minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

マイルスにがつ~ん!

2007年06月25日 | ライブとミュージシャンたち
 昼からライブって体が今ひとつだなあ・・・でも昼間のサムタイムは子供連れも多くて超満員。ぼ~っとしてる場合じゃない。

 ピアノの新澤君は早起き生活だから、昼からぎんぎんに羨ましいくらいのハイテンション。楽屋で会話が弾んだまま、ピアノに向かって座ったとたん、さらに流暢にしゃべるようにピアノを弾いた。どんな状況でも常にハイテンションってやはり大切な事なのだ。いろいろな素晴らしいミュージシャン達と演奏してきて一番感じるのは、どのような場合においてもテンションを下げないという事。お客が10人だろうが1000人だろうが、常に一定のテンションが保てる・・・これが優れた演奏家の第一条件かもしれない(特にジャズの場合)。

 これからは私も昼のサムタイムのためにもう少し早起きになじんでおこう。昔は朝、昼、夜のピットインがあって、朝やっていたんだからなあ(朝といっても12時から3時ですけど)。相撲の番付のようだった。たった500円でコーヒー飲みつつ音楽でも・・・と昼休みにやってくるサラリーマンやジャズ屋のマスターetc、濃いのか薄いのかよくわからないお客たちに囲まれ「ああ、早く夜の部に出演したい~!」と若手ミュージシャン達は朝からテンションをキープしつつ精進したのだ。

 夜帰ってテレビをつけたら噂のマイルスの番組をやっていた。次々に新しいスタイルに挑戦して、進化し続け,常にトップを走り続けたトランペットの巨匠、真似できる人はいないだろう。自分の音楽を確立するだけでも大変なのに、成功したらそれをぶち壊し再構築する勇気、そしてエネルギーを持って常に走り続けるのは至難の技。65歳を全速力で疾走したマイルス・デイビスの軌跡は私たち音楽家の理想の姿。朝は体が今ひとつ・・・なんて言ってる場合じゃない。がつ~ん、とマイルスに頭を殴られた感じ・・・初心に戻って大いに反省した夜でありました。