「今日は、会所でご奉仕します」。いよいよ宵山を迎えた「祇園祭」の「後祭」。ミモロは、「大船鉾」でご奉仕です。
スタッフパスを付けて、この日、配置されたのは、鉾に上がる人がやってくる会所です。
24日の山鉾巡行の前日…36度を超す猛暑の中、多くの人が「大船鉾」にやってきました。
「ご奉仕の前に、大船鉾に上がって来よう~!」と、スタッフの特典を活かし、鉾へ。
会所の2階には、鉾の先端に飾られる金色の大きな「大金幣」が。
「龍頭」と「大金幣」が、交互に鉾の先端を飾り、今年は、辰年ということで「龍頭」なので、来年登場する「大金幣」はお休み。その分、近くでよ~く見られます。
江戸時代に作られたと言われる紙製の「大金幣」。蛤御門の変で鉾が焼失しましたが、この「大金幣」は幸い焼失を免れた貴重なもの。「来年は、これが鉾を飾るんだ~それもすごく迫力あって、素敵なんだよ~」とミモロ。
2階の壁には、鉾を飾る段通などの織物が展示されています。
「あ、これベトナムの刺繍の職人さんが作ってくれた前掛けだ~テレビで見た~」とミモロが言うのは、赤い布に金糸で緻密に刺繍された前掛け。
ベトナムと京都の友好関係を記念して昨年寄贈されたもの。「ベトナムの国宝級の職人さんの仕事なんだって~」とテレビから知ったミモロです。
「今年の車輪をはじめ、10年前の復興以来、毎年、どこかができて、鉾が成長していくみたい…それも楽しみだよね~」
長い歴史の祇園祭の山鉾は、どの山鉾も、毎年のようにどこかが新しくなったり、変化しています。だから毎年訪れても、新たな出会いがあるのが「祇園祭」なのです。
「わ~どんどん人が増えてるみたい…」鉾の上から下を眺めると、鉾の周囲は人で埋め尽くされています。
さぁ、ミモロ、配置について…「は~い」
この日は、会所の1階で、厄除け粽などの授与のご奉仕がミモロのおつとめ。
学生さんやほかのボランティアの方と一緒に、「厄除け粽どうですか~」と呼びかけます。
かなり目立つ場所にいるミモロ…「わ~可愛い~」とスマホなどで撮影する人も多く、SNS映えするように、ポーズを。
「やっぱりミモロちゃんがいると思ってきました~」というのは、カメラマンの野口さん。
「あれ?チャーリー君はいないの?」とミモロ。ダンディな装いで知られるお人形のチャーリー君は、ミモロのお友達。
「また、今度一緒に遊んでね~」と、野口さん。「うん、よろしく伝えてね~」とミモロ。
強い陽ざしがなくなった日没を迎え、仕事帰りの人や地元の人も、増えてきました。
昼間の外出は、身の危険すら覚える猛暑。それに比べたら、夕暮れは外出しやすくなりました。
「ミモロちゃん、頑張ってるね~」と次々に地元の方が…
「わ~来てくれたんだ~」とほとんどお話する間はありませんが、それでも嬉しいミモロです。
古い町家を改造した町会所。「あれ?何か始まるの?」
鉾では、この日、何度も祇園囃子が披露され、笛や鐘の音が会所にも響いています。
「あ、囃子方のみなさんが降りて来た~」。夜の9時近く、鉾での最後の演奏が行われた直後…
演奏しながら、草履を履く皆さん。これから町を巡る日和神楽が始まるのです。
9時半になると…「はい、会所での授与品の扱いは終了です!ミモロちゃん、お疲れ様~」と。
「わ~終わっちゃった~なんか寂しい…」と思うミモロですが、あっという間に会所の中は、お片付けされてしまいました。
「ホント、祭の準備と撤収って早いよね~さすが~」。
祭に係る人たちが、みんな自分の役割を手際よくこなしていくのは、さすがです。
会所を出る前に、もう一度、2階へ。
「この景色を見るのも、今年はこれでおしまい…」そう思うと、ちょっと寂しいミモロです。
ご奉仕を終え、夜の22時頃、ミモロは、「南観音山」「北観音山」のそばを通ることに。
ここには、まだ大勢の人達…23時から、「あばれ観音」という勇ましい神事が行われるのです。
以前、その神事を何度か見たことがあるミモロ。「あと1時間か~待ってようかな?」と思うのですが、昼間からのご奉仕でやはりそれなりの疲れが…「夜中になっちゃうと、お家に帰るバスなくなっちゃう…」。そこで、今年は、このままお家に戻ることに…
御池通方向に歩き出すと、北からお囃子の音…
「あ、大船鉾の日和神楽のみなさんだ~」町を巡行した一行が、戻ってきました。
沿道で見つめるミモロに気づいてくださって、笑顔を…
「お疲れさまでした!」と手を振るミモロ。
神楽の音が通りに響きます。
さぁ、いよいよ明日は、後祭りの山鉾巡行。
それぞれの山鉾に係る皆さんは、明日の準備を整え、次の朝は、6時前から巡行の準備をなさるそう。
「寝られないね~」そう、祭は体力勝負。
「早く帰って寝ないと…」と汗びっしょりのミモロも地下鉄のホームへと急ぎました。
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