実務家弁護士の法解釈のギモン

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詐害行為取消訴訟の二重係属(4)

2018-02-07 10:07:11 | 債権総論
 実務的には、あまり複雑な問題にはならないとは思うが、以上のように、詐害行為取消訴訟の競合を認めるのは、なんとなく違和感が強い。類似必要的共同訴訟として共同訴訟参加を認めれば十分のような気がする。
 そのように考えた場合、仮に二重提訴になっていれば、おそらく被告がそのことを指摘するであろうし、そうであれば、先の訴訟に併合すればよい。違う裁判所に係属していれば、後の訴訟を先の訴訟が係属している裁判所に移送すればよい。二重提訴になっていることを被告が指摘しなければ、二重提訴に気づかないまま二重の判決と言うこともあり得なくはないが、いずれにしても、通常の二重起訴の禁止に反した場合の処理一般の問題に解消して考えればいいだけのように思える。

 民法学者の考えだけではなく、民事訴訟法学者の意見も聞きたいところである。

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