「いよいよ今年の祇園祭の宵山になっちゃった~わ~日和神楽が始まるね~」
ミモロが、7月23日の18時過ぎにやってきたのは、昨日までお手伝いをした「大船鉾」の会所です。
この日は、宵山…いつもなら大勢の参拝者が浴衣姿で遅くまで、祭りの夜を楽しむ日。でも、今年は、19時には、それぞれの山鉾の会所を閉めなくてはなりません。
それに先立ち、鉾で祇園ばやしを奏でていた囃子方のみなさんが、鉾を降りて、町をめぐる「日和神楽」が行われました。
今年は、鉾の周りを3周することに…。いつもは四条通から神輿がいらっしゃる御旅所へ向かうのですが…。
囃子方は、揃いの染の浴衣で、数年に1回、新調するのだそう。「これ、新しい柄かも…」。
帯は、西陣製の正絹角帯で、子供たちもなかなか粋に着こなしています。
鐘や太鼓、笛の音は、祇園ばやしらしい独特な節回しと和音…それぞれの山鉾で、異なる祇園ばやしがあり、また巡行などでは、場面によって奏でる囃子が異なります。
「みんなずっと練習してたんだよね~」その調べに感激するミモロです。
「これを聞かないと…京都の夏じゃないね!」とすっかり京都のネコになっているミモロです。
「あれ~またミモロちゃん来てるんだ~今日はお手伝いないのに~」とボランティア活動の大好きな仲間の方々。「うん、だってもう一度鉾の姿見たかったんだもの…」とミモロ。
「わ~かわいい団扇もってるのね~」と、帯に挟んだ小さな団扇に目が…。
「これで、世界で一つだけの特製なんだよ~」と、鼻を膨らませるミモロ。マスクながら、その表情はうかがい知れます。
ミモロが持っている団扇は、「大船鉾」でご活躍くださっている書家の窓月庵坐屼(ざこつ)先生の手によるもの。
「え~縮小コピー貼ったのかと思った~」と「ううん、実際に書いていただいたの~」
やさしい坐屼先生がミモロのために、数年前にわざわざ描いてくださって、以来、ミモロの宝物のひとつになり、宵山のときだけ、出してくるのです。
「ミモロだけの宝物なんだよ~」と。先生のお心遣いに今も感謝です。
今年も、お手伝いができたことがうれしくてならないミモロ。
「来年こそ、いつものようにたくさんの方に来ていただいて、賑やかな祭りになるといいね~」と願うのみ。
19時には、今年の宵山も幕をおろさなくてはなりません。
東京では、もうすぐ「東京オリンピック2020」の開会式が始まる時刻に…。
「でも、山鉾町の人たちは、祇園祭の方が大切。きっと開会式は、再放送があるもんね~」と。
「さぁ、おうちに帰って、テレビ見よう~」と、ミモロもまだ人出の多い四条通から帰路につきました。
24日には、姿を消す、黄金の龍頭が乗った「大船鉾」にお別れを言って…
「また、来年ね~」
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