儀見元perちゃんは最後に残った左腕にもくりからもんもんが入っていた。あとは3/30のライブで最後の目玉を入れお客さんの前で完成させるという凄過ぎる企画。「さっちゃんたちにも、来てほしいなあ~。」う~ん、とっても行きたかったけど、その日はマキさんとのライブでした。ごめんね元ちゃん。

 たった3時間だったので全曲通す事ができず、あとは当日・・・ケ・セラ・セラ。

 リハーサル終了後は予約を入れておいた石森楽器に直行。ちょうど、病院で吹いているときにソプラノサックスを掃除しようとして、バネをはずして音が出なくなってしまったのだ。「紗知さんは楽器を掃除しようなんて思わないでいいですからね。」と諭される。ハイ,すみません(汗)。

 一度病院に車で立ち寄り楽器を一反部屋に戻すとまた病室の患者さんが「あら、おかえりなさ~い。」家族が出迎えてくれる気分。「いいえ、まだ夕飯食べに行ってきま~す。」雨が上がったので、病院に置いておいた自転車で家まで帰り(途中で猫の餌をたんまり買って)、遼介と3人で近所のお好み焼き屋に食事に行く。

 お好み焼きが焼ける合間を利用して、父と息子は今度の期末試験に出る歴史の問題を出し合っている。今度の学年末試験(27日)では頑張って10位以内に入るんだ~!と目標だけはいつも高い息子よ、頑張るのだぞ!結果よりも今やっている努力が大切なんだからね。母は何にも手伝えないが・・・。

 ゆっくりもんじゃ焼きまで食べていたらもう、8時半。「げ~!」家に戻って荷物とって自転車で必死に病院へ戻る私って一体・・・・。楽しかったけど流石にくたびれました。明日はゆっくり体を休ませよう。

 本当は明日はminga@六本木アルフィーです。私は無理ですが、なんと川嶋哲郎ts氏がピンチヒッターで出演してくれる事になりました。面白そうですね。私も聴きに行きたいくらい!ぜひお出かけくださいませ。

追伸:Cさんのご指摘があったので、訂正いたします。3/12(月)の新宿オープンのMAUのライブを日曜と書いてしまいましたが、月曜の間違いでした。謹んでお詫びもうしあげます。

まだかね~。

2007年02月19日 | 家族の日常
 肺の水が少し減っていたようだ。徐々にだけど順調に回復に向かっているようで一安心。お風呂もついに了解をとった。

 結核では大先輩の(!?)バリトンの吉田夫妻が来てくれたのでいろいろと薬などのマニアックな話を沢山聞く事ができた。やはりこの薬を飲んでいる間は体がだるいのが続くらしい。半年もか・・・(深い溜め息)。しかも、人によっては肝臓に副作用が出るらしいので、薬を飲んでいる間は絶対禁酒。なんか人生の楽しみがどんどん奪われて行くなあ...半年の辛抱だろうけど。

 山下洋輔氏ともメールでやりとりしていてわかったのだけれど、山下さんも肺に水が溜まり、結核の疑いもあったので1年半療養なさっていたそうな。背中から注射で一升瓶くらいの水を出したらしい(想像しただけでも痛そう)。しかしその頃に「風雲ジャズ帳」であの名著「ブルーノート研究」をお書きになったらしい。やはり226生まれは転んでもただでは起きないという強さを持っている(苦笑)。

 吉田君も隔離病棟で1年くらいいたのかと思っていたら「いいえ、110日間ですよ~(涙)。」人間の記憶って曖昧なもんだ。凄く長い間隔離されてたような気がしてた。うつると怖いからお見舞いにも行かなかった薄情な私を許してね!今も定期検診はあるようだけど、薬が終わるとだるさもとれてすっきりですよ~、とさわやかに話をする吉田君を羨望のまなざしでついつい見てしまったw。そこに遼介が学校の帰り道で寄ってくれたので、バリトンサックスの話でもりあがる。小さな頃、家で吉田君によく遊んでもらって「バリトン星人!」と言ってなついていたのに、今や身長も同じくらい。足は吉田くんよりでかかった。「吉田君ってあんな顔してたっけなあ・・・」と息子。どんな印象だったんだろう???

 利樹は二日酔いの体にむち打って得意の「ビーフシチュー」を作って持って来てくれた。めちゃめちゃおいしかった。病院の料理に飽き飽きしていたので昨日のカツサンドといい、卵焼きといい、涙が出る程おいしく感じられる。ああ幸せ。

 脱走ばあさんは、ついに夜中の3時半に徘徊しだし、龍角散ばあさんと話し込み、煩くて気が狂いそうになる。「静かにしてください。」と流石の私も切れたが、聞いちゃいない。お願いだから早く退院して~!10分ごとに「まだかね~。」を繰り返す。娘が迎えにくるのがまだかな、という意味なのだが、誰に聞くという事もない。みんな無視していればそれで済むのだが、龍角散ばあさんが大きな声で相手をするから始末に終えないのだ。みんな人恋しい、淋しいおばあさんたちばかりだ。

「肺ガン治療の麻薬(モルヒネ)投与は6時間おき、夜は何種類か睡眠薬も投与しています。」脱走ばあさんを自宅治療に切り替える為の説明を看護士さんがヘルパーさんにしているのを聞いてしまった。そうか、睡眠薬も何種類も飲んでいるのに起きてしまうのか。しかも朝ぼけているのは薬のせいなんだな・・・。娘が見舞いに来ている間はしゃきっとしているのだから、こういうおばあさんはできるだけ自宅療養が望ましいのだろう(介護する身内も本当に大変だろうが本人の一番望む形にしてあげるのが最優先)。

 「まだかね~。」は入院患者の魂の叫びを代表しているのかもしれない。

雨があがって・・・

2007年02月18日 | 家族の日常
 小雨が降りしきる朝も早よから、例のう○ちくっつけまくりおばあさんが脱走した。娘が3時くらいにきて、外出許可をもらって散歩に連れて行ってあげるね、と約束していたのを、退院できるのと勘違いして朝の6時から「今、何時?もう娘が迎えにくるんだけど。」「まだかしら。私が自分でバス停まで行こう。」「やっぱりもう、帰るわ。」などと一人でぶつぶつ。周りでも気をつけていたのだが、ちょっと目を離したすきにいなくなっていた。

 「看護士さん、●●さんがいませんよ。」と教えてあげるとた~っと外へ見に行く。びしょ濡れのおばあさんをかかえて戻って来た。「ったく、雨の中、タクシーに手をあげているところだったよ。」本当にご苦労様。そんなおばあさんも水曜には退院だって。いいなあ。

 一番奥の患者さんの孫がお父さんと一緒にお見舞いに来ていた。まだ小学3年くらいの男の子だったが、この大部屋に入ったとたん、鼻をつまんで、ずーっとお見舞い中も鼻をつまみっぱなし。帰り際に「あ~臭かった。」といいながらトイレの前を通ってまた臭いをかいで鼻をつまむ。「あ、ここの臭いと一緒だよ~!」子供って本当に正直だな(苦笑)。

 私は朝と昼過ぎに、ちょこっとづつだけどサックスを屋上で吹き始めた。今日は雨だったので止むのを待って3時からちょっとだけだったが。そんな中、高校時代の友人が八王子からわざわざ駆けつけてくれたり、Sちゃんが昨日のヤヒロソロライブ@ぺーぱーむーんの報告(素晴らしかったそうな!)に来てくれたり・・・そして夕方はピアノのKちゃんまで!!本当にみんなの優しい気持ちで胸が一杯になる(涙)。人間ってやはり一人じゃ生きて行けない、こんなに素晴らしい友人達に支えられてきたからやってこれたんだな、ってつくづく思う。私が逆の立場だったら、彼らと同じような事ができるのだろうか?いつも自分の事ばかりしか考えていない人生だったような気がする(大きく反省)。

 明日、またレントゲンをとって、その結果次第でこれからの入院の長引き方がわかる。少しでも水が減っていますように・・・。

勘弁してくれ~!

2007年02月15日 | 家族の日常
 これが高齢化社会の実態なんだろうか。あまりに周りのばあさんたちが酷過ぎる。ぼけ老人、寝たきり老人、8人部屋の私以外の7人は全て自分で排泄できない人たちばかり。私、もしくは私の母が将来こうなったら・・・と考えるとぞっとする。母は私の入院騒ぎで一日で黒い髪が白髪になってしまったのでこんな歳になってまで、なんて親不孝な娘だと反省しているのだが・・・。でも現実問題、殆ど一日中排泄処理に追われている看護士さんたちが本当に可哀想だ。大変な職業で心から尊敬します。

 1日中「おむつ替えてくださ~い。」という龍角散おばあさん。あ~、とウ~しか言えない寝たきりの隣のおばあさんは私が夜、冷蔵庫から果物を取り出して、振り返ると大きな目で私の方をギロっと見ているのでびっくり。ここはお化け屋敷か?!
 「う○ちがでないよ~。」とわめき続け、自分でお尻を触ってばかりいるおばあさん。パジャマがいつも黄色く汚れている。しょっちゅう、看護士さんたちに「またう○ちがパジャマについてる~!着替えなくちゃあ。手も洗って!」と怒られている。あ~、頼むから食事中だけはじっとして、黙っていて!という感じ。この頃では大きな音で(もちろんヘッドホーン)ブラジル音楽などを聞きながら食事する事にしている。束の間の逃避。

 昨日から点滴が終了、体調もだいぶ良くなって来たのでちょっと散歩してみた。すると屋上があって、誰も来ないコーヒーの販売機のおかれた休憩所を発見。お~、ここならいつでもコーヒーの香りの中で本も読めるし、お見舞い客が来たらここへ逃げればいいんだな、と嬉しくなる。階段の上り下りも運動にはちょうどよい。

 気分もよかったので利樹にサックスを持ってきてもらう。明日も天気がよければ屋上で少しづつリハビリ兼ねてサックスの練習をする予定。先生にも「あまり無理はしないように。」とは言われたけど、練習する事は了解とったし。やったあ!

 夕方、Cさんが「プリザーブドフラワー」というなにやら1年は水もあげなくてもこのままの美しい形のまま保つ花束というのを持ってやってきてくれた。さっそく屋上のコーヒーショップで話し込む。何にもいらない、顔を見せに来てくれるだけでも嬉しいのだ。心からありがとう!私は日に日に元気になっています!

1週間経過

2007年02月13日 | 家族の日常
 今日はSちゃんがヤマハのおもちゃのキーボードを持ってきてくれた。音の出るものが欲しいな、と思っていただけにとても嬉しかった。そしてぺーぱーむーんのMさんとAちゃん母子も2回目のお見舞いに寄ってくれた。面白そうな本を沢山貸してくださった。本当に感謝。

 さて、順調に熱も下がり、咳もへったので勝手に「20日頃には退院だな。」と思っていたのですが、利樹が先生に聞いたところ「肺の水がまったく減っていないので、退院はもう少し先になると覚悟してください。」と言われてしまった。でも226の日はなんとか許可を下さるという。本当に病院から行くはめになろうとは・・・とほほ。

 みんなは「最初に挨拶するだけでもいいよ。」なんて優しい言葉をかけてくれるけど、やはりそうはいかない。お客様の顔を見たら絶対演奏したくなるし、演奏して倒れてもいいや、って気持ちの方が強い。カナビスの輪だってやりたいし。

 肺に多少水が溜まっても演奏できない訳ではないからせめて1日だけでも頑張らせてください。とめったにしない神頼み。あ~、でもこんな事になんでなってしまったんだろう。自己管理能力のない自分が本当に情けない(涙)。(と言う事で24日の六本木アルフィーも私なしのMingaでやってもらう予定です。すみません。)

見世物小屋の思い出

2007年02月12日 | 家族の日常
 ロビーに出て要町の交差点を様々な車や人々が歩いているのをぼーっと上から眺めているだけでも楽しい。3連休なので、する事もなく本を読み、PCでライブのビデオなどを観たり、CDを聴いたりしている。昨日は美人の看護士さんに洗髪までしてもらってすっきり。元気が少しづつ湧いて来たようだ。

 この病院はとても古い病院で、昔は産婦人科もあって利樹はここで産まれたのだ。私も新宿歌舞伎町の病院だったけど、利樹も凄い所で産まれ育ったんだな。

 「私、ここやめて来月から透析センターで働く事にしたわ。」「いいなあ。この病院って暗いもんね~。」「きゃあ、歯が出て来た!」「とっといて。私使えるかも知れないから・・・。」ベッドの片付けをしながらの看護士たちの会話。冗談がきつい。

 向いの大部屋のおじいさんがずっ~と「う~、う~、う~」とうなっている。時々「先生~,先生~」というのも混じる。誰も相手にしていないのだが、同室の方々はさぞ迷惑だろうなあ。今朝は看護士たちがおじいさんのうなり声を聞いて笑っている。何だろうと耳をすますと「みやさま~、みやさま~」に変っていたのだった。今度は何て言ってるのかな、と廊下に出る度にチェックを入れるようになってしまった(苦笑)。

 なんだかおじいさんのうなり声を聞いていて、見世物小屋を思い出した。小さい頃に祇園の母の実家によく預けられていた私は、一人で八坂さん(八坂神社)の出店で遊んでいた。八坂さんは私の遊び場だった。なかでも輪投げ屋さんが大好きで、毎日通って遊びに行くうちにおばさんと仲よくなり、夕方の片付けまで手伝って景品を1つか2つ好きなものを持って行っていいよ。といわれるのが最高の楽しみだった。今思えば土で焼いたうさぎとか人形などガラクタばかりだったのだけど子供にとっては宝石のようなもの。

 その楽しい射的、べっこう飴、カラメル屋、うぐいすに芸をさせるおじさん、沢山並んでいる中で一番奥まった広い場所におどろおどろしい見世物小屋があった。

 輪投げに夢中だった頃(5,6歳)には気がつかなかったけど、少し大きくなって(中学生)「これは一体何だろう?」と思い近づいて行くと美しい女が髪をふりみだしながら蛇をまるごと齧って血を流しているという恐ろしい絵。そこにだみ声のおじさんの口上が・・・「山奥から発見された双子の美少女たち。彼女たちは人間の世界を全く知らずに山から連れて来られ、未だに蛇の生き血を吸いながら生きている・・・さあ、お代は見てのお楽しみ。面白くなかったらお金はいらないよ。さあ入った入った。」というような内容の事をいかにも恐ろしげに語っている。怖いものみたさで一大決心、いくらだったかすっかり忘れたけどお金を握りしめて小屋に入る。

 暗いテントのようなところに入ると遠くにステージのようなものがあり、ぼーっと灯りがついている。女の、というかかなり高齢の女性が一人(あれ、双子という前振りだったはずだが・・・)登場。遠くであまりはっきり顔は見えないのだが、どう見ても美女とはいいがたい、昔美女だったのかな~?くらいのおばあさんが、蛇を自分の口に入れる格好をし、寸前で小さなコップに赤い赤い液体の入ったものをさっと取り出し、上を向いてそれを一気に飲み干した。ショーは終了。え~っ、これだけ~?と文句を言いたくても怖そうなだみ声のおじさんが出口でお金をみんなから受け取っている。誰も金返せ、とか金は払わないぞ。なんていう人は一人もいない。そう、これが見世物小屋の楽しさだ。騙されるとわかっていながらも体験したい、このワクワクドキドキ感。またどこかで出会ったら入りたい。