minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

白石かずこさんとの思い出 (後編)

2024年06月25日 | 環境
<Free Fightと白石かずこ>

私たちにとって、初めてのヨーロッパツアー。

ブッパタールに滞在し、ペーター・コヴァルトbassの家に遊びに行ったある日、ちょこんと座る東洋の魔女という感じで白石かずこ女史と初対面。

ペーターの紹介でご挨拶をし、しばらく滞在している間に、ブッパタールの大学で行った私たち(ハンスgとつの犬dr)の演奏を聴きに来てくださった。

日本に戻ると、最初のアルバム「Free Fight」を作成した私は、ライナーノーツを無謀にも白石さんにお願いしてみることに。。。

すると、白石さんは快く引き受けてくださったのだ。

以下は白石かずこさんによる、ファーストレコードのライナーノーツ。

こんな美しい文書を書いていただき、本当に感謝しかありません。

かずこさんのご冥福を心からお祈りいたします。





「早坂紗知の演奏をはじめてきいたのは、西ドイツのブッパタルという街である。
そこの日本人祭に現れた細い竹のような少女が超ミニのスカートで、いきなり、金属からでてくる音を驚くほど闘争的に、しかも知的ブリリアントな抒情をこめてふきだした。
そのとき、彼女の、しなやかな竹のような体も実は、この金属の西洋の楽器につぎ木されている、もう一つのインステュルメントなのだと思った。

この一体感は、ここちよい船のようにゆれ、会場には、いつのまにか鮮やかな大揺れの波がたち、その波にもぐって消えてはならないとばかり、
しっちゃきにドラムがたたかれるのがきこえ、ベースが彼女の恋人のようによりそった。

ハンス・ライヒェルのギターというか、ハンスの創造的インステュルメントがアンデルセンにでてくる靴職人のように、あるいは魔法の眼鏡をつくる時計職人のように、センサイ且つ乾いたゴキゴキのサウンドを秋波のように送った。が、これらの祝福に彼女はビクともしないばかりか、更に勢い込んでふきつづけた。
彼女の細い腕に意外な力があり、その肺活量の海で、いくつもの太平洋が往き来するのをみた。
彼女の音のノドの岬に、白い波が壁になって、ブワーっと押し寄せる快感がみえた。
実に気持ちよく、透明に、パワフルに且つ、ギンギンに彼女はふいていたのだ。

わたしは満足して、少女にみえる、このサウンドの女闘士、あるいはサウンド族の猛獣使い、座長に敬意の拍手をおくった。

こうして早坂紗知と知り合った。気がついたら、わたしは藤川芳明、翠川敬基たち、そろって二十才の頃を知っていて、
ナウ・アンサンブルをつくっていた彼らがすでに三十?才。
そのあとの世代に大きくブランクあり、そこに現れた次の世代を荷う才能とサウンズの波が早坂紗知で、しかも彼女は日本でも稀な女のジャズ・ミュジシャン。
しかも女のリーダーで、サックスという一番ダイナミックな肺を必要とする男性的楽器を使っている。
彼女は急激に、シンシアに、おとなしい次なる世代の男たち、ミュジシャンに活をいれ、今ここに発表するのだ、初のアルバムを。

そして、わたしはなるほどを沢山もった。

なにゆえの「FREE FIGHT」かを。

のりがいい。明るく、メロディカル、且つ乾いた抒情をもって、テンポのはやい「FREE FIGHT」また「The Thrilling Cornaer」に彼女の本領、知的、クリエイティブ・ロマンがでている。
セロニアス・モンクに捧げる「Yellow Monk」など、なかなかウィッティな作品だ。
彼女のクリヤーな才能が軽快に現れている。
才能とは本来、軽快なものである。
且つ、明度、透明感があり、クリヤーにかたちずけることができるかどーか、でみえる。

そういうものを軽く、こなし、充分もった上で、彼女は渾沌、カオスのダイナミズムを求めている。
フリーの勢いありあまって暴走しかねないワイルド・アンド・センシティブなメンバーの編成もなかなか、うまくいっている。

ベテランの本格派、大いなる才能の持ち主翠川敬基の登場もいいところに加わって、曲の奥行と不思議に加担している。
こうした「FREE FIGHT」のギンギンのしぶき、ファイティング・ジャズの中に、「La Pasionaria」スペイン民謡の名曲がはいるのも、このアルバムが、全部、同じラインでヒズメをならし、サウンズの雄たけびあげてる風でなく、ひとつ窓をあけ、ちがうサウンズの風景を運ぶことで、このアルバムに一種ノスタルジックな古典とつながる静謐な陰影を支えている。
この演奏は実に、うまく、美しくいっている、質の高い、深いロマンただよい。

A面の最後の「Monster's Teardrops」は奇妙な曲である。
作曲の永田利樹にこんな奇妙な才能があったのかと、あらためて思った。
非常に日本の僧侶的サウンズと雨かモンスターか知らないがTeardrops,その連続的水滴の打音がフシギを誘ってきいている。
そのあとのメロディ部分がロマンティックでいい。
早坂紗知のブリリアントな、カラフルなサウンズ、吉田哲治のトランペットのなく音、管楽器への愛、エモーションが生きていて、コラージュっぽいキライがなくもないが文句なく美しく魅力的だ。

B面の「Free Fight」は、このレコードの表題にもなっているだけに今更いうこともなく、文字通り、早坂紗知ナウの姿であり、意志なのだから。

チャーリー・ヘイデンの「Ellen David」、ピアノとのデュオで、この抒情を、創造できるかぎりのリリカルな幸福な美しさで、演奏しているのは、きいている方も幸福な瞑想にはいることができる。
早坂紗知の中に、潜むこのような内奥の、品位あるリリシズム、その透明な繊細な寡黙さが意外と彼女のしられざる顔なのかも知れない。
久保嶋直樹のピアノは、くせのない質のいい、素直な繊細さで、サイドからどの場面でも効果をあげている。

通しでA面B面ときいていくと、彼女の「Free Fight」は闘争的でアグレッシブであるよりロマンティックだ。
そこのところが、わたしが早坂紗知とこのアルバムを気に入り、その未来への可能性に大いに希望と期待をよせるところだ。
アグレッシブで暴力的サウンズのもつ無神経さを音楽と混同するおろかな足ぶみを、ここではしていない。

あくまでも明瞭な知性と、のびやかな才能によって彼女が指揮し、えらんだこれらの曲は、それぞれに異なる魅力の質を、エコーさせ、反射させ、きき終ったときに、ひとつの充実の円、球体の宇宙をつくっていることに気づく。

わたし個人としては、彼女自身が好きな作家だという先日、亡くなったアメリカの黒人作家ジェームズ・ボールドウィンの小説「もう一つの国」からとった題「Another Country」の作品にひっかかる。

この曲を最後にしたのはよい。この曲はきいたものを、ちょっと恋愛させてしまう、あるパッショネイトな複合した、美しいが、にがさもまじる余韻があり、味わいのある曲だ。
日本のフリーの、最も創造的前衛的なジャズ界に、女の金属の闘士として、早坂紗知のようなミュジシャンが現れ、前途ようようの船出の第一歩に、このような、輝かしいサウンズのオーケストラを連れての出発は、なんとも嬉しく、たのもしい予感にみちることか。

みちみちる、みちみちてほしい。

その未知の可能性と、このアルバムの快挙に乾杯を!

白石かずこ











白石かずこさんとの思い出。(前編)

2024年06月24日 | 映画、本、芝居関係
先日、6/14に詩人、白石かずこさんがご逝去されました。心からご冥福をお祈りいたします。

このところ、偉大な女性アーティストの訃報が続いて、そんな時にだけブログを書いているような気がするなあ。。。。

自分の忘備録として白石さんと初めて出会った頃の思い出を書かせていただきます。



ハンス・ライヒエルgとブッパタール。

26歳の秋だったか。。。。

当時の西ドイツ、ブッパタールに住んでいたギターリストのハンスとの出会いは
西荻窪の「あけたの店」。

私は藤川芳明asオーケストラのメンバーとして演奏していた。
翠川敬基cello、吉田哲治tp、佐藤春樹tb、横山達治per、などなど錚々たる顔ぶれのフリー系オーケストラ。

当時、日独の交流が盛んだった。
山下洋輔氏やエンヤレコードの社長、ホルスト氏、そして副島照人氏たちのおかげだ。

また、メールスジャズフェスなど、ドイツの各地でフェスティバルが増え、
「FMPオーケストラ」というヨーロッパで大人気のミュージシャンたちも来日していた。

その中のひとり、ギターのハンスはオフの日に、美しい日本女性の恋人Sさんを連れて「あけたの店」にやってきた。
おそらく、「日本のフリーオーケストラを聞くなら、藤川オーケストラだ」と誰かに聞いたのかもしれない。

そこで、私の演奏を気に入ってくださり、ハンスとの交流がどんどん深まっていった。

「Sachi,来年、ヨーロッパツアーしないか?ドラムは誰がいいかな?」

当時のメンバーだった「つの犬dr、と利樹と3人で行けるなら喜んで!」


私たちにとって、初めてのヨーロッパ!

フランクフルト空港に到着してまず、飛行機の窓から覗いて、飛行場で働く男たちの「でかさ」にびっくり。
なんだか巨人の国に来ちゃったよ。。。というのがヨーロッパ初体験の第一印象。


ハンスと恋人のSさん、そして宿を提供してくれる女主人イエッテが空港で迎えてくれた。

「はじめまして、ってドイツ語で何ていうの?」と私がハンスとSにこっそり尋ねると、

「イエッテ!」

宿のご主人の名前とは知らずに

「Oh~~~!イエッテ、イエッテ!」

と挨拶がわりに彼女と握手をしながら3人で「イエッテ!」と連呼していたのは
今思い出してもこっぱずかしい。
(本当は「アンゲネイム」が「初めまして」らしい。)


「さあ、レンタカー借りて来たから、みんなこっちへ。」とハンス。

『わ〜い、ドイツの車でアウトバーンを走れる〜。ベンツかな〜、ワーゲンかしら?』とワクワクしていた目の前に、トヨタの白のハイエースが停まっていた。

ちなみに、私と利樹も東京では白のハイエースだよ。。。

乗り慣れた車に乗り込み、いざ、ブッパタールへ。


ハンスの住む、「ブッパタール」というモノレールとピナバウシュで有名な可愛い街に2部屋を借りていてくれた。

イエッテの宿は一階が小さなバー。

私と利樹はその2階の屋根裏部屋を使い、つのけんには別のとてもおしゃれなお店の2階を用意してもらった。

ブッパタールは小さな街だから、みんな飲みに行くお店はほぼ同じ。

私たちもお昼は、宿の向かい側にある「カッツエン・グールド(金の猫)」というカフェに入り浸っていた。

日本人は珍しいからいろんな人たちから声をかけてもらい、友達が増えていく。。。。

娯楽はあまりない田舎街なので、楽しみは仕事後に一杯(どころじゃないけど)やること。
夕方から、特に週末はどこのバーも酒飲みたちで溢れかえっていた。

そして、面白いことにこの街はミュージシャンもたくさん住んでいたのだ。

私たちの借りていた家から5分も離れていないご近所に、ペーターコーヴァルトというベーシストも住んでいた。

彼も、ハンスとFMPオーケストラなどで来日していた仲間だ。

天井の高い、倉庫のような広々とした1階の部屋で、いつでもベースが弾ける素敵な家だった。


ペーターも日本人が大好きで私たちが遊びに行くと大歓迎で、毎日のように彼の家でみんな集まってセッションしたり食事をしたり。。。

そんなある日、ペーターが

「来週、隣のレストラン借りて、「日本食祭り」をやろうと思うんだ(もちろん、有料で)。
ここで料理できるのって、サチと俺の彼女の2人しかいない。
だから、彼女を手伝ってあげてくれない?」

もう遠い記憶だからこの辺りのいきさつははっきりしていないけど、ペーターの当時の彼女と私で、なんだかわけのわからない日本料理のコースをふるまった覚えがある。
焼き鳥、寿司、天ぷら。。。どうやって食材とか集めたのかまったく記憶にはないが、なんとかやり遂げた。(今思うと、ゾッとする。)

大勢のもの好きなドイツ人たちがたくさん来てくれて、おいしいおいしい、と言ってくれたのだが、

終わってはたと気がついた。。。。

「あ〜!お寿司に醤油つけるの忘れてた〜〜〜!!」

時、すでに遅し。

「よくみんな、お醤油もなくてお寿司を生で食べれたね〜。」
「うん、おいし〜って帰っていったよ〜。」




そんな無茶振りペーターの家に遊びにいったある日、

1人の素敵な女性がたばこを燻らせて座っていた。
強い目力で私たちのことをじっと見ていた。


あ、白石かずこさんだ。。。。。。。。。。。(つづく)









TReS 東北ツアー2024

2024年04月26日 | 
今年も新緑の爽やかな季節に恒例のTReS 東北ツアーが始まります。


日程は以下の通りです。各店舗にご予約お待ちしております。超楽しみ〜〜〜。


<TReS東北ツアー2024>

出演:TReS (永田利樹bass RIO bsax 早坂紗知sax)

5/17(金) 柏崎 うたげ堂
新潟県柏崎市西本町1丁目3−21
前売4,000円 +1drink 当日4,500円+1drink
18:00 open 18:30 start
問080-8740-5834(千徳裕子)


5/18(土)高畠町(山形)ちゅうしん蔵
山形県東置賜郡高畠町高畠937
3500円(1drink付)
18:00 open 18:30start
問090-8924-6460(大浦)

5/19(日)山形県鶴岡市 BAR ChiC
山形県鶴岡市本町1丁目8−44
M.C.3500円(drink別)
18:00 open 19:00 start
問0235-22-4958

5/20(月) 秋田 Cat Walk
秋田県秋田市大町3丁目4−11
M.C前売4000円 当日4500円(drink別)
18:30 open 19:00 start
問018-865-6699

5/21(火) 大館 緑の牧場教会
秋田県大館市清水1-3-34
M.C.3500円(ペットボトル飲料持ち込み可)
18:30 open 19:00 start
問090-2792-3249(岩澤)

5/22(水) 仙台カーボ
宮城県仙台市青葉区一番町4丁目5−17
M.C 5000円(1drink付)
18:00open 20:00start
問022-261-3792



大反響、ありがとうございました。

2024年04月25日 | ライブとミュージシャンたち
原田芳雄「生きているうちが花なんだぜ」の放映からやく1ヶ月。
放送を見て感動した、という声がいくつも私のところにも届きました。
本当にありがとうございます。

放送を見逃した方、ぜひあと5日間ですが、こちらからご覧くださいませ。

Tverで今月末までご覧になれます。

芳雄さんを愛する人たちがみんなで力を合わせて作り上げたライブ、素敵な作品になって嬉しいです。

さあ、激暇な4月も後少し。

毎日、物価がどんどん上がっていくことに怒りを覚えつつもいろんな料理に挑戦している今日この頃。
自分が音楽家だということを、練習している以外の時間は忘れております(苦笑)。

でも、5月からはいよいよ、TReSのライブ目白押しです。

まずはこちら。鎌倉酔鯨館というお店で初ライブ。なんだか博物館のようですぞ。。。
面白そうな場所でのTReSライブ。
ぜひ遊びにいらしてくださいませ。
ご予約お待ちしております。





もう一度、芳雄の歌が聴きたい。

2024年03月01日 | ライブとミュージシャンたち
2/29は芳雄さんの21回目のバースデイ。

芳雄さんのバンドに参加させていただいたのは28歳くらいのときかなあ。。。もう記憶が定かではないけれど、佐藤達哉tsさんの紹介でリハーサルスタジオに行き、ドキドキしながら演奏したのを今でも鮮明に覚えている。
メンバーの中には、中学生の頃から憧れていた「矢沢永吉・キャロル」のリードギターのうっちゃん(内海利勝)もいたんだからw。

「あなたのサックスはいきなりストレートパンチできますね〜w。」とリハーサル後に芳雄さん。

そこからとても気に入ってくださったようで、BSジャズ喫茶 というNHKBSの音楽番組に芳雄さんが出演される回で、私を推薦してくださって一緒に出たり、芳雄さんのツアーで北海道や九州、和歌山の火祭り、などたくさんの場所で演奏させてもらった。。。

226の私のバースデイにも3回出演してくださった。最後の年(2011年)は「歌えないからご挨拶だけ」と言って辛い体で2時間ほどのライブも聞いて、最後に挨拶をしてくださった。。。。

本当に本当に素晴らしい方でした。みんなから愛されて、尊敬されて。。。そんな芳雄さんだからこそ、この閏年にはみんなが大集結。

「芳雄のあんな嬉しそうな顔、映画やお芝居の時に見せたことないのよ。やっぱり歌っている時が一番楽しかったのね〜。」とかおりさん。







ステージの企画、構成は女優でもある愛娘、麻由ちゃんが担当。
芳雄さんの映像や歌を全てわかっている麻由ちゃんでなければこのステージは創れなかったと思います。

音楽面でどんどん成長していき、男っぷりもどんどん上がっている長男、喧太くん。
アンコールで芳雄さんの「りんご追分」にアクースティックギターで見事に芳雄さんとのDUOを果たしました。
もともとは芳雄さんがライブで自分でギター弾きながら歌ったものを歌だけ抽出したのです。
コードアレンジも含め、本当に本当に素晴らしい演奏でした。
親子でなければこんな意気のあった演奏はできないな〜。(これはどこかの関係にも似ているけどw。)

さらに影で全てのフォローをしてくれた喧太くんの妻であるゆかちゃん。
本来はコーラスとして参加していたのですが、今回は完全に裏方へ。
ありがとう!!!本当にお疲れさま〜。

原田家が一丸となってこのステージを成功させてくれました。本当にお見事です。

奥様の章代さんも目を真っ赤にしてステージ裏で全員で乾杯!!!


アメリカからこの日のために駆けつけてくださった桃井かおりさん。
リハーサルからトークが面白くて面白くて。。。「もうね、70過ぎるとSK2も効かなくなるんだから!」
いやいや、お肌ツルツル、すっぴんもとてもお綺麗でした。







アンコールでは小澤征悦、柄本明、時生親子、大黒摩季、松潤、などなどが次々にステージに上がって全員で「生きているうちが花なんだぜ」を一緒に熱唱。

作曲者の宇崎竜童さんもさすがの存在感でした。佐藤浩市、江口洋介、大森南朋、山崎ハコ、中野茂(Fromアナーキー)、岸辺一徳(敬称略)のみなさま、本当にお疲れ様でした。


豪華ゲストのみなさま

いや〜Flower Top、最高です。
今回は闘病中のためにサイドギターに徹したうっちゃんも地味なようで存在感がありました。


リハーサルのFlower Top(うっちゃんがいないけど)

来年は2/28に裏バースデイ、やりますよ〜。


「風来去〜もう一度、芳雄の歌が聴きたい」

BSフジで3/30 夜9時から2時間スペシャルでこの日の様子が放送されるそうです。

今回、お越しになれなかった方も芳雄さんの歌声を聴いたことがない方もぜひぜひご覧くださいね!!!






















226、奇跡の夜。

2024年03月01日 | 環境
怒涛の5日間がようやく終了。。。。心地よい疲れが残っております。

226。

38回目を迎えたバースデイライブ。
寒い中、お越しくださった皆様、本当にありがとうございました。



可愛い看板に迎えられ、いつもの江古田Buddyに到着。リハーサルから打ち上げまでいつも快く会場を提供してくれて感謝しています。



そして、遠方から駆けつけてくださった、ゲストのお二人(小山彰太dr、内橋和久g)の素晴らしい演奏で盛り上げてくださいました。




「Baby Monster」で披露してくれたダクソフォン。まるで赤ちゃんの鳴き声みたい!とお客様もびっくり。


彰太さんのドラムは空間がいっぱいあって、しかも本当に音が美しいのです。


リハーサルでは色々心配事も多かったのですがw、いざ、蓋をあけたら、さすが、プロのジャズマン!
予想外の嬉しいハプニングだらけ。こういう場面がジャズの醍醐味なんだな〜。と演奏中に楽しくて楽しくてニヤニヤ。




82歳を迎えた洋輔さんも名曲、「クルディッシュダンス」で登場。
予定外のソロまでがんがん弾いてくださり、いや〜〜、すごいすごい。
私も洋輔さんにエネルギーをいただいて燃え上がりましたw。





いつもどっしり支えてくれる利樹のベース、日々成長するRIOのバリトンサックスにも脱帽。









本当に良きメンバー、良き家族に恵まれて幸せいっぱい、奇跡の一夜でした。

ありがとう、ありがとう。。。。






まだまだ来年も元気で頑張ります!!!!応援よろしくお願いします。

写真提供:高下徹氏、大隈孝之氏 (素敵な写真をいつもありがとうございます。)










226と229、めちゃくちゃ楽しみ〜。

2024年02月20日 | 環境
すっかりご無沙汰しております。
お正月もとっくに過ぎてしまいましたが、いよいよ226バースデイライブです。

おかげさまで前売りチケットは完売いたしました。気持ちよくお客様に聴いていただけるよう、客席を確保するために限定席で行っております。

若干当日券はでるそうなので、もしお時間があるかたは江古田Buddyにぜひお立ち寄りください。

山下洋輔さんも今年82歳。とてもお元気にご活躍されていますので、今年は洋輔さんのオリジナルをたくさん演奏させていただくつもりです。

ベルリンからは内橋和久gさん。日本はもちろん、世界でも活躍する素晴らしいギタープレイヤー。
そして、彼は私を初めてヨーロッパツアーに招聘してくださった今は亡きハンスライヒエルgの発明したダクソフォンを継承する唯一のアーティストでもあります。
226でもその音色、聴かせてくれることでしょう。

さらに、山下トリオの2代目ドラマー、小山彰太さんの参戦。
北海道へ移住されてから、ちょくちょく札幌のジェリコなどで共演していただいておりましたが、コロナでしばらく共演の機会もなく。。。
そんな中、昨年、新潟柏崎市で行われたイベントで高瀬アキトリオのゲストとして北海道からわざわざ駆けつけてくださり、素晴らしいドラミングを披露してくれた彰太さん。
あの時に「ぜひ、226にお呼びしたい!」と熱望し、夢が叶いました。

これで山下トリオのドラマー、全て呼んだことになりますw。(森山威男、フェローンアクラフ)

本当に楽しみで仕方ない。そして2度とない顔合わせです。ミュージシャン一同、お待ちしております。

さらに、4年に一度の原田芳雄メモリアルライブ。
前回はコロナのために前日に公演中止となる、悲しい出来事になりましたが、ようやく、今年はリベンジできます。
素晴らしいゲストたち、そして芳雄さんの歌声もたっぷりお楽しみいただけます。

こちらもほぼ完売だそうですが、楽しみ〜〜〜。恵比寿ガーデンプレイスでお会いしましょう!!








12/3 久原大河個展&ライブのお知らせ

2023年11月29日 | 環境
ユニークで懐かしいイラストでおなじみ、久原大河くんの個展、最終日にTReSで演奏させていただきます。

12/3(日) 人形町サンロゴカフェ  18:00start  

みなさん、遊びにいらしてくださいね〜!!



ついでに
私たちに関する大河作品をここにいくつか紹介しておきます。(個展会場にはないものも多いかとw)

<CDジャケット編>


Black Out N004
「ぼくにジャケット全部やらせてください!」大河くんのこだわりの初作品です。
装丁から中身まで全てこだわって作ってくれた渾身の一作目で中袋までしかけがいっぱい。


Beat Beat Jazz Beat N004



minga N005


minga Palpitante! N008


226 30周年記念


226 feat.森山威男 N018


悠久の青 N019



<フライヤー編>

2/26のフライヤーもたくさん手掛けてくれました。



































<番外編>


TReSを描いてくれた初めての作品。
























12/3 久原大河個展&ライブのお知らせ

2023年11月29日 | 環境
ユニークで懐かしいイラストでおなじみ、久原大河くんの個展、最終日にTReSで演奏させていただきます。

12/3(日) 人形町サンロゴカフェ  18:00start

私たちに関する彼の作品をここに紹介しておきます。(個展会場にはないものも多いかとw)

<CDジャケット編>


Black Out N004
「ぼくにジャケット全部やらせてください!」大河くんのこだわりの初作品です。
装丁から中身まで全てこだわって作ってくれた渾身の一作目で中袋までしかけがいっぱい。


Beat Beat Jazz Beat N004



minga N005


minga Palpitante! N008


226 30周年記念


226 feat.森山威男 N018


悠久の青 N019



<フライヤー編>

2/26のフライヤーもたくさん手掛けてくれました。



































<番外編>


TReSを描いてくれた初めての作品。
























崔洋一監督と「Another Country」の話

2023年11月23日 | 映画、本、芝居関係
崔洋一監督が亡くなってから約一年。
Vシネマ(もう死語かなw?)「襲撃」という作品で私を音楽担当に起用してくださった貴重な監督だった。


2022年、癌を自ら公表し、最後にご自分で撮影、編集、制作した「松田優作メモリアルライブ」を残し、4月にテアトル新宿で7日間に渡る「ラストショー」イベントを行なった。
この時、監督とお別れのご挨拶をさせていただいたのだが、弱々しくなっていた体に鞭打って笑顔で私たちに挨拶をしてくれる優しい監督に
なんと声をかけて良いのかわからずに最後の握手を交わした。。。「監督、本当にいろいろとありがとうございました。」

それから約半年後に本当にいなくなってしまった監督について、1年経った今、私にとっての崔洋一監督のこと、忘れないように書き記そうと思う。





20代の頃、日本映画大好きの利樹に連れられて、映画「十階のモスキート」「友よ静かに眠れ」などを観ていた私にとって、崔洋一さんは大好きな憧れの映画監督の1人。

その頃、原田芳雄さんのブルースバンドに参加することになった私は、ちょうど松田優作さんが亡くなった1年後、追悼コンサートがあるということで初めてサンシャイン劇場に出演。

この公演は台本、構成などを原田芳雄さんと崔洋一監督が行って盟友、松田優作を偲ぶ役者、歌手たちが集まった素晴らしい舞台となった。
この時の映像を撮影していたのも崔洋一監督。
しかし、この映像はずっとお蔵入りとなっていたので映像があったことすら私は知らなかった。
崔監督が癌の闘病中にこの貴重なフイルムを発見し(無くなってたんだw!)、どうしても編集して残したいと思った作品(遺作)となるまでは。。。。



監督との出会いは確か、1988年、下北沢の有名ジャズクラブ「LadyJane」。


松田優作メモリアルライブの打ち合わせで来ていた監督。ちょうどその日のライブは私と永田利樹bass(もう1人?共演者がいたと思うのですが失念、お許しを!)だった。



「さっちゃんって、芳雄さんのところでサックス吹いているんだよね。いや〜、素晴らしい音だなあ。僕の次の映画Vシネマ(東映)なんだけど、音楽をやってみない?」
とそのライブ直後にお声がかかった。

こんな小娘に映画音楽任せてもらえるなんて、本当に良いのでしょうか???と戸惑いながらも大喜びで引き受けさせてもらったのを覚えている。



私もちょうど30歳。平成元年。

利樹と結婚し、NYへ行ったりヨーロッパツアーに行ったりしていた時期だったが、本当に素晴らしい経験をさせていただいた。

新居のマンションに崔監督がやってきて、軽い打ち合わせで「音を聴かせて」ということになり、家にある小さなキーボードとピアニカで音をひっぱり出して「こんな曲です」なんてやってびっくりされたっけw。

当時はパソコンもなくて、音も簡単に作れる環境はなかったので、生演奏中心の私にとっては最大限のプレゼンテーションだったのだ。
今思えば、そんな音楽環境で苦笑いしながらもよく納得してくれたな〜と思う。崔監督の優しさとおおらかさの賜物だった。

映画が完成してからは東映の撮影所に行ったりして音楽を入れていく作業はとても楽しかった。

演奏を張り切りすぎると「そんなに張り切らなくていいよ。映像がかき消されちゃうからね。」


言葉には出さないけれど、やんわり教えていただいたものだ。


初めてのことだらけだったが、利樹との共同作業でなんとかVシネマ「襲撃」は完成。


エンドロールに流れる曲は「Another Country」という私のオリジナル。

大学時代に卒論で取り上げたジェームズボールドウィン著作の本のタイトルをもらった作品。たぶん、プロになって初めて書いた曲かも??

ファーストアルバム(LP)「Free Fight」のラストにも入れたこの曲は当時、池袋ぺーぱーむーんの店主(山本いっきさん)の大のお気に入りでもあったので、店に行くと、この曲がかかっていることも多かった。



この「Another Country」だけは最後のエンドロールなので思いっきり演奏させていただいたのを覚えている。



この映画以降も崔監督はコンサートに来てくださったり、イベントがあるたびに私を招待してくださる律儀な方だった。



以来、この「Another Country」を演奏することをすっかり忘れていた私だったが、先日(11/3)、息子RIOの結婚披露宴が行われた。



「かあちゃんととうちゃんのDUOで何か演奏してくれない?ただし演奏曲は俺たちには秘密でね。」
とサプライズ好きの2人に頼まれ「何演奏しよっか〜?」と困っていたら利樹が突然、



「Another Countryを演奏しようよ。」




息子たちはこの曲をもちろん知らなかった。私だってすっかり忘れていたくらいだからw。



結婚式でこの曲を演奏したとき、会場中に歓声が広がった。
RIOもあいかも大喜び。「なんで今までこの曲演奏しなかったんだよ?」

その時の映像はこちら。



再び生き返った「Another Country」。これからもどこかで演奏することになると思います。ふふふっ。



そして、今日「襲撃」の放映のお知らせが舞い込んできた。。。


<11月28日(火)夜11:40 WOWOWシネマ>で「襲撃」(東映)を放送!!!




おそらく崔洋一監督一周忌の追悼の意味もあるのかな、と思います。

WOWOWでの放映なので、残念ながら私は見れませんが、ご覧になれる方はぜひどうぞ。

若い頃の私たちの音がせきららに入ったギャング映画です。
この映像、録画した方がいたら是非お知らせくださいませ!!!!


天国で芳雄さんや優作さんたちと楽しくやっていらっしゃるかしら。
崔洋一監督、どうぞ安らかに。