ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

特別に許可を頂き、近くで拝んだ大船鉾の金の龍頭。圧巻の迫力と美しさ。来年の山鉾巡行が楽しみに

2020-07-22 | 祭事・神事・風習

「すごい~あの~初めまして・・・ミモロです。どうぞ、コロナを早く退治してください~」と、お願いするのは、祇園祭の後祭の山鉾巡行の〆を務める「大船鉾」の金の龍頭です。

本当は、今年、お目見えするはずだった金色に輝く龍は、鉾の先頭におさまるもの。大金幣と1年ごとに交代で登場します。

この日、ミモロは、後祭りの期間になってから、再び四条町の「大船鉾保存会」の会所を訪れました。

「会所、正面の戸を外して、去年と同じようになってる~」

会所がこの形で設けられるのは、前祭りが納められた17日から24日の後祭りの期間です。

いつもは、ここに大きな「大船鉾」が建っているのに・・・今年はその姿はありません。

「前は、こんなだったのに~」

さて、会所の2階に鎮座している黄金の龍頭。一般公開はされていませんが、ミモロは、毎年お手伝いをしているので、関係者ということで特別に拝見することが許されました。さらにブログでお伝えしてもいいというご許可も頂いたので、リポートします。


これは、大船鉾の先頭に納まります。「大金幣もすごく立派だけど、この龍頭が付いたら、本当にすごいだろうねぇ~」と想像するミモロです。
 

2階に上がったミモロは、まずは、ご神体の「神功皇后」さまに参拝。そして、龍頭のそばに、恐る恐る近づきます。


嘉吉元年(1441)に建立された「大船鉾」。その後、応仁の乱をはじめ、幾度となく焼失に見舞われ、その都度、人々の力で復活を果たした「大船鉾」。しかし、元治元年(1864)の禁門の変で多くの部分を焼失。再興を思うも、時は明治維新、学校制度の導入により、予定していた再興のための費用は、町内の子供たちの教育のため、小学校の建設費となり、「大船鉾」は再興できず、町に残ったご神体と懸想品だけを飾る居祭という巡行をしない時期を過ごすこととなります。

しかし、時を経ても、人々の「大船鉾」への熱い思いは消えるどころか、いっそう高まり、ついに平成24年(2012)に明治以来、142年ぶりにご神体による唐櫃巡行が復活し、祭りの最後尾を進み、祭りを締めくくる大切なお役目の山鉾巡行を復活させます。そしてついに、平成26年(2014)に150年ぶりに「大船鉾」が蘇り、その堂々として姿を都大路に現すことに。

焼失していた「龍頭」は、2016年に「瀧尾神社」のご寄進で、彫り師 森哲荘一派により復元されることに。この復活の時は、白木で「大船鉾」に舳先に姿を現した龍頭。なんとも感動的な姿でした。
それから、4年、本来の姿である金色の龍頭に…。その神々しい姿にただただ感激するミモロです。

「金色になって、お顔の印象変わったみたい~」と思うミモロです。

迫力あるお顔付は、そのままながら、いっそう大きく、また神々しさが感じられます。

ミモロが「大船鉾」の会所を訪れていた時、KBSのラジオの取材が行われていました。


ミモロは、その傍らで、保存会のみなさんのお話に耳を傾けていました。
「今年は、山鉾巡行こそ中止になりましたが、他は、私たちにとって、ほとんど変わりがありません。神事もいつものように行っています」
確かに、会所の2階には、去年と同じように、ご神体の「神功皇后」が祀られ、また他の懸想品なども飾られています。

毎年、揃いで作る浴衣は、今年は残念ながら着ることはないそう。会所には、だれも浴衣姿の方はいません。

金色の龍頭に関しては、「来年、鉾に登場しますよ」と。KBSラジオのディレクターさんは、「大船鉾が新町通から、御池通に出てくる時は、本当に感激します!」と。
それを聞いていたミモロも横で頷きます「ミモロもあそこのシーン大好き…」と小さな声で…・。

この龍頭を彫った方が、金色に輝く姿をご覧になった時、「う~まるで別の龍のようですね~」とおっしゃったそう。
「きっと龍さんも育ったんじゃないの・・・」と密かに思うミモロでした。

「後祭の山鉾巡行で御池通で出発を待っているとき、本当にあそこの並木のセミの声がすごいんですよね~」と。
「そうそう、あれはすごいね~」と。「大船鉾」の上に乗る囃子方をはじめ、保存会の方々は、ちょうど並木の葉が茂る位置にいることになり、この時期、セミがたくさん木にいて、それはものすごく鳴くのだそう。
「へぇ~下で見てるとわかんなかった~」とそばでミモロ。

この時、外は雷がなり、雨がザーっと降っていました。ミモロは、雨宿りをしながら、いろいろなお話を聞くことに…。
「なんか思わず、ゆっくりさせてもらっちゃった~」と嬉しそうに…。

「この時期、必ず雨が激しく降る日があります。だから、鉾にカバーを掛けている日も…こういう雨や暑さが厳しい時期には、昔、疫病が流行りやすく、だから祇園祭が始まったんですから、雨が降るのは、当たり前…」とサラリをおっしゃる保存会の方。

「まぁ、来年・・・どうぞ皆さん楽しみになさってください~」と。

「来年こそ、またミモロちゃんお手伝いしてくださいね!」と。「はい、絶対!今日は、ありがとうございました」と元気に答えるミモロです。


「さぁ、他のところも行こう~確か、南観音山の会所開いてるはずだから…」とミモロは、「大船鉾」から、四条通を渡り、さらに新町通を北へと進みます。

「山鉾の姿はないけど、通りに提灯が並んで、お祭りぽい…」と、言いながら、人の姿が少ない道を進みます。

コロナ感染拡大という世界的な災いが生じている今…「どんな状況でも、自分たちのやるべきことをしているだけで、まぁ、気持ちに変わりはありません」とおっしゃる保存会のみなさん。長い歴史の中、さまざまな災害を受けながらも、自分たちの生き方を守り続ける京都の人たち…「さすが京都の底力を感じるね~」と、今回の「祇園祭」の規模縮小にも、決して怯まない強さ・・・「それが京都なんだよね~」と改めて思うミモロなのでした。

尚・「大船鉾」の会所は、24日まで、厄除け粽や手ぬぐいなども授与されています。*金の龍頭は、一般公開されてないので、外から拝んでください。


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