minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

天国からの贈り物@大鹿村

2016年09月26日 | ライブとミュージシャンたち
芳雄フリークの一成くんの希望から生まれた「原田芳雄プロジェクト」も今年で3回目。ついにこんな日が来るなんて・・・・。

北海道から帰って翌日の朝から長野県大鹿村へ。ツアー中、雨がほとんど降らなかったのに東京も大鹿村も雨。お昼過ぎに大せき神社(会場)に到着。浩市さんや喧太くん、うっちゃん、そして満園兄弟のみんなに会うのは2月以来。そして、今回は瑛太さんも。瑛太さんも浩市さんも映画撮影以来の大鹿村だそう。なんという豪華メンバー。

しかしリハーサル開始の頃から大雨になってきて・・・明日はどうなるんだろう・・・とスタッフたちもみんなが心配そうにステージを見守るなか、雨避けシートやお客様に配るカッパを用意し「明日は雨天でもここでやります!」と一成くんは言い放った。

明日の天気予報は昼までは晴れるが、3時くらいから雷マーク・・・・。むむむ。芳雄さ〜〜〜ん。


リハーサルが終わる頃には雨が止み出したので、このまま晴れてくれますように・・・と祈りながら、塩湯荘の美味しい山の幸をいただき、アトピーで塩湯には入れないために、わざわざ赤石荘まで大好きな露天風呂に入ってさっぱり。




いよいよ前夜祭がはじまった。浩市さんが終始ご機嫌で「俺はこんなミュージシャントークがしたかったんだ〜w。」といいながらも演劇論を熱く語り、夜は更けて・・・気がつけば満天の星空が笑っていました。

いよいよ、当日。朝から青空で気持ちよいお天気。いたずら好きの芳雄さん、心配させておいて、当日はしっかり晴天にしてくれたようです。ありがとう〜〜!!









ライブ前の「大鹿村騒動記」映画上映にも150名ほどのお客様が他県から集まってくださったようです。そして、会場に向かうと400席の椅子が用意されていました!すご〜い。





大勢のお客様たちが来てくださって、1セット目はトレスのみで4曲、そして原田喧太くん入りで「りんご追分」を演奏。昨日と打って変わって、ご機嫌なサウンドにもびっくり。雨と晴れとではこんなに音が違うのね〜〜〜。

TReSのあと、喧太が5曲ほど歌って、瑛太くんの登場。若い女の子たちの目がみんなハート型になっていたのを見逃しはしません。


さらに黒いアゲハチョウがステージにひらひらと飛んできては会場を彷徨って・・・全員が「あ、芳雄が来てる!」

瑛太くんの初々しい歌声に癒されたあとは、今回の主役、佐藤浩市さんの登場。もうすっかり歌手として貫禄も余裕も出てきた浩市さん。お客様の一人ひとりの顔も眺めつつ、じっくりたっぷりと歌い上げ観客も大満足。2時間を越すステージが終了しました。




さすが、大鹿村だけあって、一曲ごとにおひねりが飛んできたのも面白い体験。全部で4777円也。これはメンバー一致で、全て大鹿村歌舞伎に寄付させていただくことに。

いやはや、楽しい楽しい2日間となりました。3年前、始めた時はお客様もパラパラで、こんな素晴らしいコンサートに発展するなんて誰が想像したでしょう。浩市さんも瑛太さんも「音楽って本当に楽しいですね。」とミュージシャン魂にすっかり火がついたようです。打ち上げも深夜まで盛り上がり・・・ああ、帰りたくない。




「来年もぜひやりましょう!」と全員一致団結。芳雄さん、本当にこんな素晴らしい贈り物を残してくださってありがとうございます。たくさんの奇跡が起こった1日、とケンタブログに書いてあったけれど、きっと映画を撮影したときから芳雄さんはこの日がくるのをわかっていらしたのではないかしらん。この素晴らしい大鹿村で、ずっとずっと永く続く素敵なイベントになりますように。

素晴らしい演奏をしてくれた出演者のみなさま、ステージを支えてくださったスタッフのみなさま、一成くん、そして大鹿村のみなさま、県外から来てくださったみなさまにも心から感謝いたします。






注意/写真の無断転用はお断りいたします。ご了承ください。













大鹿村に大集合!

2016年09月24日 | 
芳雄さんの愛した村、大鹿村。3年前からこの時期に「原田芳雄プロジェクト」として鈴木一成氏が中心となって始まったイベントです。

第一回目は演奏は私たち、TReSのみでしたが、村の人たちがとっても喜んでくださいました。大鹿村の大自然に圧倒されつつ、本当に素晴らしい村に大感動。



昨年は芳雄さんの長男である原田喧太くんと内海利勝(うっちゃん)をゲストに呼んで、2日間にわたっての演奏会が行われました。楽しかったな〜。











そしてなんと、今年は「大鹿村騒動記」にも出演していた、佐藤浩市氏、瑛太氏が参戦することに。

いやはや、夢のような展開になっています。あさっての本番が待ち遠しい。みなさま、大鹿村でお待ちしておりま〜す。映画も無料で見れますよ〜。












ツルの一声@苫小牧

2016年09月23日 | 
北海道ツアーの最終日は苫小牧。昨年は病気の体なのに私たちのライブ、そして打ち上げまでつきあってくれた阿弥陀様のツルさんはもういない。

よく春まで頑張って、61歳の若さで天国へ逝ってしまったツルさん。12月に落語会を苫小牧福祉会館で開き、そこで「来年のトレスはここでやればいいね。」と言い残してくださった・・・・。


そんなツルさんの思いをしっかり受け止めて、昨年に引き続き「私の青空」のモモちゃんを中心とする阿弥陀様グループが一つになって今回もライブを企画してくれました。本当に本当にありがとうございます。

まず、会館に着いて驚いたのは入り口の看板。


タクちゃんが持ち運べるアミダの看板を作ってくれていたのだ。そして、会場に入ると・・・


おおお、、まさしく阿弥陀様ではないの!!殺風景なはずの公民館が阿弥陀様のステージに仕上がっていました(涙)。

会場に感動しつつ控え室に入ると、窓の外から賑やかな吹奏楽の音色が・・・。
なんと、ここの福祉会館の裏が「啓北中学校」の運動場。「ここの吹奏楽部を見学に行ってあげてくれませんか?」とモモちゃんからの一言で、お安い御用とばかりにまたまた学校訪問。

50名くらい在籍する大きなブラスバンドでコントラバスも3台!!迫力満点でびっくりでした。演奏はミッシェルルグランの映画曲を演奏会のために練習しているとかで、3拍子のスイングの曲を聴かせていただき、さっそく指導までさせてもらいました。ちょっとしたアドバイスをしただけで、音もノリ方などもがらっと変わる、恐るべし中学生たち。指導されている先生も愉快な方で「先生ももっとノリノリでw。」と言うと体を揺らしながら楽しそうに指揮をする姿が子供達にもウケてました。やはり音楽は楽しくなくっちゃねw!






夜は近所の敬老会の方達や、ブラスバンドの生徒さんも来てくれて・・・もちろん天国からツルちゃんの掛け声がイヨっと聴こえてくるようでした。

暖かい人たちに囲まれて、まだまだ北海道ツアー、来年も続けられそうです。

帰りの苫小牧港で「ナナカマド」が見事に咲いていました。よいお天気にも恵まれた北海道ツアー、みなさま本当にありがとうございました〜〜。







マテ茶とミニライブ@当別町スエーデンヒルズ

2016年09月23日 | 
札幌をあとにしたTReSは室蘭からそのまま夜中に次なる宿、当別にあるMちゃんのスウェーデンヒルズへ向かった。

もちろん、札幌円山のちゃんぽん「一鶴(いっかく)」には行きましたよ〜(私の中での2大ちゃんぽんの一件。もう一軒は佐世保「音色亭」のトマトチャンポン)。


950円になっていてちょっとショックでしたが・・・。


当別町は石狩川のすぐそば。その小高い山の中にスエーデンヒルズという元別荘地がある。可愛らしいスエーデン建築の家が立ち並び、まるで海外にいるような錯覚を起こしてしまう素敵な村。





ここに別荘を持っていた生徒のMちゃんが「せっかく2日間も空いているのなら、我が家でミニライブをやっちゃいましょう!」と計画してくれたのだ。毎年、ここに住む中学校教師Sご夫妻とも3年前に知り合ってから、ずっと毎年お宅でご馳走になる、という不思議なご縁もあったので、芹沢ご夫妻や当別の顔役としても重要な坂本ご夫妻、などを中心に和気藹々としたホームコンサートを開催。











ご馳走を皆さんが持ち寄って、ライブ後にはマテ茶を紹介しながら、「ちゃんちゃん焼き」やらグラタン、グリーンカレー、シフォンケーキ・・・etc...なんて贅沢なパーティでしょうw。さらにアルゼンチンのフィルムを見ながら・・・本当に楽しい一時でした。

来年はもう少し当別で何かできたらいいね!と話も盛り上がり素敵な出会いにも感謝いたします。


翌日は唯一のオフ。RIOは札幌まで友人たちと会いに出かけ、トシキは石狩川で釣り。私はMちゃんとSさんのママに車で「ロイズ」のパンやさんでお茶したあと、石狩川にある「番屋の湯」でまったり・・・。ああ、幸せ。

夜は再び芹沢ご夫妻が夕食を作ってくださり、宴会は深夜にまで・・・。本当に楽しい当別の特別な時間。Mちゃん、坂本さん、芹沢さん、本当にありがとうございました〜。



室蘭、ふたたび。@Dear Debby

2016年09月20日 | 
ビルエバンスの大好きなマスター、清野さんが昨年お店をクローズされたと聞いてとてもショックだった。室工大のジャズ研の学生達と一緒にピアノを弾いたり、ジャズのCDを貸してあげたり、本当に音楽を愛し、若いジャズミュージシャンの卵たちを指導してきた素晴らしい存在でした。お店をたたんで、大事なピアノも売ってしまったと聞いた時は本当に悲しかったのでした。

ところが、今年4月に同じ場所で店名改め「Dear Debby」とし、再開したというニュースを室工大の学生から聞いてびっくり。

とにかく、よかったよかった〜。今回のライブが新店舗でのこけら落としのライブとなったのであります。

久しぶりにお会いする清野さんは2年前よりもはるかにお元気そうで、終始ニコニコ。やはり健康って大事なんだな〜。

そして、彼に育てられた室工大のジャズ研の学生たちとも今回で3回目の交流となり、今回もサックス6人、ピアノ、ベース、ドラムと9名がアンコールで共演することに。

今回の課題曲は「Un Poco Loco」と「Better git hit in your soul」。ラテンと6/8のブルースという結構難曲を与えてしまったのですが、リハーサルから全員がきちんと練習をしてきてくれて気持ちのよいサウンド。「ビッグバンドのようで、いいね〜。」と清野さんもご機嫌。





ライブも大入り満員、学生達もお店のファンの方もライブが再開したことに大喜び。そして、学生たちの加わったアンコールもみごとに決まり。リハーサルよりはるかに大きな音を出すサックスのソロ。リズム隊もしっかりしたビートでたっぷりとソロを聴かせてくれました。室工大も北大もジャズ研の人たちのレベルが半端ではないことを実感。来年はこの中の何人かが卒業してしまうので寂しいけれど、このまま楽器は続けて欲しいと願うばかりです。新人学生たちのこれからも楽しみですね。がんばれ〜。






清野さん、室工大のみなさま、お越しくださった室蘭のみなさま、本当にありがとうございました。来年も元気でお会いしましょう!!





Mizuho&スカイビューコンサート@小樽

2016年09月20日 | 
いつも札幌でお世話になる、Mizuhoさんとのジョイントコンサート。昨年に引き続き2回目の小樽でした。



Mizuhoさんのご主人、箭原顕さんが毎週小樽まで通って教えているコーラスグループ「スカイビュー」のコンサートにゲストで出演。




Mizuhoさんが歌詞を書いてくれた「Harvest Song」を久しぶりに演奏。素晴らしい歌声に会場中が圧倒されました。スカイビューのみなさまも終始楽しそうに歌っていて・・・やはり歌を歌うって素敵なことだな〜。と歌えないコンプレックスを持つ私は羨ましくて仕方ないので、ラストのアンコールではずっとサックスも吹かずに一緒に大声で歌ってしまいました(苦笑)。

ピアノの安斎亨さんも年に一度の共演ですが、素晴らしい演奏で私たちをしっかりサポート。ピアノの状態が酷かったので大変だったようですが、本番にはそんなことを微塵も感じさせず・・・さすがです。

いつまでもこの素敵なコーラスグループが続きますように。小樽のみなさま、楽しい時間をありがとうございました。

Mizuhoさんとは、10月8日の横浜ジャズプロムナード、9日横浜Bar Bar Bar、10日そごうの3日間ご一緒させてもらいますので、興味あるかたはぜひお越しくださいませ。

彰太さんと一緒。@札幌ジェリコ

2016年09月20日 | 
北海道ツアー2日目は札幌ジェリコでした。

ここでは2年前から札幌に移住された小山彰太さんと共演させていただいてます。今年は彰太さんが「Nimbaとカナビスの輪をやろう!」と言ってくださったので喜んで〜w。

彰太さんにとって変拍子はあまりやったことがないようで、いつも面白がってくださいます。

「TReSと一緒に演奏すると、本当に刺激になるんだよね〜。」大御所とは思えない謙虚なドラマーのお言葉。

自分の得意でないものに挑戦しつづけることこそが、進化につながる。そうして自分の引き出しを広げることに素晴らしいミュージシャンは常に貪欲です。
いつもそういう気持ちで音楽にひたむきに挑んでいる姿は私たちの目標でもあります。私たちもたくさんのことを彰太さんからいつも学んでいます。

1年に1度といわず、ぜひ東京に来た時もご一緒したいですね。大好きな彰太さんとのコラボライブ。とっても楽しかった〜!

お客様も大勢駆けつけてくださり、満員御礼。北大ジャズ研の若者達も「Nimbaを演奏会でやりました」と・・・。ひえ〜。

以前、カナビスの輪をやりたいのですが、と言ってきたので譜面を送ってあげたことがありましたが、今回は女の子のベーシストが「TReSと同じ編成でNimbaとかピアソラとかをコピーして演奏しています。」と言われてびっくり。本当に凄いな〜!!!いつか音源を聴かせてくださいね。

彰太さんも「じゃあ、俺も練習したいから一緒に演奏しよう。」などと打ち上げでも盛り上がりw。札幌の若者達、恐るべし。



十五夜の洞爺湖ライブ

2016年09月20日 | 
北海道ツアーの初日は苫小牧港に到着した私たちが向かった先は大好きな洞爺湖でした。





5年ぶりの洞爺でのライブにウキウキ。今年の春に亡くなった苫小牧阿弥陀様のツルさんの紹介で出会ったYさんたちがツルさんの思いを受け継いでくださって、「久しぶりにライブをやりましょう!」と立ち上がってくれました。

洞爺に向かう道中、羊蹄山を見ながら、目についてしまったトウモロコシの大量の皮と「ゆでとうきび」の旗・・・・。



先を急いでいたにもかかわらず、思わず立ち寄ってしまいました(汗)。そこのおじさんが「どこから?何やってる人たち?」「台風の被害はここらへんはあまりなかったんだよ。」など、とうきびの茹で上がるのを待ちながら話がはずみます。一本200円のゆでたてとうきびの美味しいこと!!そして、なんと帰り際にメロンを一つくださいました。いいの〜〜?「いや〜、台風の影響があったところに比べたら。こんなの安いもんだよ。」

いきなり北海道の人のあったかさを知り、感謝しつつ洞爺湖の会場へ向かうと・・・そこは温泉施設。







「来夢人(キムンド)の家」という温泉でおうどんやさんを始めたYさんが、そのスペースをライブ会場にして今回は手作りの美味しい食べ物(ピンチョス)、一流の焙煎人が作ってくれるコーヒーやジュース、などを用意してくれていました。5年ぶりに会えた愛ちゃんも元気そう。彼女の綺麗な作品が会場に展示されていました。



お客様も子供から大人までたくさんの人たちが集まって・・・5年ぶりに行ったYさん主催のライブを楽しみに集まってくださった方が大勢いたのです。



















洞爺湖のほとりなので、夕日も美しく絶景で癒され、さらに暖かい人たちとの交流に癒され、ライブも打ち上げも大盛り上がり。



夜中に外に出ると・・・本当に美しいお月様が怪しい雲の影から顔を出して。そうだった、今日は十五夜(しかも何十年かに一度しかない、本当の9月15日の十五夜)だったのです。





天国のツルさんがあのお月様と重なって・・・ニコニコと笑っているかのようでした。

また来年もぜひやりましょう〜〜!!と盛り上がった洞爺湖。大好きな人たちと素敵な場所で幸せな気分。初日からいいお天気。みんな、本当にありがとうございました!!





芸術の秋、開幕!

2016年09月13日 | ライブとミュージシャンたち
いよいよ明後日からTReS北海道ツアー2016です。東京はまだむしむししていますが、きっと札幌は寒いのでしょうね。ホットマテ茶を飲んで風邪ひかないよう気をつけます。しかし、五島と四万十川で泳いだ夏はもうずっと昔のことのようです・・・。

ぜひぜひ北海道のみなさま、お越しくださいませ〜。そして、もどったらすぐに大鹿村もありますよん。楽しい9月のライブが盛りだくさん。芸術の秋、開幕です。


<北海道ツアー>

9/15(木)洞爺湖 来夢人(キムンド)の家
北海道有珠郡壮瞥町仲洞爺30-11
前2500円(1drink付)当日3000円 18:30 start 出演:TReS

9/16(金)札幌 ジェリコ
19:30 Open 20:00 Start 前売3000円 当日3500円 学割2000円
出演:TReS+小山彰太(ds)

9/17(土)おたるダイニング花園遊人庵「Mizuho,スカイビューコンサート」
前売2000円(当日2500円)14:00open 14:30start
小樽市花園4丁目1番1号(花園十字街角、無尽ビル)電話0134-21-7200
お問い合わせ 桜井 090-8631ー1819
出演:Mizuho(vo) 安斎亨(key)TReS: 永田利樹(b)早坂紗知(as,ss) Rio (bs)

9/18(日)室蘭 Dear Debby (旧Jazz inn 816)
北海道室蘭市中島町1丁目14-2
出演:TReS  ★室工大生とのセッションあり。

9/19(祝月)当別スウェーデンヒルズホームライブ
 「トレスとマテ茶の夕べ」
16:00 start(打ち上げつき)持ち込み自由/カンパ制
★参加したい方はこちらまでお問い合わせください。

9/21(水) 苫小牧啓北町総合福祉会館
苫小牧市啓北町総合福祉会館 啓北町2―12―722 近辺駐車可
前売り予約3000円 当日3500円 開場18:30開演19:00
出演:TReS


9/25(日)「大鹿村/原田芳雄プロジェクト2016」
10:00~ 大鹿村交流センター 「大鹿村騒動記」上映無料
15:00 start たいせき神社 TReS , 原田喧太&KATAMARI、内海利勝g、瑛太、佐藤浩市(立ち見1000円、シート1500円)






NYものがたり12 [ジャッキーの秘密](最終回)

2016年09月10日 | 
<ジャッキーの友人、スワン>

NY滞在もあと2週間を切ったある日「ハーイ、トシキ、サチ。 今日は友人に会わせたいから一緒に来てくれないかい?」

またハー レムに連れて行ってくれるのかな?と思いながら利樹と2人で彼の イエロー・キャブに乗り込むと、アップタウンに到着。小さなドア をノックすると、小柄な白人の老人が出て来た。

確かジャッキーと 2人でニッティングファクトリーのデビューの時に来てくれたおじいさんだ。白人の友人なんてとってもめずらしい。

彼は「スワンっ て呼んでくれ。」と自己紹介した。スワン・・・どこかで聞いた な、と思いつつ彼の部屋に入ると大きな机があり、その上にカラー ペンと便箋が置かれていた。手紙や絵を書くのが趣味なのかな・・・? よく見ると見なれた筆跡。

ああ、やっとわかった!

ジャッキーから 送られていた山のような分厚い手紙の全てスワンが代筆をしていたんだ!手紙のラストにいつもスワンって書いてあったっけ。

ジャッキーが喋る英語には三人称単数とか過去形もなく、詩のような手紙をいつもくれるのになぜかしら・・・と不思議だったが、この瞬間にようやく謎が解けた。

わざわざ代筆を頼んでまで美しい手紙を送り続けてくれたジャッキー。感動で胸がいっぱいになって彼らを見上げると『どうだい、やっとわかったかい?』とでもいうよ うに、彼らはにこにこと笑っていた。


<帰国準備>

滞在期間の3ヶ月があっという間に過ぎていき、いよいよ日本に帰る準備をしなくてはならない。

ジョージ・バトラーからの連絡もないまま、あとのことはチャイナに任せる事にしてとりあえ ず様々な友人たちとの別れの挨拶に忙しくなっていった。 友人のジェイ・ロドリゲス(Sax)が誘ってくれたソー ホーの小さなカフェレストランではラシッド・アリとの共 演も果たす事ができた。[You don't know what love is]の テーマを吹きはじめると後ろでラシッドはブラシを使って フリーで叩きはじめた。背中がぞくぞくっとした。あのコルトレーンと演奏していたドラマーとを演奏できるなん て・・・ラシッド・アリは優しい笑顔で「Beautiful!」と 言って握手をしてくれた。大きな暖かい手だった。


ラシッドと「You don't know what love is」を演奏。

またチャイナが「アポロシアターでフェラ・クティのコ ンサートがあるの、紹介するから行かない?」と誘ってく れたのも帰る3日前だった。

アフリカのボブ・マーリーのような存在、音楽家だけでな く政治家としても活動するフェラ・クティのサックスを生で聴けるのもNYならではだ。

北島三郎ショーのような2時間のコンサートを堪能した私達は楽屋に連れていかれ、何人もの奥さんたちや子供がはしゃぐ中、チャイナが「彼女はサックス吹きなのよ。」と紹介。

「じゃあ、来週のコンサートで私と一緒に演奏しよう。楽器を持って来てくれないか?」との有り難いお言葉。 え〜〜?女なら誰でもいいのか?とちょっとあきれながらも「来週、日本に帰らなくてはいけないんです・・・。」実現こそできなかったが、こんな話がすぐ起こるNYはやはり面白い街だ。


アポロシアターの楽屋でラシッド・アリと。

いよいよ帰る前日。エルドリッジ・ストリートには3か月間 に出会った殆どの友人たちが集い大パーティが催された。



チャ イナタウンでステーキを沢山買い込み、パーティの準備が始まった。10年もキャナルに住み絵を描いているマサさんとは一 緒にウッドストックでキャンプをしたり将棋をして遊んだ仲だが、早い時間にやってきてお風呂の掃除を始めてくれた。「何 にもプレゼントするものがないから、せめて掃除くらい助けてあげようと思ってね。」さり気ないマサさんの心使いに感激していると、Dちゃんもいろいろな食材を持って到着。

夕暮れどきになると、三々五々、飲物や食べ物を持ってみん な集まってきた。普段はドラッグディーラーだけがうろうろしている人気の少ないエルドリッジストリートにミュージシャ ン、画家、いろいろな国のアーティストたちが溢れ、朝まで盛 り上がり最高の思い出になった。











翌日のケネディ空港にはもちろんジャッキーがイエローキャブで見送ってくれた。「See you again!」


たった3か月の滞在の間にこんなにNYを満喫する事ができ たのは、やはり沢山の友人たちのお陰だ。ノイローゼにもなりかかったが今思えばとっても幸せだった日々。

日本に帰ってからチャイナとも何度か連絡をとったが「ビクターがSONYに合併吸収され、ジョージ・バトラーが解雇された」というニュースが流れてからは殆ど連絡も途絶えてしまった。

その後、出産、育児に追われNYに行く事もできなくなってしまったが、ジャッキー(スワン)からは相変わらず分厚い手紙が届き、息子の為にいろいろな贈物が届いた。

息子 にとても会いたがっていたジャッキーは突然私達の前から姿を消した。心配した私はNYの友人たちにジャッキーの消息をいろいろと調べてもらったが、さっぱりわからなかった。スワンの住所もジャッキーに車で連れて行ってもらっただけなのでよくわからない。ジャッキーはだいぶ体も弱っていたし、病院に入ったのだろうか・・・?NYに行って、 直接探し出す事のできない自分がもどかしかった。

最後に送ってくれた手紙の中には、Sachi Hayasakaと背中に刺繍された スタジアムジャンバーを着たジャッキーの後ろ姿のポラロイド 写真が一枚入っていた。ありがとう。ジャッキー、多田さん、 そしてNYで出会ったかけがえのない友人たち・・・。

(完)

最後まで読んでくださった皆様にも感謝いたします。この記事を読んでいた方がスイングジャーナルの記事を偶然見つけて送ってくださいました。ののちゃんぱぱ、ありがとうございます!