minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

ピアソラとスーパームーン

2013年06月23日 | ライブとミュージシャンたち
週に4日のプール通い、深夜の特訓、前日のプレリハーサルを兼ねたPartyライブ、神社にお参り、ダイエット(嘘)とやれる事はやった。こういう練習がミュージシャンにとって大切なのだと思う。全ては一瞬で消えていく本番のために・・・・。

待ちに待った大儀見元perちゃんを迎えて「ESCUALO発売記念ライブ」。いつもより早めにOPENに入る。楽しみで楽しみで仕方ない。ふふふ。昨日の雨も嘘のように晴れてくれた。

ところが集合時間が来てもまだ元ちゃんが登場しない。おかしいな~、と思っていたら携帯電話が鳴った。

「あれ、元ちゃん、今どこ~?」
「今、国立です。手帳には国立って書いてあったから・・・・。」

えええ?OPENは新宿なのに~~~。メールの行き違いで元ちゃんったら違うライブハウスに。しかも、国立から新宿へ戻る。ひえ~~~。

もうこうなったら本番に間に合えばよし、という事にしよう。と覚悟を決める。アルゼンチン時間か。

本番の30分前に到着。元ちゃんとESCUALO、FUGAなどはやった事がない・・・・汗。もうお客様も入ってるしリハーサルができる状態ではない。どうしようか、と迷っていたら元ちゃんは「ESCUALOは知っていますよ~。」との一言。うわ~、神様~~~!!

という事で、そのまま本番へ突入。ハラハラドキドキ・・・スリル満点。これが素晴らしいのなんの。文章で書けないのがもどかしい(苦笑)。とにかく、音楽の神様は私たちを見捨てなかった。

元ちゃん「こういうスリリングなステージが返っていいんですね。」

奇跡的なCD[ESCUALO]の発売記念ライブは結果的に大成功。いや~~、幸せです。これがライブの醍醐味。このユニット、ぜひもう一度やりたいと熱望。

来て下さった皆様、本当にありがとう。OPENの生音ライブもいいもんだわ~~。お店を出ると、スーパームーン、光り輝くお月様がにこにこ笑っていた。ピアソラも笑っているかな。

次回は8/1の甲府/桜座で、minga5+大儀見元perです。天才、奇才パーカッショニストの2人を堪能してください。甲府でお待ちしてますよ~~~~ん。桜座は絶対に来ないと損ですぞ(きっぱり)!!!!


写真提供:ORIE


すべての物事に、地雷があるはずです

2013年06月14日 | ライブとミュージシャンたち
私はめったにスタンダード(歌もの)を演奏しない。根性がひねくれているのか、ジャズ研時代のジャムセッションの苦い思い出のせいなのか、よくわからない。よほど感動した曲でないと不器用な私は演奏できないのだ。感動しても演奏できないものも沢山あるけど。

スタンダードを中心にお願いします、と言われている吉祥寺サムタイムだけが特別。しかし、20年以上もサムタイムで演奏しているけれど、あまりスタンダードに関してはレパートリーが増えていないのは私の怠慢か・・・とほほ。

しかし最近、はまっているのが上のタイトルになっているもの。翻訳ソフトからの訳らしくて、あまりの酷さに笑いが出てしまったが、何の曲かわかりますか?

チャーリーパーカーで有名なこの曲は昔から「良い曲だけど難しいなあ。」と思い人前で演奏する事はなかった。自分が納得しなければ、やはり人前で演奏したくない。本当に心から良い曲だな~と思ったものだけを演奏するようにしている。この曲は生徒と一緒に練習するようになって、改めて「美しい曲だなあ」と惚れ直したもの。歌詞を見つけて歌えるように練習しているうちにいろいろな発見があった。インターネットって本当に凄い!

そういえば、毎年226で山下洋輔さんとDUOのコーナーを設けている。他の曲は殆ど私が選曲し、その日だけ洋輔氏におつきあい頂く形になって「女バンマスにしきられる誕生日」として有名になっているけど、このDUOだけは洋輔氏がスタンダードを一曲選び出す。

今年の226では「Every time we say good-bye」が課題曲となった。

菊地成孔ts君が洋輔氏とのセッションで持って来て以来お気に入りになったそうだ。
「この最後の歌詞がいいんだよね~。」と何度も私に繰り返すほど。

There's no love song finer
But how strange the change
From major to minor

[ 素敵な歌、なのにおかしいの、長調のはずが
さよならを言うと短調に変わってしまうから]

このmajor to minor というところで、曲のコードもmajorからminorに変わるのだ。心憎いコール・ポーターの仕掛けに洋輔氏の心は鷲掴みにされたそうであります。

ここでも書いた事があったかもしれないけど、「Round Midnight」という映画の中でもD.Gordon(T.sax)が演奏をパッとやめてステージから降り、外で頭を抱えるシーンがあった。「どうしたの?」とお客が尋ねると「歌詞を忘れたから吹けないんだ・・・」

うる覚えだったが、確かそんなシーンだった。「カッコいいぞ、Dexter!」と感心したのを思い出す。

スタンダード(歌もの)にはやはり歌詞がついている。だから厄介なのだ。当たり前の事だけど、サックス奏者だって歌を歌うのと同じようにテーマを吹きたい。そこからどんどん進化するのは良いとして。

歌謡曲を聞いても歌詞がなかなか入ってこない体質の私にとっては英語の歌詞を覚えるなんて至難の業。昔、歌ものを上手に歌いこなせない時、共演していた黒田京子pさんが「さっちゃん、その曲やるんだったら、フランクシナトラを聴くといいわよ。」とアドバイスをくれた。そして今はyoutubeという便利なものまである。なんて良い時代になったんだろう!

いろいろな歌手がどういう風に歌いこなしているのかを聴き較べて研究することはとても重要な事だ。どこで息つぎをしているのか、フレーズに込める感情などなど。一人一人個性がある。その中から自分にあったものを選択して自分の歌にしていく。この作業が面倒だけれど楽しい。


それにしても、翻訳ソフトってどうにかならないのかな(苦笑)?あさってのサムタイムで、「地雷」のない、あの美しい曲を、歌ものを得意とする吉田桂一君の胸を借りて私なりに演奏しようと思う。どうぞお楽しみに。


6/16(日/昼14時~)吉祥寺サムタイム0422-21-6336  
出演:早坂紗知sax 吉田桂一p 永田利樹b






「代書屋」と「親子酒」と「魚猫」の巻

2013年06月11日 | 環境
20代の頃、桂枝雀のレコードを行きつけのライブハウス、分倍河原のBabel 2ndというお店のマスターから沢山お借りして、テープに録音。毎晩寝る前によく聞いたものだった。中でもお気に入りは「代書屋」と「親子酒」。

「代書屋」もyoutubeで探してみると沢山でてくるけれど、私の大好きな「代書屋」とちょっとづつ違う。マクラがもっともっと長いのだけど・・・。それでもやはり桂枝雀さんは天才だった。

ヨットマンの多田雄幸さんの家に遊びに行ったとき、自慢げにビデオを見せてもらった事がある。なんと、関西で枝雀さんが司会をやっている番組に多田さんがゲストで喚ばれていたのだった!多田さんのトークの面白さに、あの枝雀さんがオタオタする場面があってさらにびっくりしたのを思い出す・・・。あんな陽気なお二人が、同じ亡くなり方をするなんて当時は考えても見なかった。


代書屋

閑話休題。

昨日は息子の誕生日祝いに食事でも・・・と言いつつなかなか行く機会がなかったので、大山にある息子推薦の居酒屋へ3人で出かける事にした。ところが、月曜定休。がっかりしながら、大山の商店街をうろうろ・・・。沢山面白そうな居酒屋はあるが、今一つ決め手がない。もう一度、定休日だった「ひなた」のある路地に戻ると、ならびにある居酒屋がどうも気になるトシキ。「ここ、うまそうだよ。」

値段も出ていないので、あわてて携帯で店を検索してみると、なんと「ひなた」の姉妹店、「魚猫」。ひなたファンのRIOが「あ、あの板前はひなたの人だ!」という事で、即、決定。トシキの勘は鋭かった。本当は店先にいた美人のお姉さんに惹かれただけじゃないかと私は睨んでいるのだが。


店内は6時頃なのにすでに満員。

ひなたはヤキトンがメインの居酒屋で、こちらの「魚猫」は名前にあるように魚料理がメイン。両方に共通するメニューももちろん沢山ある。最初に頼んだ刺身4種盛りというのが、8種類くらい入っていて(どこが4種だ?)980円。野菜がふんだんに入ったバーニャカウダや味フライも大きいのが2枚入って380円。なんといっても一番感動したのは「だし巻玉子」。玉子が明石風のたれに浸っている。あまりに美味しくて写真撮るのも忘れてしまったくらい。どの料理もアイデアいっぱいで安くて美味しいのでみんな頼んでみたくなる。たらふく食べて、ビール、日本酒、焼酎とぐいぐい飲み干す父と息子。私は焼酎1杯でまっかっか。


刺身盛り


ムール貝とアサリ蒸し


なすのバルサミコ酢漬け


厚揚げ


「母ちゃんは弱いからもう飲むな!みんな自転車だから連れて帰れないんだぞ。」とストップがかかる。いいじゃ~~~ん、たまには~。


ぶらさがっている照明も可愛い。お姉ちゃんも可愛い。

突然トシキが「あ、今日は生徒が来る日だった。」
「エ~?何時から?」
「げ、あと15分だ。」

ヤバイ!という事で、慌てて残りの酒を一気飲み。お勘定(一人2500円也)をすませ、自転車を全速力で走らせ、信号無視までして家に戻った私たち。

「あれ?●●ちゃん、まだ来ないよ?」
トシキが「あ!レッスンは明日だった!!!!」ざけんなよ~~~(怒)。

とんだ親子酒でした(苦笑)。しかし、↓の落語のような親子にだけはなってくれるな。

親子酒

ESCUALO by TReS のPV完成!

2013年06月04日 | 環境


TReSのCD発売に先駆けて、ESCUALO のPVを作成しましたのでご覧下さい。今回は7曲中4曲がpiazzollaの曲。そのうちの3曲のダイジェスト版になってます。

素晴らしいジャケットを手がけてくれたのはKLEPTMANIAC。写真提供はアルゼンチンのKVK FOTOS。ライナーノーツはブエノスアイレス在住の高野ご夫妻。いろいろな方たちの協力なしではできませんでした。心より御礼申し上げます。

Piazzolla以外の作品は、永田利樹の名曲「Abyss」、Tom Waits 「子供たちを宜しく」Gerry Mulligan 「Bernie's Tune」を収録しております。

7/27に発売ですが、先駆けて6/22(土)新宿OPEN、6/27(木)三軒茶屋WhisperでCD発売記念ライブを行います。22日はTReSに大儀見元perがゲストで入りますのでどうぞお楽しみに!!この日はなんと、2000円でCDを販売しちゃいま~す。