minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

さようならDIKI DIKI

2007年06月14日 | ライブとミュージシャンたち
 赤羽一番街にある「DIKI DIKI/ディキディキ」はお肉屋さんの2階、もともとハンバーグやステーキがおいしいレストラン。細長くて急な階段をとんとんとんとあがっていく(この階段から落ちてしまった女性ピアニストがいますが)と大きなテーブルの片隅にアップライトピアノがちょこんと置いてあった。こんな狭いところで演奏するの~?と始めはびっくりしたが、デビューした当初からマスターやお客様たちに可愛がってもらい、月1回、生音で演奏させていただいた有りがた~いお店だ。

 最初出演しだした頃は遠藤律子さんと大友良雄さんなどがデュオで出演され、スタンダード中心の本格的ジャズの店だった。矢沢永吉にそっくりなマスターが、まだ碌にジャズもスタンダードも知らない私たちに「さっちゃんたちの好きな音楽でいいからサ~。」と言って下さったので、オリジナルを中心にあらゆる音楽を好き勝手に演奏させて頂く事になった。

 常連のお客様たちが多く、初めは「スターダストやってよ。」などとリクエストされていたが、次第にそういうお客さんたちが「やっぱり、ジャズはオリジナルだよね~。さっちゃん、最高!」と言って下さるようになり、私たちもにんまり。お客様と一緒に私たちも成長していく大切な場所になっていった。

 永田利樹bの熱狂的ファンも多く、ソロの終わりに必ず「ナガタッ!」と大きなかけ声をかける若者がいた。彼が終わってから利樹に「永田、頑張れよ~!」とベロベロに酔っぱらいながら、利樹の肩を叩いて声をかけたら「俺はいつも頑張ってるんだよ!」と肩の手を振り払いながら怒りだし、周りの私たちがヒヤヒヤした事件も今となっては楽しい思い出だ。

 常連が多く地方の熱いライブハウスに来たような歓迎ぶりで大好きな店だったが、毎回最後は同じ曲をアンコールされ、客は踊り出す、という『どんちゃん騒ぎ的エンディング』がパターン化される事に少しづつ疑問が湧いてきて、だんだん足が遠のき・・・あっと言う間に15年経ってしまった。ごめんなさ~い、マスター。

 まだライブは続いていたようで、マスターもお元気そうでなにより、と思っていたがこのたび諸事情によってDIKI DIKIが閉店する事になったそうな。せっかくグランドピアノまで入って頑張っていた様子だったのに、残念で仕方ない。来週の月曜(18日)がラストライブという事でつの犬dr、久保嶋直樹p、永田利樹bのトリオで演奏、「さっちゃんも最後だから来てくれない?」とけんに誘われたので『最後くらい駆けつけなくちゃ!』と思っております。貴方もDIKI DIKIのラストライブで一緒に盛上がりませんか?

赤羽 Diki Diki