minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

坂下下町酔っぱらいロード

2007年06月28日 | 家族の日常
 我が家は池袋西口の古~~い商店街の中にあるので、朝から夜中までいろんな雑音が聴こえて来る。その昔、旦那が幼少の頃には買い物タイムになると、人ごみでごった返していたそうな。まったく想像がつかないけど。

 私がここに来てすでに15年ほどになるが、今はシャッター通りのようで昔の賑わいもほとんどなく、食中毒を起こして以来お客がさっぱり来なくなり覗くといつもおじさんが新聞読んでいた蕎麦屋もなくなり、誰が買うのか知らないが揚げた蕎麦玉を売る小さな製麺工場もなくなり、女房に逃げられ慰謝料が払えなくなったらしい布団屋もお好み焼き屋と七輪焼き屋に変わった。

 それでも他所から来る人たちは口を揃えたように「あ~、いい感じの商店街ですね。」と言って下さる。お世辞だろうが、どこか懐かしい郷愁をそそられる雰囲気が残っているのかも知れない。ここに住んじゃうとわからないけど。

 こだわりの共産党系お豆腐屋さんも豆腐ドーナツも作って頑張っているし、我が家の前の洋品店は80歳くらいのご主人が張り切ってポビュラーミュージック(昔は演歌だったけど)をBGMで商店街じゅうに流し、奥さんは池袋西口界隈の主婦の流行最先端を行くエプロンを売っている(『このエプロン、裏地がおしゃれなのよ~』と自慢しているところを目撃)。しかも、ここにしかない(一体誰が買うんだ?)タビとかお祭りグッズが豊富にあるので、秋祭りの季節は大忙しなのだ(といっても、1日に10人くらい/一週間限定)。

 人通りは少なくなったとはいえ、いろんな人たちが行き来するこの商店街。おとといも人が倒れていた。しかも昼間っから。

 向いの家の玄関に横になっていたおばさん。自転車が電信柱に立てかけてある。この暑さで貧血でも起こしたのかと思い、麦茶をペットボトルに入れ直し、濡れタオルを用意して「大丈夫ですか~?」と声をかけると「あ、大丈夫で~す。酔っぱらっているだけだから。ここに少し寝かせてくださ~い。」あ、そうだったのね。確かに酒臭い。「だったらこの麦茶飲んでください。タオルもここに置いておきますね。」放っておく事にした。

 30分後に見てみるといなくなっていた。隣のお店のおばさんに聞くと「あの人、●●屋で飲んだお客だったから、●●屋が自分の店で寝かすって抱えていったわ。人騒がせよね~。」倒れていたところには、私があげたタオル(ああ、新品だったのに)がボロ雑巾のごとく、ゲロまみれで落ちていた・・・。

 そう、この商店街は飲み屋が増えて来ているので夜中も酔っぱらいの喧嘩が絶えない。そのたびに3階から窓をがらっと開けて野次馬見学(これが本当の高見の見物)。凄いときは下まで降りて行く事もある。ひったくりに会った女性の悲鳴とか、泥棒を追いかける八百屋のおじさんとか、火事を見つけ消防署を呼んでくれた浮浪者とか・・・ちょっと物騒だけど、商店街ならではの連携プレーも見れてなかなか面白いのであります。

 息子に「今日、人騒がせなおばさんが倒れていてね~・・・」と報告すると
「昨日の母ちゃんの笑い声、商店街中に響き渡っていたぞ。夜中に窓あけてると本当に迷惑だぜ。煩くて眠れなかったよ、ったくもう。」と叱られてしまった...とほほ、すいませ~~ん。