「なんか時代をタイムトリップしたみたい~昔からたくさんの人が楽しんだんだよね~」とミモロがいうのは、「風流踊」です。
ユネスコ無形文化遺産になったのは、全国41の「風流踊」。これは趣がある雅なという意味の「風流(ふうりゅう)」ではなく、「ふりゅう」と読み、意匠を凝らした奇抜な衣装や花飾りなどを付けて踊るもので、歌や太鼓、鐘、笛などでリズムいい演奏と共に披露されます。
その時代の人々の思いが表現させているのです。「なんか昭和のタケノコ族みたいだね~」とミモロ。
確かに、あれも昭和の風流踊かも…。
さて、ミモロが毎年8月14日の夜に訪れるのは、「千本ゑんま堂」。
すでに笛や太鼓の音が境内に響いていました。
ここで披露される「風流踊」は、「京都の六斎念仏」という空也上人が始めた念仏踊りをルーツに、江戸時代にさまざまな芸能を取り入れ発展したもの。尚、京都の風流踊には、他に平安時代から続く「やすらい花」と室町小歌の流れを汲む「久多の花笠踊」が、「ユネスコ無形文化遺産になっています。
「京都の六斎念仏」は、京都市の15地区に伝わり、ここでは「千本六斎会」が、その地域の伝統芸能を伝えます。
軽快なリズム…豆太鼓という手持ちの小さな太鼓をクルクル回したり…
見ているミモロの体も、そのリズムで動きます。
全国にある六斎念仏ですが、京都の特徴は、江戸時代に流行した長唄、能、狂言、歌舞伎、神楽、祭囃子などを取り入れているところ。
「京の六斎念仏」の歴史やお話などの解説が、見る人をわかりやすくいざないます。
「わ~あの子、太鼓上手いね~」と、小学生の披露する巧みなバチさばきに拍手が起こる「四ツ太鼓」
「祇園囃子」に乗って登場する奇抜な姿の人たち。羽をバタバタしながら踊る「雀踊り」です。
浄瑠璃の演目から生まれた「手踊り」は、長い白布をなびかせる「さらし踊り」です。
「あ、あのお坊さん面白いね~」と思わず笑ってしまうミモロ。
ユニークな動きの「願人坊」。
やがて演目は、クライマックスへ。
「あ、お獅子の登場だ!」とミモロが身を乗り出す演目です。
大きな獅子の碁盤乗りが始まります。
「安全確認してる~」と、小さな碁盤を積み上げて、ぐらつかないように確認。変なところに目がいくミモロ…
狭い碁盤の上に乗った獅子。
獅子を操る2人の男性が同時に乗る碁盤です。
息を合わせて、いっきに逆立ち。
「キャ~凄いね~」観客は拍手喝采!
大技を無事に済ませ、寛いでいる獅子に近づくのは、蜘蛛の精
獅子に蜘蛛の巣をかけて攻撃!
「あ、お獅子やられちゃう~」とハラハラしながら見るミモロ。
蜘蛛の巣だらけになった獅子は、太鼓を持った人たちに励まされ、蘇ります。
メデタシ メデタシ…
約1時間半におよぶ舞台…日頃の練習の成果が見事に披露されました。
さて素晴らしい舞台を務めてくださった「千本六斎会」。
「なんかメンバー増えてませんか?」とミモロ。
会長でいらっしゃる吹田さん。「いいえ、まだまだ多くの方のご参加を希望しています。現在は10歳から86歳の29名です。いろいろな役割がありますから、幅広い年齢が必要ですね~」と。
「ネコじゃなければ、ミモロも参加するんだけどなぁ~」と小さな声でつぶやくミモロ。
「あの~この演目は、どうやって伝えらえてゆくんですか?」とミモロ。
「はい、残念ながら今のように映像や資料もありませんから、高齢者の方に、昔の様子をうかがって、それを元に再現していくんです。もちろんそれにも限りがありますから、後は、こうだったんじゃないか、こういうものが人々の心を鼓舞したり、楽しませるんではないか…と、現在の自分たちの感覚を大切に、演目を作り上げています」と。
ユネスコ無形文化遺産になったのをきっかけに、よりいっそう多くの人に、知って欲しいという思いから「京の風流踊振興会」が作った「京の風流踊ガイドブック」
「京の風流踊」が網羅され、開催場所や日時などが記載されています。
8月1日から12月13日までスタンプラリーも開催。
「全部集めると何かもらえるの?」とミモロ…そこは不明でした。ただ達成感は十分に…
ミモロもさっそく、「千本六斎念仏」のスタンプを押します。
でも、すでに、8月9日の「壬生六斎念仏」は過ぎてしまったので、コンプリートはできませんけど…。
「同日開催のものもあるから、場所的に離れてるから、全部集める難しいと思うけど…まぁ、何年かかけて集まればいいよね~」とスタンプラリーの期間延期を希望するミモロです。
あれ?ミモロ、どうしたの蜘蛛の巣だらけ…
「あのね~さっきの蜘蛛の精の蜘蛛の巣って、厄払いになるんだって~」とスタッフの方に伺って集めたよう。
8月16日以降も各所で開催される六斎念仏です。
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