嵐山の大堰川沿いにある「嵐山 祐斎亭」は、昨年から公開された古き建物。
座敷から望む景色は、心鎮まる趣が…。
さて、ここは20年ほど前から染作家の奥田祐斎さんが工房を構え、さまざまな作品を製作なさっています。
ミモロは、その工房見学に出かけました。
築150年と言われ、かつて多くの賓客を迎えた旅館だった建物の奥に工房はあります。
そこで、熟練の職人さんたちが、黙々と制作に携わっています。
奥様の奥田恵美さんのご案内で工房内のギャラリーを拝見。そこに美しい染めの着物が展示されています。
「ミモロちゃん、よく見ててね~」とライトを手にした恵美さんが着物を照らすと…
「あれ?不思議…着物の色が変わっちゃった~」とビックリするミモロ。
そう、染作家奥田祐さんは、光によって色を変える曜変色という珍しい染色技術を研究なさっているのです。
光を当てると…
赤みを帯びた模様に変身…
「わ~すごい~不思議???1枚の着物で別の着物になっちゃったみたい~」とただただ驚くミモロです。
「ミモロちゃん、初めまして~」といらっしゃった奥田祐斎さん。
ミモロは、この不思議な染めの技術について伺うことに…
熊野ご出身の奥田祐斎さんは、染色作家として若い頃からさまざまな染めに触れ、その技術を学びます。古代の染色に興味を抱き、その研究にまい進。そこで出会ったのが、「黄櫨染」(こうろぜん)という古代染色です。
「あ、その染め知ってる~一昨年、ミモロ、お雛様になった時、お友達のクマのハンス君が着た装束がその色でした」と目を輝かすミモロ。
「そうですか~黄櫨染というのは、平安時代、嵯峨天皇以降の天皇が儀式で着用する袍(ほう)上衣の色で、天皇だけが着用できる色と定められましたもの。でも…」と奥田さん。
奥田さんの研究で、歴代天皇が着用される「黄櫨染」にも、その時代の染めの技術や染材の配合などに違いがあり、同一ではないそう。
「黄櫨染の捉え方も、まちまちなんです」と。
「でも茶色ぽい色ですよね~」とミモロ。「う~確かに金茶色のまるで太陽の光を含んだような感じですが、古代染めの黄櫨染は、光によって色を微妙に変える特徴があることがわかったんです。ですから単に茶色というだけでなく、他にもさまざまな色があるんですよ」と。
「ホント・・・これ全部黄櫨染っていうの?」とミモロ。
ミモロが見ているのは、奥田さんが長年研究を重ね古代染色の特徴を現代の染料と染めの技術で表現し、現代風にアレンジした独自の染め技術「夢こうろ染」のサンプルです。
奥田祐斎さんが作り上げた現代の黄櫨染「夢こうろ染」は、その独自の染色技術などから、海外でも高く評価されています。
「夢こうろ染」が施されるのは、絹、カシミアなど動物性の繊維が主体。そこからさらに発展させて奥田祐斎さんが挑戦しているのは、パールや革などへの染色です。
例えば・・・黒いランドセル・・・
光を当てると・・・なんと赤いランドセルに変身。
「あの~これって、染料が光による屈折で、違って見えるわけ?」と首をかしげるミモロです。
あまりにそこのところは複雑なため、ミモロの理解を越えています。
「すごく不思議な染料なんだ~」
日本独自の染色技法と言われる「黄櫨染」は、日のもとの国、日本にふさわしい太陽の光を宿した染めだとおっしゃる奥田さん。
それをさらに独自の研究で現代風にアレンジした「夢こうろ染」。
「つまろ1枚の着物でいろいろな表情が楽しめるってすごいね~。サスペンス劇場の題材にもなれそう…」と、変なことを想像するミモロでした。
工房では、「夢こうろ染」の体験も可能で、絹のスカーフなどが製作できるそうです。
京都のいろいろな染めの工房を見学しているミモロですが、「う~まだまだ知らないことがいっぱい…」と感激した工房見学でした。
「今日はありがとうございました~」とご案内くださった恵美さんに手をふってお別れを…
「また、いらしてくださいね~」「は~い、今度はお友達といっしょに伺います~」
ミモロは、工房から再び石段を経て、大堰川へ
「秋の紅葉の時期になったら、またお邪魔しよう~」
そのころには、京都には再び多くの観光客が戻ってくるかも…。
静かな嵐山・・・こんなのんびりした景色が楽しめるのも、今だけかもしれません。
*「嵐山 祐斎亭」の詳しい情報はホームページで
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