minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

<音楽に国境なし。レジェンドたちとの狂宴の夜>

2022年02月27日 | ライブとミュージシャンたち
少しだけ春の兆しが見え始めた226でしたが、世界情勢はただならぬ方向へと進み始めていて自分の誕生日を祝う気持ちにはなれませんでした。

それでも、今回の「226」は満員のお客様の中、無事に終了することができたのは、本当に「奇跡」だと思います。

コロナで時短、さらにお酒もなし、という悪状況の中、我慢してお付き合いくださったお客様にも心から感謝いたします。
沖縄や九州からもこの日のために、はるばる来てくださったのは感激でした。

他のライブハウスよりもBuddyは広さもあり、継続するだけでも大変な状況の中、(なんと2月は3回しかライブがなかったそうです。)
なんとか演奏できただけでもお店の方達にも感謝の気持ちでいっぱいです。どうぞ来年も無事に続けられますように。

さて、今回のゲストは坂田明さんでした。





私が大学時代、初めて洋輔さんのトリオを渋谷パンテオン(大晦日のオールナイトライブ)で聴いたときの坂田さん。本当にキレッキレでぶりぶりであまりの凄さに圧倒され、笑い転げた思い出があります。

そんな77歳になられたばかりの坂田さんと80歳を迎えた洋輔さんの溢れ出るパワーに後押しされながら、今回の226ライブも大成功。


by RIO



なんと言ってもレジェンドのお二人なので、特に私の中の「Free Jazz」をお届けしようと、構成、企画をしました。
構成を考えた段階で、「これは面白くなりそう。」と自分でもワクワク。
「かあちゃんは、こういう企画たてるの天才的だな。」とRIO。




冒頭から私のソロでスタート。予定を変更して、反戦の思いを込めて吹きました。
そして、ODAMARI というテーマ。この曲は坂田さんとの共演のために書き下ろした曲。(書き下ろしたといってもただ「おだまりっ。」というテーマだけですがw。)
ラストにオーネットの「In All Languages」を演奏。世界は一つ。という意味も込めて。

さらに洋輔さんの作曲、私の大好きな「Banslikana」です。「Bansliというのが笛、Kanaは女神さまのことです。さっちゃんのことだねw」と洋輔さん。
あはは、私は笛の女神ではありませんが、音楽の神様が降りてくるような素晴らしい名曲。

恒例の山下洋輔&紗知DUOでは、いつも山下さんが曲を選んでくださるのですが、今回は私に決めて、ということでC.Hadenの「Ellen David」をやらせていただきました。



坂田さんの「Counter Clockwise Trip」も昔から大好きな曲で、ご本人と一緒にこの曲を演奏できたことは本当に幸せ。

そしてラストに「たこくらげ組曲」。冒頭の坂田さんのバスクラリネットソロで鳥肌ものの素晴らしさ。多くの方々の心にも響いたようで、「素晴らしかった!」との声をたくさんいただきました。

アンコールはいつものように利樹の「ツバメ」からGhostのフリーでEnding。

これが、私の中のフリー音楽です。
昔はこのレッテルを貼られることが嫌でたまらなかったのですが、今は胸を張って「フリージャズ最高!!」と言えるようになりました。

洋輔さんもとても喜んでくださって、「今回も楽しませていただきました。さっちゃんの後ろ姿を見ながら演奏していると自然に体がスイングします。」とありがたいお言葉。
坂田さんも素敵な奥様がいらしてくださっていたのですが、「めったに誉めない女房が誉めてくれたよw。」と照れながら・・・(可愛いw)。

毎年いろいろととっ散らかったりする私たちを優しく包んで、時には激しく盛り上げてくれる本田珠也くんのドラム、利樹のベース。キレッキレのRIOのバリトン。
みんなの音楽への愛が一つにまとまったようなライブとなりました。














天国で父も喜んで聞いてくれていたと思っています。コロナのせいで、外出禁止だった母には来年こそはライブを聴かせてあげたいと願うばかりです。

本当に奇跡に立ち会ってくださったみなさま、ありがとうございました。

226のお客様が少しでもほかのライブに足を運んでくださることを期待し、愚かな戦いが1日も早く終わることを祈りつつ。。。



写真提供・高下徹(いつも素晴らしい写真ありがとうございます!)