「祇園祭」の設えがされた油小路通にある歴史的町家の「秦家住宅」にお邪魔しているミモロ。
玄関で、キチンと下駄を揃えてお座敷へと上がります。
江戸時代から続いた薬種商の店とお屋敷の中をアチコチここにお住まいの秦さんにご案内頂いた後、ミモロとお友達は、この日、東山の「好日居」のご店主である横山さんによるお茶事に臨みました。
「どうぞゆったりとお過ごしくださいね~」と言われ、正座ができないミモロも足をくずさせていただきました。中国茶など、さまざまなお茶に詳しい横山さんのお茶事は、多くの人を魅了するもの。
「暑いでしょ~まずは、喉を潤していただきましょうね~」と、涼し気なガラスの器に入った枇杷の葉のお茶を…
「枇杷の葉っぱのお茶なの?」と初めて味わうミモロは興味津々。枇杷の葉は、漢方薬でも食あたりや食欲不振を改善するために用いられるもの。
「ちょと苦い感じだけど…なんか胃がスッキリする感じ…食欲が促されるね~」と、夏でも食欲不振とは無縁のミモロですが…。
そして、薬種商であった「秦家」が扱った子供向けの薬「竒應丸」の事を教わります。「どんなお薬だったんだろ?」とミモロ。それは、直径1ミリにも満たない小さな丸薬です。
キラキラ輝く金の粒は、なんと本物の金をコーティングしたもの。
茶入れのような器に入れて行ったそう。
小さな粒のお薬で「子供が飲みやすいかも…」とミモロ。でも、その材料がいずれも貴重なものばかりで、かなり高価であったとも言われます。「今は、金の価格高騰してるから、とても作れないね~」と。そう、現在、他のメーカーで作られている「竒應丸」もコーティングはされていません。
また、薬種のひとつ、ジャコウを含んだ粒を見せて頂きました。レトロな缶にそれは…
開くと、「あ!氷砂糖みたい~」と今にも摘まみそうなミモロ。
「食べちゃダメよ!大変…」と慌てて制するお友達。まるで樟脳のような香りがミモロの鼻へ。でもジャコウは、ストレス解消や鎮静効果などが高く、漢方薬には欠かせず、「竒應丸」にも使われているのだそう。
「さぁ、では、次のお茶へ…」と横山さんがご用意くださったのは、夏の趣たっぷりのガラスの急須に…。その周りには、水が満たされ、そこに愛らしいピンクの花が添えられています。
「このお花は、なんでしょうか?」と。
「え~と…見たことある…」とミモロ。「はい、木登りが得意な動物に因んだ名前が付いてます」と。「木登りが得意?う!ネコ?」確かにミモロも木登りは得意ですが…。「あ、サルスベリですね~」とお友達。ネコスベリではね~。真夏の高木の花ですが、こうして花だけを見ると、なんとも可憐です。
「はい、どうぞ~」と、長い持ち手がある柄杓のような道具に茶器を乗せてミモロの前に…。
「ワ~炉端焼きみたい~」と思わずミモロ。趣あるおもてなしに、失礼な発言…申し訳ありません。味わい深いウーロン茶…「美味しいね~」とミモロもニッコリ。
お茶の間に、甘酒のデザートも頂きました。
「では、今日の〆に…特別なお茶をお出しします~」と横山さん。「なんだろう?」
器につがれたのは、黒い木片が浮いているような急須のお茶です。
丸1日くらい水で出すお茶で、「なんかちょっと苦みが口に広がる…なんだろ?」
お友達も首をかしげます。その正体は…なんと香木…
「蘭奢待(らんじゃたい)?!」と思わずミモロ。「そんなはずないでしょ!」と周囲に笑いが…。この香木も長い時を経て生まれたもの。とても貴重なもの…。「香木ってお茶が出るんだ~」と驚くミモロ。かすかに香りが水にうつり、独特な味わいが…。使った欠片は、乾かして、再び使用するそう。
本当に貴重な体験をさせて頂きました。「蘭奢待でもお茶飲めるのかな?」とミモロの想像は広がります。
素敵なお茶事に伺えたミモロ。「本当にありがとうございました。また伺います」と、秦さんと横山さんにお礼を言い、手を振ってお別れを…
猛暑の今年の「祇園祭」。ミモロにとっては、素敵な出会いや経験がそこに…
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