しをり戸

ささやかな庭の山野草と
散歩・旅で出会った草木。 
季語・拙い俳句、
折々の写真などの記録です。

枯蔦 ( かれつた ) <季> 三冬

2010-12-13 |  冬の草木・その他 の 俳句

◉ 蔦枯る (つたかる)

石崖の大石に蔦枯れ渡り ・・・・・ 高浜虚子 
蔦枯れて一身がんじがらみなり ・・・・・ 三橋鷹女 [羊歯地獄]
蔦千条枯れなんとしてあらあらし ・・・・・ 有馬籌子
 

美しく紅葉したナツヅタの葉が枯れ落ちて、
蔓があらわになった状態を「枯蔦」といいます。
葉をすべて落とした蔦が
大樹や石垣・塀・壁などに、
巻きひげの先端にある吸盤で張り付いて
拡がっている光景には、
独特な趣があります。
* 冬に葉のあるキヅタは「冬蔦 (三冬)」として区別しています。
* 蔦の芽 (仲春)・蔦の若葉 (晩春)・青蔦 (三夏)・蔦 (三秋)

  [ ブドウ科ツタ属の落葉蔓性木本 ]

大いなるアパートの蔦枯れ尽す ・・・・・ みなみ

ツタ (蔦)
日本では、
北海道~九州にかけて、
温帯の山林や岸壁・石垣などに自生しています。
長さ1~15m。
茎は大きいもので径約4㎝に達します。 
巻ひげは葉の反対側に出て、小型で枝分かれし、
先端部の丸い吸盤で他のものに吸着して、岩や高木にも登ります。
葉は長い柄を持ち、広卵形~卵形で鋸歯があり、
表面は光沢が強く、両面ともほぼ無毛、互生します。
短枝(花の枝)葉は大型で浅く3裂し、長さ5~18㎝、葉柄は5~20㎝です。
若い枝や長枝の葉は小型で通常は不分裂、時に三出複葉、鋸歯は大きく少数です。
秋には紫~赤~橙色に美しく紅葉します。
花期は、6~7月。
短い花序を短枝の先端に出し、黄緑色の小さい両性花が集まって付きます。
花弁は5個で、雄しべは5本、雌しべは1本です。
萼は切形です。
果実は、小さい球形の液果で、黒紫色に熟します。
庭木や壁面の緑化に用いられています。
名は、「伝う」の意味から付いたと言われています。
別名 : ナツヅタ(夏蔦)


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