minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

おせちと掃除とSwingoza

2014年12月30日 | ライブとミュージシャンたち
大学生コンテストに出場した●十年前、審査員の油井正一氏が「大根刻みながら、サックスを吹く女性サックス奏者っていうのが出てくるんですかね・・・」と私に向かってニヤリと批評したことがあった。まさに、其の通りになりましたね、油井さん。

特に年末は大変。大掃除しながら、おせちの準備をし、夜はライブにでかけ・・・・。こんなのは当たり前の時代がきちゃったんですね。昔は珍しい事だったのにw。ああ、まだ煮物、なます、栗きんとん、田つくりの準備が終ってないよ~(涙)。


とにもかくにも、昨日はTReSの凱旋帰国ライブにお越し下さった皆様、本当にありがとうございました。


写真提供:山田智子

そして、昨日のお店にいた約半数の方々が風邪気味。私も喉が痛かったのでさっそくマテ茶を淹れて・・・。マテ茶はビタミンがたっぷりで、風邪も便秘もいっきに解消。万能薬のような飲み物です。みんなで次々にまわして行く飲み方に戸惑いながらも、一つの家族になったような楽しいマテ茶パーティにみんな満足してくれたよう。

南米の香りをたっぷりと味わって頂き、「なんだか、パワーアップしたね。」などと嬉しいお言葉も。演奏後はWhisperから特別サービスで美味しいお料理が全員にふるまわれた。いよっ、太っ腹!!

今年もWhisperには随分とお世話になりました。1月の初っぱなからインフルエンザで欠席してしまった事も今となっては良い思い出です(苦笑)。来年もどうぞ宜しくお願いします。

そして、大晦日は渋谷クロコダイルでカウントダウン。私の出番は一番目、大儀見元per率いる[Salsa Swingoza]ですので、19:30スタートです。

一度でいいから、元ちゃんのサルサバンドで演奏したかった~~。という夢がとうとう叶いました。嬉しいなあ。

今日は朝からリハーサルでしたが、いや~、楽しいのなんの。久しぶりの中島徹ちゃんのピアノもエディ・パルミエリ顔負けの凄さ!
気持ちの良いリズムの中で、私の役目は放し飼いの大暴れを期待されているようです。わたしゃ、猛獣かっ!

ということで、明日はご期待に添える様がんばりま~す。遊びに来て下さいね~。




お餅つき。

2014年12月28日 | 家族の日常
今日は毎年恒例の原田家のお餅つき。芳雄さんの大きな写真にまずはご挨拶。ここで女餅をつかないと、ちゃんと年が越せません。いきなりザ・ニッポンだ!!



ケンタ君も「さっちゃん、おかえり~~~!」

来年228に「芳雄メモリアルvol.2」を行う打ち合わせも兼ねて、メンバーとも再会しました。うっちゃんもライオンもミホちゃんもみんな元気そうでなにより。

「ツアー、お疲れさま!長かったね。」と沢山の方から声をかけていただきました。みんなブログを読んで下さっているようで、本当に嬉しいです。ありがとうございます。

そして、来年の226のチラシが完成しました。大河画伯が素敵な絵。嬉しいな~。ただ、ひとつ私のミスが・・・。

電話予約の江古田Buddyの番号が間違えております。
本当に申し訳ありません。間違い電話をおかけなきよう、どうぞ気をつけてください。江古田Buddyの電話は03-3953-1152 です。

また、直接チケットが欲しい方はスターラップクラブ事務局(qd7s-ngt@asahi-net.or.jp)までご連絡ください。
受付期間は1/8から2/10までです。郵便振込の方法をお知らせいたします。

相変わらず、日本に戻ってもドジばかりですが、何とぞ来年も宜しくお願いいたします。

明日は今年最後の三軒茶屋Whisperのライブ。マテ茶忘年会も控えております。ぜひぜひ遊びに来て下さいね~。こちらも予約のお電話くださいませ。



Ultima Noche~Gracias, Argentina!!Nos vemos!!!

2014年12月20日 | ライブとミュージシャンたち
南米ツアー最後の夜は「Almagro Tango Club」へ。

このお店、利樹のタンゴの師匠でもあるPablo Mottaやバンドネオンのグレコ兄弟たちミュージシャンで経営を始めたタンゴクラブ。タンゴ学校でもある。騒音問題で残念ながら日曜で店をたたむことが決定した。

そしてPablo Mottaのお父様 Pepe Motta氏は有名なタンゴのピアニストで作曲家。お父様はラスベガスに在住で、こちらと行ったりきたりしているスーパーおじいちゃん。ラスベガスに戻る前日で、Pepeの曲ばかりをストリングスアレンジした、Pabloが指揮をするという豪華なコンサートを開催。

最後の夜にPabloのオーケストラが見れる!と喜んで行く事になったが、高野さんたちが「楽器持って行ったらどうかしら?もともとここで本当は演奏するはずだったのだし(政府から経営中止のお達しがでて2週間閉店していた)、明日は帰国なので、演奏できるかどうか、Pabloに聞いてみるわね。」

Masaの素晴らしい提案によって、荷造りを始めていたのだが、慌てて荷解き。洋服などを取り出す。本当に最後の最後まで何があるかわからない。

パブロのコンサートの前に演奏時間を20分ほどいただいた。Masaによれば、タンゴ界の重鎮やら、ニュースキャスター、著名人が沢山来ているらしい・・・汗。

大勢の観客の中、しかもタンゴの世界の重鎮たちの中でいきなりステージにあがって、Piazzollaを演奏する大胆無敵というか、恐れをしらない、というか・・・私はかなり緊張していたけれど、生音が気持ちよかったので、最後のコンサートということもあって、とても楽しく演奏させてもらった。



そのあとのPabloとPepeのコンサートも本当に素晴らしかった。この素敵なクラブが閉店になるのは本当に本当に哀しいことだ。



コンサート後に、沢山の人達から祝福を受けた。ラジオ局のアナウンサーやテレビの司会者、トロイロ(ピアソラの師匠)のお孫さん・・・。


トロイロ氏。


Pablo Motta氏と。


Pepe Motta氏と。


仕掛人MasaとPablo

トロイロ氏は「もし、トロイロの曲が演奏したくなったらいつでも譜面をあげるから言ってくれ!」などと嬉しい言葉。Pepe Motta氏の曲も良かったのでいつか演奏してみたいな・・・。

主催者のPabloも「スゴイね!アリガト~。アリガティッシモ~~!!」と熱い抱擁。日本に何度も来ているので日本語を沢山知っているのだw。

「あなたと本当は一緒に演奏したかった。」と私が告げると「もちろん、今度はこのオーケストラとTReSのアレンジを考えるからぜひ共演しようね。」


最後の日まで演奏できて、とても充実した楽しい南米ツアーだった。沢山の人達に心から御礼を申し上げます。ありがとう~!!こちらで頂いたパワーを日本にそのまま持って帰ります!! Nos Vemos!!!





DancingMoodふたたび!

2014年12月19日 | ライブとミュージシャンたち
パタゴニア大冒険旅行からブエノスアイレスにもどり、翌日はDancing MoodのゲストでKonexという場所へ。

Dancing Moodと言えば、アルゼンチンでは超有名なスカバンド。前回、ブエノスアイレスに来て初っぱなの演奏が彼らのライブだった。いきなり大きなクラブで1000人を越える総立ちの観客の前で演奏したときの興奮は今でも鮮明に覚えている。その、リーダーのHugo Lobo(tp)から、お誘いが来たのだ。

今回のKonexという場所はシアターと野外会場がある大きな市のホール。前回のNICETO CLUBよりさらに大きくなった場所だ。今回も1000人を上回る人数。凄い人気だな~~。



なんと、早い事にこの時の映像がアップされていたので、ぜひご覧下さい。観客の興奮度も伝わる凄い映像ですw。



Dancing Mood @ Konex [Take 5]







前回と同じ、「テイク5」を一緒に演奏しよう!とウーゴ。テイクファイブと言っても、スカのアレンジで4拍子なのだけれどw。

この場所は音が出せる時間が10時半まで、と厳しいので今回はその1曲だけ参加する事になったのだが、私たちの事を紹介したとたん、会場がざわめいてやんやの喝采。いやはや、なんとも気持ちの良い経験です。





ソロもきちんと私たちをフィーチャーしてくれ、さらにソロをとっていた私に「もう1コーラス吹いて!」とウーゴが眼で合図。嬉しいなあ。

演奏後に観客たちが大喜びで感動を伝えに来てくれる。みんな熱い人達ばかりだ。



ウーゴも見た目はぶっとんでいるけれどw、本当は子供たちのために音楽学校を作ったり、食事やら教育資金を提供したりととてもまじめな素晴らしい人なのだ。

最後の最後まで何が起こるかわからない、音楽の旅。今日はAL MAGRO TANGO CLUBで最後のタンゴジャムセッションに参加することになった。ひえ~。明日無事に帰れるのだろうか?面白すぎるぜ、南米ツアー!!!






パタゴニア冒険記「憧れのフィッツ・ロイ」

2014年12月18日 | ライブとミュージシャンたち
今年の夏、「クライマー」というパタゴニアの映画を鑑賞した。若きヨーロッパの天才クライマーが「セロ・トーレ」という絶壁に素手で登頂するドキュメント映画だった。パタゴニアだし、主人公のクライマーの青年が可愛いし、なんとなく映画館に一人で見に行ったのだが、素晴らしい山の景色に圧倒された。「セロ・トーレ」という山はパタゴニアにあって、しかもアルゼンチン側なんだ!と思っていたけれど、まさか、本当にここに来ることができるとは・・・・。



氷河公園のあるカラファテはリオ・ガジェゴスから約500km。そして、このフィッツ・ロイのあるチャルテンという街もカラファテまで行く途中から分かれ道があって、やはりガジェゴスから500kmくらいなのだ。カラファテからだと2時間くらいの旅になる。

チャルテンはようやく人が集まるようになった新しくて美しい街。ヴェロニカ(ママ)は「ここに住みたいの。」と1度来て以来、とてもお気に入りの街なのだ。

10時くらいに出発しよう、と昨日寝る前に言われていたのに8時に叩き起こされた。「ちょっと早めに出発だ!」むむむ、ファビアンのせっかちが始まった。前回も雪が降って来たから夜中に寝ようとしていたところを突然出発することになったっけ。ご機嫌なホテルだったのにゆっくりできないのがちょっと淋しいがしぶしぶ出発することに・・・。

カラファテからの道中も美しい川や広大な山々を見ながら、何もない道をひたすら走る。眠さはふきとぶくらい、コンドル、グアナコ、馬、羊などが時折道路までやってくるのを大はしゃぎで教えてくれるファビアン。もちろん、車中はガンガンにファビアンDJがロックやフォルクローレをかけてくれて、横でヴェロニカママはマテ茶を入れる。本当に楽しい陽気な家族なのだ。






フィッツ・ロイとセロ・トーレと2つ山の名前があるのが不思議だったけれど、よく調べてみるとほとんど2つのとんがった山が並んでいて、高いほうがフィッツ・ロイ、ちょっと低いけれど、絶壁なのがセロ・トーレという名前なのがわかった。ファビアンたちも知らなかったらしい(苦笑)。

チャルテンに到着。さっそく紹介された「Mistico」という店を探す。



店は確かに昨日のMuseoより小さい。店の隅っこがステージになっていてギターアンプなどがゴロゴロ。どうやらここでロックのジャムセッションを毎週木曜に行っているらしい。ファビアンがオーナーと交渉している。なにやら難しい顔。カラファテのほうがよかったかな・・・・と不安に。





「今日の今日なので、せっかく来てくれたのにお客様が集まらなかったら申し訳ない」とオーナーが言ってるんだ。でも、ここに来たからにはやるしかないし、今から宣伝のチラシをコピーしてくるよ。

と前向きなファビアンは行動を開始。その間、このお店で腹ごしらえをすることになった。もうどうにでもなれ~、という感じ。オーナーも悪い人ではなさそうだ。

そのまま、オーナーの奥さんが経営する若者向きのバックパッカー用の簡易宿泊所に泊まる事になった。部屋は4人部屋で私とヴェロニカが2段ベッドで寝ることに。ああ、カラファテのホテルが良かったな・・・。ゆっくりくつろげないけど、ま、仕方ない、郷にいれば郷に従えだ。



2時くらいなのでチャルテンの川沿いをドライブし、滝まで1kmというトレッキングも堪能できた。御陰で足はガクガクして、運動不足がたたったけれど、元気はまだまだあるぞ~~。



オーナーとの話し合いで、宣伝のためにトレッキングから若者たちが戻ってくる夜8時くらいに外で演奏することになった。こちらは8時でもまだ夕方6時くらいの感覚。演奏する頃はちょうど風が止んでいたので、寒くなくとても良い感じ。

気持ち良い空気の中で演奏を始めると、人通りがまばらだったお店の前に人だかりができてきた。山に囲まれているので音もよく鳴るのだ。尾瀬の片品村の風景を思い出した・・・。

「僕たちは日本からやってきました。今日はこの店で10時半から演奏します。もちろん無料ですからぜひ聴きに来てください。」とリオ。








気がつけば沢山の人だかりが・・・。

やんやの拍手で2曲ほど演奏して終了。本当にこの人達が来てくれたら嬉しいなあ・・・。

そのまま、店でファビアンたちと夕食をご馳走になりお客が集まるまで待つ事になった。誰もいない店内でずっとおしゃべりし、夜の10時・・・。一人、二人食事に来る客はいるが、演奏を聴きに来る人たちではなさそう。

外を見ながら不安が募って来た。どうする?誰も来なかったら帰る?ああ、カラファテで演奏すればよかったかなあ。やっぱり、トレッキングの人達は夜はゆっくり休みたいよなあ。火曜日だし。マイナス思考にどんどん落ち込んで行く。

パタゴニア最後の日なのに悲しい結果になろうとは・・・。



10時半になった頃、ドアがガランと開いた。1組のカップルが「演奏聴きにきたの。ご飯はいらないわ。」とテーブルに付いた。そのあと2,3人の若者も入って来た。「ハ~イ、さっきは素敵だったわ。」



店のテーブルが半分くらいうまってきたので、そろそろ始めよう、と楽器をセッティング。あれあれ?いつの間にかぞくぞくと若者たちが集まって来て、1曲目が終るともの凄い拍手に包まれた。お店の生音も気持ち良く響くから疲れていたけれど、力もほどよく抜け、めちゃくちゃ楽しい演奏に。

気がつけば立ち見がでていた。しかも、私たちの演奏を聴きに来た人ばかりなので、もの凄く静かに集中してくれるから演奏がやり易い。昨日とは雲泥の差だった。コンサート会場と化したこの店で鳴り止まぬ拍手にすっかり気分を良くした私たち。アンコールを3曲も演奏しちゃった~~。



「パタゴニアの最後の夜にこんなに聴きに来てくれて、本当にありがとうございます。素晴らしい思い出になりました。」とRIOも挨拶。ついでに英語でトシキも挨拶。私は相変わらず隣りでニコニコ、グラシアス。

終ってからオーナー自らお金を入れてくれたり、なんと気がつけば15000円ほどになっていた。

オーナーが「いやあ、鳥肌ものだった。本当に素晴らしいよ。今度から来る時は宿も君たちのためにちゃんと用意するから、ぜひまた来てくれ!」



ドイツ人、ベルギー人、スペイン人、と流石に観光客が多く、みんな音楽に飢えていたのだ。世界中の人達から祝福を受ける。みんなと友達になった気分。「ベルリンに来る時は私にメールちょうだいね。ライターだから、宣伝するわ。」「スペインにも来て頂戴!」



やはり、ミュージシャンは楽器を演奏して初めて人と繋がりができる。ただの観光だったらこうは行かなかった。

満点の星空を見上げながら、ファビアンとヴェロニカの満足そうな笑顔に心から感謝した。ありがとう、パタゴニア!有り難う、アルゼンチン。RIOが留学に来て、彼らと知り合ったおかげで、こんな素晴らしい体験に繋がったのだ。

「君たちと一緒にいると、いつも素晴らしいアドベンチャー!になる。絶対にまた来るんだよ。」と固い約束をファビアンと交わす。パタゴニア大冒険は無事終了したのであります。



明日はブエノスアイレスに戻って、翌日はなんと、前回、初めて2000人の観客の前で演奏することになった人気スカバンド「Dancing Mood」の野外コンサートにゲストで出演する事に決定。何を演奏するんだろう~?最後の最後までどんな事になるのかわからない・・・ああ、音楽ってこれだから楽しいなあ!!La Vida Maravillosa!!

パタゴニア冒険記「カラファテと氷河公園」

2014年12月18日 | ライブとミュージシャンたち
今日も快晴。こちらに来て毎日お天気が続いている!風が強いので、コートはかかせないけれど、車の中は暑さで半袖になるほど。時々景色が美しい場所で記念撮影の為に外にでると吹き飛ばされそうになるけれど、2年前のあの寒さとは訳が違う。パタゴニアの夏は最高!



前回は真冬で雪が降って来たりして、生きて帰れたのが奇跡という事で演奏どころではなかったが(興味ある方は2年前の6月の日記を参照してくださいw)、今回は「演奏できる場所があるみたいだから、楽器持って行く?」と聞かれたので「Si claro!! もちろん、喜んで!」とベースアンプまで積み込んでいざ出発。

やはり、ミュージシャンたるもの、演奏させてもらえる場所があるなら楽器を持って移動するべき。持って行くのは本当に大変だけど(なんせ、道がガタガタで振動に弱いソプラノサックスは本当に気を使うのだ)、演奏するのとただの観光で行くのでは世界が大きく違ってくるし、素敵な出会いも増える事は間違いない。

お昼にカラファテに到着。ファビアンパパの友人の作家(なんと、村上春樹氏の翻訳関係の仕事もしているらしい!)アルベルト氏の家に立ち寄る。彼が今夜の宿と演奏場所を紹介して下さった。


ご自分の短編小説をプレゼントして下さったAlberto Chaile氏

とりあえず、ここから約2時間かけてカラファテ公園へ。パタゴニアに住む人達は入場料は300円くらいだが、私たちのような外国人観光客は1500円くらいとられる。前回はマフラーを顔まで巻いて車の後ろでマテ茶を飲んで現地人に化けて通ってしまったけど、今回はそうはいかなかった(苦笑)。

通行税を払ってしばらく進むと氷河が見えてきた。近くまで行くのはかなり歩くので、この場所でサックス持って演奏しちゃおうよ、せっかく楽器持って来たんだもの!と私が提案。ファビアンパパも大喜び。撮影大会が始まった。こんな地の果てで演奏した日本人は他にいないんじゃないかしらん。



氷河公園の様子はこちらで映像がみられます。

赤いトサカが可愛いキツツキも生まれて初めて見た。すぐそばを歩いているのに、全く動じずにコンコン、コンコンと木をつついてめちゃくちゃ可愛い。ディズニー映画など漫画でしか見た事のないキツツキ。80回もこのカラファテに来ているファビアンも「この公園で初めて見たよ」と。



そんな森を氷河に向かって歩いていると10分に一度くらいはゴゴゴ~っと音がして・・・氷河が崩れる音。生で何度も見れたけれど、なかなかビデオで撮影するのが難しいのであります。



とにもかくにも、夏の氷河公園は時間を忘れて見入ってしまうほど、本当に素晴らしい景色だった。

夜、ホテルにもどって支度して、9時くらいにアルベルトの紹介してくれたお店へ向かう。「Museo de Arte」というから、美術館だとばかり思い込んでいて・・・。




確かにMuseoって書いてある・・・??

こんなトタンでできたお店だとは思ってなかったので、少しびっくり。なんで、ここがMuseoなんだ???と思っていたら、昔、ここは馬小屋でそのまま内装を替えて作ったお店なのだそう。中に入ると馬の蹄鉄やらガウチョの使う道具などが沢山並べてあって、これが博物館(Museo)だったのね~、と納得。

中庭ではコルデロ(羊)ではなかったけれど、大きな牛の塊をアサードしていた。ちょっと外でも演奏してよ~と言われて試しに・・・頼まれればどこでも演奏しちゃうお調子者の親子ですんません。



お客様は少しずつ増えて来て、夜10時には満杯。とても人気のあるお店のようだ。しかも、ここのオーナー・マリアーノは無類のジャズ好き。そして、彼のお誕生日だった。40人くらいのお客様が出入りする中で演奏が始まった。もちろんチャージはない「投げ銭ライブ」だ。





最初、ざわざわしていたけれど、最後はみんな大喜び。バースデイソングをちらっと演奏し(私は間違えて結婚式のメロディを吹いてしまった・・・汗)。2セットたっぷり演奏して終了。結局、収入は7000円くらいになった。

ここは世界中から観光客が訪れる場所なので、スイス人のご夫婦やオーストリアのカップルなどが熱心に聴いてくれて「CDが欲しいけどどうすれば買えますか?」と言われたが、なんとCDをファビアンの家に置き忘れたドジな私たち・・・とほほ。

店主のマリアーノが「NYで聴いたジェームス・カーターよりも良かったなあ!明日もここで演奏してくれないかな?」と嬉しい一言が・・・。もの凄くジャズに詳しい事もわかった。夕方アサードしていた美味しい牛肉を挟んだパンをご馳走になってカンパ~イ。

明日はチャルテンに行く。初めての場所だし、演奏する場所を紹介してくれたアルベルトも「明日の店はここよりも小さいし、どれくらいのお客が来るかはわからないよ。チャルテンはカラファテよりも小さな街だからね。こちらに戻って来て演奏してもいいんだよ。」

う~~~む。ここは普通にしていても40人くらいは集まる店だから、明日もやったら楽しいに違いないけど、全く見知らぬチャルテンで何が起きるのかわからないのも冒険だから・・・。悩みに悩んだ挙げ句、とりあえず、チャルテンに行ってみよう!とファビアンたちと合意。さあ、どうなる?フィッツ・ロイが私を喚んでいる・・・。

パタゴニアで魚釣り!

2014年12月18日 | 
Rio Gallegosのコンサートを終えて、翌日は釣りキチのおにいちゃん(マリアーノ)と妹のアンドレアたちと近くの海へ釣りに行き、楽しい休日を過ごした。


Rio Gallegosで有名な根性の木


100年以上前の戦争で使われた船がそのまま錆び付いて放置されている。




小さなスズキが2匹だけでしたが・・・w。



「Que Pazo!! なんて平和なんでしょう!」とママ。戻ってからマリアーノの彼女が手作りピザを焼いてくれて、夜更けまでyoutubeでフォルクローレ鑑賞会。この家族は本当に音楽好きで、次から次へと私たちにアルゼンチン音楽の素晴らしさを教えてくれる。ぜひ日本に帰ったら演奏したいレパートリーも増えた。こういう生の情報、音楽が一番嬉しい。



ブラジルと同じくらい、こちらにも地方によってリズムや音楽が異なる。フォルクローレもチャカレーラ、サンバ、チャマメなど・・・。メルセデス・ソーサの有名な最後のCDを日本では1、2と分かれていて、2枚とも購入していたが、こちらではなんと、3枚組。最後の1枚はこのアルバムを録音しているドキュメントのDVDだった。この映像があまりに素晴らしいので、パパからプレゼントしてもらった。うしし。日本でも3枚組で販売すればいいのに。さあ、明日は朝からカラファテ、チャルテンの旅に出発する。前回は真冬の氷河公園で大変な事になったけれど、今回は毎日快晴が続き、パタゴニアの夏が堪能できて最高!!楽しみ~~。

パタゴニア・コンサート終了。

2014年12月14日 | ライブとミュージシャンたち
ものすご~く長い一日だった。昨日、会場の下見のときに新聞社のインタビューを受けたのだが、さっそく朝の新聞に掲載されていたので、ファビアンも大喜び。



まず、昼食を食べたあとに、AFS留学支部の集会で表敬訪問をして1曲演奏。世界中から集まった高校生たちが10人くらい。其の中に日本人の女の子もいてびっくりした。こんな小さな世界のはずれで日本人に出会えると感激もひとしおだ。RIOが留学していたときの事も重なって、おばさんはもう涙うるうる状態でした(この土地にくると涙もろくなってまいるな~)。






その後、5時半から1回目のコンサート。昨日リハーサルもしておいたので会場の心地よいリバーブ感がわかっていて、とてもやり易かった。生音での演奏はこういう響きがあればもう最高に楽しめる。お客様の中でリオ・ガジェゴスでサックス奏者として活動しているおじさまが来ていて「感動したよ!素晴らしい」と興奮気味にCDも買って行ってくれた。



さらに、テナーを吹くという若者も来てくれていて「サックスを見せてください」などといろいろと質問。こんな青年たちがどんな音楽家になっていくのだろう、ととても楽しみだ。

おじいちゃんもアンコールの曲を聞きながら涙をぬぐっていた・・・。



「君たちが2年前に来てくれて、初めて生音のジャズというものを聴いた。それ以来、音楽は生演奏をじかに聴いてみなくてはわからない事が沢山あるっていう事を知ったんだよ。本当の音というのをこの街で初めて聴かせてくれたのが君たちTReSだ!」とファビアンパパ。



ファビアンたちは空手一家だが、無類の音楽好き。こちらの人達はみんな音楽が大好きだけど、彼らは常に音楽をかけ、一緒に歌う。朝起きてから、食事の時も、車の中でも・・・。本当に音楽なしでは生きていけない。私たちにも「アルゼンチンの音楽」フォルクローレからロックまで沢山教えたいようで、「何が聞きたい?」といつも尋ねてくれる。そんなファビアンからの言葉はとても嬉しかった。

2回目は夜9時からなので一端Camporro家へもどって休憩。1時間半くらいのステージだが、2回ともメニューを変えることにした。お手伝いしてくれるCamporro家が楽しめるように。ま、2回も来てくれる人はいないから、同じ曲でもいいのだけれど・・・と思っていたが、2回目の時に前列で聴いていたのが、なんと昨日のインタビューしてくれた女の子。彼女は1回目、2回目とも聴きに来ていたのだった。「あなたたちの大ファンになっちゃったわ。」嬉しいなあ~。「My Favorite Thingsで母を思い出して涙が出ました」という青年もいた。みんなが自分の思いを熱く伝えに来てくれる。こういう経験が一つづつ自信になっていく。宝物だ。



さらにもう一人、ロックバンドもやっているというサックス奏者が来ていた。どうやら、1回目のサックス奏者のおじさんが他の人に宣伝してくれたらしい。

「チャルテンという街に行くのだったら、自分のよく演奏している店があるから、そこで演奏できないか聞いてあげるよ。」

明日から2日間、カラファテ(氷河公園のある、前回遭難しかけたところw)とチャルテン(フィッツ・ロイという素敵な山があるところ)に旅行する予定なのだ。楽器を持っていくことになりそうだ・・・。まだまだ冒険は終らない。

演奏が終了したのは11時過ぎ。12時に帰宅すると、おじいちゃんたちがコルデロ(羊の肉)を焼いてアサードの準備をして待っていてくれた。親戚じゅうが集まって大宴会。いや~、宵っ張りのアルゼンチン人にはかないませぬ(苦笑)。宴会は3時まで続いた・・・汗。



さらに、ブエノスアイレスにもどって、最後の一日はDancing Moodの野外ステージでのゲスト出演が急遽決まった。また、2年前の感動が蘇る・・・最後の最後まで眼が離せません・・・。




は~るばる~きたぜ、PATAGONIA♪

2014年12月12日 | 環境
パタゴニアにもう一度来れるとは。しかもこんなに早く・・。

前の晩にダニエルにTaxiを予約してもらい、昼12時にカミオネータという大型バンのタクシーが時間通り我がサンテルモのアパートに迎えに来てくれた。空港も比較的近いので、130ペソ(\1300)で行けた。毎回、楽器の移動だけで一苦労するTReSだが、今回はバリトンの梱包を少し簡易包装にしたので、なんとか1台のタクシーに治まったのだ。タクシーといえば、Martinたちとのアサードの帰り、パレルモから我が家までタクシーに乗ったのだが、通らなくて良いコリエンテスを延々走り、さらに降りる時に100ペソ(これだって遠回りの分、普段より十分高いのだが)だったにもかかわらず「後ろに荷物を乗せたのだから、130ペソですよ!」とぼったくられた。それと同じ値段で飛行場まで行けたのか(怒)!


これはブエノスアイレスの国内線の空港から観たラプラタ川。先週この茶色い川でトシキは泳いだのだw。


今回はダンボールに入れずに繭のように梱包したバリトン。飛行機も超過料金をとられずにすんだぞ!!


いざ、出発!

2年前、この地を訪れた時、飛行機の中からこの風景を見て驚き、RIOが1年間お世話になった土地ということもあって感無量で号泣してしまった私だが、今回も飛行機の中でこの風景を観た途端、知らない間に涙がこぼれていた・・・・。





なんで涙がでるのか解らない。でも何もない大自然の風景を見ると無性にこみ上げてくる郷愁みたいなもの。とにかくパタゴニアってそういう場所なんだと思う。

小さな飛行場の荷物受取所にママ、おじいちゃん、おばあちゃんが迎えに来てくれていた。ブエノスアイレスも3日暑い日が続くと、雨が降ってまたひんやり、という気候だったが、Patagoniaは流石にコート着用。良いお天気だったが、なにしろ遮るものが少ないので風がもの凄いのだ。ダウンジャケットも持たず、ヒートテックも1枚しか持って来なかった私は大丈夫なのか???? 甘くみてたぞ、夏のパタゴニア。






とりあえず、懐かしのCamporro家に到着し(可愛いクリスマスツリーが飾ってあった)、マテ茶を飲んで着替えるとパパのいる「空手協会」の式典へ行く事になった。もう、ここに来たら全てFabian(パパ)に任せてあるので言われるがままに動くだけ・・・汗。それにしても、前回より遥かにみんなの話が解るようになったのが嬉しい。もちろん、RIOが通訳してくれるのでとても助かっているがここでは英語は全く通じない。ママと2人だけになる機会も沢山でてくるのだ(汗)。想像力と乏しい単語力を駆使しての生活が始まる。

空手を教える道場が街の中心の大きな体育館の中にあり、さらに端っこにはホールがある。そこで、今日は空手の生徒たちの帯を渡す式典の日らしい。Fabianは120人もの生徒を抱える空手の先生なのだ。

式典の最後にRIOと私がサックスで一曲演奏する事に・・・。これはママがパパ(ファビアン)に内緒で仕掛けたサプライズだった。ファビアンは驚きながらも嬉しそうに私たちの事を紹介してくれた。ファビアンの眼に涙が光っていた(もちろん、私もw)。







式典が終ると夜9時にもかかわらず、まだ外は明るい。ちょうど夕暮れ時という感じなので、感覚がおかしくなりそうだ(苦笑)。白夜のパタゴニアは夜の11時すぎまで日が沈まない。12時に自宅にもどるときに星はでていたけれど、月は見当たらなかった。






美味しいエンパナーダ!

おばあちゃんの家で手作り激ウマのエンパナーダとピザで歓迎パーティ。さあ、明日からどうなるのかな?全てがファビアン次第だ。今回は冬でないので遭難事故にもあわずにすむだろう・・・どうか楽しい旅になりますように。神のみぞ知る。



最後のライブ(SANATA BAR & BEBOP CLUB)

2014年12月08日 | ライブとミュージシャンたち
Theloniousに引き続き、翌日は先週土曜に大盛り上がりだった「SANATA BAR」でのアンコールライブ。無理矢理ねじ込んでもらったので、今回は開演時間が夜中の1時くらいだった。眠いよう・・・。



しかも、この日はうだるような蒸し暑さ。先週は大雨が降っていたので蒸し暑さは変わらなかったけれど、今日の暑さは半端じゃなかった。しかも、ステージのクーラーは壊れていて風の通りもない。体力の限界・・・汗。

それでもオーナーやスタッフがとても気持ち良く迎えてくれるSANATA BARが大好き。美味しい生絞りのオレンジジュースやら、ここの自慢のルッコラピザなどをじゃんじゃん食べさせてくれる。



演奏前にオーナーが「ちょっと夜中なんで、音量は控えめでお願いできるかな?」と言ってきた。どっちにしろサックスは生音。ベースのアンプの音量だけ落として伺うように演奏が始まる。お客様が1時過ぎに少しずつ増えてきたので、ついつい音量もいつも通りに・・・(苦笑)。結局、アンコールまでたっぷり演奏して、あとでオーナーに「音量大丈夫でしたか?」と恐る恐る聞くと「No Problema! ぜんぜん問題ないよ!」

ダニエルやこちらでバンドネオンを勉強中という女の子も夜中にわざわざ来てくれて本当にありがとう。一番前で聴いていたおじいさんはいなくなったと思ったら、タクシーでバラの花束をわざわざ買って戻って来てくれた。なんと、素敵なおじさまだろう!!











店のオーナーも帰り際に、高野さんたちに「凄い奴らを連れて来てくれてありがとう!」と言ってくれたそうな。嬉しいなあ。身体は悲鳴をあげていたけれど、とても心地よく朝の5時に帰宅。

翌日(同じ日)は当初は夜9時からのはずだった、BEBOP CLUB。



ここは1年前にできたばかりだが、「Thelonious Jazz Club」が新宿Pit inn なら、こちらはBlue Note 東京と言った感じ。とてもお洒落で広い客席。ブッキングしたマネジャーは1週間前に時間変更を要求してきたので、かなり戸惑ったが、こうなったら何時でもやるしかない、と17時半からの回になってしまった。
「こんな事はアルゼンチンではしょっちゅうだから、驚かないよ。」と余裕のリオ・・・。

16時に入る事になったので、SANATA BARの疲れが残ったままClubへ。ステージにあがってサウンドチェックを始めると、カーテンが覆われてあまりにデッドな音にびっくり。PAのナタリアが一生懸命がんばってくれたけれど、生音が響かず、リバーブをもらったがひどい状態。泣き言を言っても仕方ないので、開き直って最後のライブをやり遂げたのであります。天井が高い「Sanata bar」とPAの音も抜群だった「Thelonious」がすでに懐かしい・・・。







しかし意外と[Black Out]が受けたのが嬉しかったなw。聴きに来て下さった皆様に感謝いたします。

高野さん、本当にお疲れさまでした~~~。ブエノスアイレス、ありがとう。お越し下さった皆様本当にありがとう!!終わりよければ全てよし。さあ、あとはパタゴニアだ!

Muchas gracias todos. Nunca vamos a olvidar la gran amabilidad de los argentinos!!!