今回の事案は、憲法違反を理由とした国賠請求の事案であったが、争い方として、とにかく妻側から嫡出否認訴訟を提起してしまうという方法もありそうだと思っている。私自身は、嫡出否認の訴えの規定を妻にも類推適用すべきと思っている。このことは、300日規定の問題の時にもこのブログで触れた。ただ、この方法で嫡出否認の違憲性を争おうとする場合、条文上は、子の出生から1年以内に提起する必要がある。しかし、仮に憲法違反だとすれば、憲法違反状態を解消する非常救済手段でもあるから、最高裁が現行法の憲法違反性を認めるのなら、嫡出否認の妻への類推を認める最高裁判決が出てから1年以内は、子が生まれてからどれほど経過していようと、妻側からの嫡出否認訴訟を認めてもよいのではないかとも思うのである。そのような解決が、実質的に妻からの嫡出否認訴訟を認める解決になると思うのである。
最近、家族法の分野での憲法訴訟が増えており、違憲判決も存在する。それは、現行家族法の規定が、時の経過と共に社会に合わなくなってきている証拠だと思う。
ところが、立法の方はなかなか進まず、非嫡出子の相続分が嫡出子の2分の1とする規定を違憲とした最高裁判決が出てさえ、この規定を改正することに異を唱える議員が少なくなかった記憶がある。選択的夫婦別姓については、その改正は何十年も棚ざらし状態である。近年、最高裁も夫婦同姓の規定を合憲と判断したこともあって、全く改正の動きは見えない。このあたりは、価値観や家族観の違いという問題も大きいのかもしれない。
しかし、嫡出否認の規定を見直して妻にも訴えを認めることが、どれほど価値観や家族観の影響を受けるであろうか。無戸籍児を発生させるよりも、妻からの訴えを認めた方が、ずっと問題は少ないはずである。そう思うのは、私だけではないはずである。だからこそ、今回のような憲法訴訟が起きるのである。
法務省も、立法措置を執るために、遅い腰を上げるべきではないだろうか。
最近、家族法の分野での憲法訴訟が増えており、違憲判決も存在する。それは、現行家族法の規定が、時の経過と共に社会に合わなくなってきている証拠だと思う。
ところが、立法の方はなかなか進まず、非嫡出子の相続分が嫡出子の2分の1とする規定を違憲とした最高裁判決が出てさえ、この規定を改正することに異を唱える議員が少なくなかった記憶がある。選択的夫婦別姓については、その改正は何十年も棚ざらし状態である。近年、最高裁も夫婦同姓の規定を合憲と判断したこともあって、全く改正の動きは見えない。このあたりは、価値観や家族観の違いという問題も大きいのかもしれない。
しかし、嫡出否認の規定を見直して妻にも訴えを認めることが、どれほど価値観や家族観の影響を受けるであろうか。無戸籍児を発生させるよりも、妻からの訴えを認めた方が、ずっと問題は少ないはずである。そう思うのは、私だけではないはずである。だからこそ、今回のような憲法訴訟が起きるのである。
法務省も、立法措置を執るために、遅い腰を上げるべきではないだろうか。