猫地蔵ウォーキング

　急に良いお天気になったので、母を誘ってウォーキングをする事にした。歩くのが大嫌いな私が、慣れないウォーキングなんて・・・と思われるだろうが、さすがに運動不足を感じ「プールなんてとんでもない！」と医者から厳しく止められていたのでウォーキングなら大丈夫かな、と思い立ったのであります。

　昨日、息子の試合で中野区の哲学堂グラウンドまで応援に行ったときにみつけた「猫地蔵」が気になっていた。母と千川で待ち合わせして、そこから椎名町、目白通り、新目白通りを渡って・・・あったあった、招き猫が入り口に立っている。１時間半ほどあるいただろうか。母とおしゃべりしながらだったので意外と大丈夫。

　人っ子ひとりいないが、敷地内に入っていくと右に大きな神殿、左側に鳥居があった。倉庫のような建物をのぞくと中に招き猫が沢山置いてある。きっと飼い猫が死んだ人たちはここに納めにくるのだろう。我が家（実家）に最近までいた２７歳長寿猫、あいちゃんの事を思い出して合掌。「犬の散歩、立ち小便お断りします」という看板がおかしかった。猫ならいいのか？

　帰りに立ち寄った「椎名町」。母が初めて上京した時に住んだ街だったそうで「このあたりが『帝銀事件』で有名だった帝銀があったのよ。」って言われても、帝銀事件ってどんなんだったっけ？？？父と出会う前だったそうで、昔の彼氏と同棲していたようだが思い出話は延々と続く・・・。「あ～、私に才能があったら自分の本を書きたいくらいなのに。」と母は残念そうにつぶやく。

　「書けばいいじゃん。時間はたっぷりあるんだから。」「無理無理～。」
いつか私が聞き出して書いてみたい気もするが、今はそんな暇もないしなあ・・・。母の青春の一ページ。

　祇園のお茶屋に養女として貰われ、母が成長する間に３人も母親が変わり、舞子になるのを嫌って東京へ新劇の女優になるために飛び出した母の人生。たまに散歩に誘って、ちょこちょこと聞き書きしておこうかしらん。３時間のウォーキングで足がぱんぱんだったが楽しい時間だった。