京都、岡崎は、美術館やイベントホール、動物園などがある文京エリア。また春は、桜、そして、今は、紅葉が町を彩っています。

疎水沿いの仁王門通に、大きな石造が並ぶ東洋風の堂々とした建物があります。


「ここなんだろ?」といつもミモロは、その前を通るたびに思っています。
実は、ご近所の方や、よく岡崎のほかの美術館に来る人も、ここがどんなところなのか知らない人が多いのです。それは、平日、開館していないため。
そんなある日曜日、「あれ?開館中だって…」


ミモロは、さっそく中に入ってみることに…。
入口は、建物の脇の道を少し入ったところにある日本風のりっぱな門。

入口付近には、大きな石塔が聳えています。

敷地内には、ふたつの展示館が、ひとつは、京都市役所も手が掛けた建築家、武田五一氏の設計で、大正14年にできた鉄筋コンクリートの東洋趣味の第1館。
そして、もうひとつは。明治20年代にフランス人建築家が設計したルネッサンス風の木造の第2館です。京都市登録有形文化財になっています。
見学する人は、まず第1館に進みます。

「いらっしゃいませ。両方を見学なさるなら1400円です。どうぞごゆっくりご鑑賞ください」と受付のアルバイトの学生さん。

では、さっそく第1館から見学しましょう。
*館内は、全館撮影禁止ですが、今回は、藤井さまにご許可を頂き、特別に撮影させていただけることになりました。
さて、一歩館内に入ると、そこは別世界。
「えー立派な仏像が、こんなにたくさんあるなんて…ビックリ!」と、ミモロは、ただ茫然。

さて、この「有鄰館」は、大正15年(1926)に滋賀県出身の実業家であり、衆議院議員であった藤井善助氏によって設立された殷代から清代の貴重な中国美術品を収蔵、展示する民間美術館。近代的な民間美術館としては、東京の大倉集古館に次ぐ歴史を誇ります。
そのコレクションは、唐代の「春秋経伝集解」の国宝1点をはじめ、隋代の「金剛力士像」、「天平二年弥勒三尊仏立像」など重要文化財9点ほか、多数の重要美術品が含まれる驚くべきもの。エジプトやガンダーラの美術品もあります。



「えーこんなにすごい美術品が、すごく近くで見られるなんて、信じられない。どこから、どう見たらいいのか、わかんなくなっちゃうー」と、ただただ驚くミモロです。
1階は、主に仏像を展示。そして2階は、青銅などの美術品が多数。3階は、乾隆帝の所蔵品などが多数展示されています。
ミモロは、階段を上がって、次々に上の展示室を訪れます。


「これが乾隆帝のお召し物…」

「すごい、これは皇帝のベッド?」螺鈿が全面に施された豪華な寝所。

また、ガラスケースの中には、大きな翡翠の香炉や装飾品が。
ミモロは、もう放心状態。

故宮博物院にある有名な翡翠の白菜より、かなり大きな翡翠の品々です。
「さすが皇帝の所蔵品、どれも大きくてりっぱ!」
唐三彩の像も、見たことがないほどのスケールです。

「この子、なんかカワイイ…」銅製の虎は可愛くても、なんと戦国時代のもの。

「乾隆帝のハンコだってー大きくて、すごく重そう…」

仏像を熱心に見学なさっていた方。

そもそも「有鄰館」という名は、中国との友好を願い論語からつけられたもの。創設者の藤井善助氏は、当時、犬養毅氏を出会い、欧米列強による中国美術品の散逸を食い止めるために、私財を投じ、保護し、その美術の学術研究を進めると共に、中国文化への人々の理解を深めるために、創設以来、一般公開を行っているそうです。
さて、疎水に面した建物の上にある、外からすごく目立つ八角堂。

実は、この瓦は、乾隆帝の時代のものを移築して使用しているそう。
「中の美術品だけじゃなくて、建物自体もすごいものだったんだー」と、いつもお散歩の時、何気なく見ていた建物にも、改めて感激するミモロでした。
*「有鄰館」京都市左京区岡崎円勝寺町44 電話075-761-0638 毎月第1、3日曜日のみ開館。ただし第1、3土曜日、祝日にも開館する場合もあります。11:00~16:00 入館料・第1館、2館共通1400円 地下鉄東西線東山駅徒歩5分 国立近代美術館の疎水を挟んで向かい側。館長、藤井善嗣さんによる美術や書などの講演会も開催されることも。

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