みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

1187「ネガティブ」

2022-01-15 17:43:46 | ブログ短編

 彼女はどちらかというと目立(めだ)たないタイプの女性(じょせい)だった。その彼女が、同じ会社(かいしゃ)に勤(つと)めている男性(だんせい)から告白(こくはく)されてしまった。彼女は、心(こころ)の中で思った。
「この人、大丈夫(だいじょうぶ)なのかな? こんなあたしと付き合いたいなんて…」
 彼女はネガティブなところがある。彼女は同僚(どうりょう)の友達(ともだち)に相談(そうだん)した。友達は親身(しんみ)になって、男性との付き合い方などレクチャーしてくれた。実(じつ)を言うと、彼女はまだ誰(だれ)とも付き合ったことがない。男性とどう接(せっ)していいのかまったく分からないのだ。
 でも…。彼女は思い切って、彼と付き合うことにした。そして、初(はじ)めてのデートの日。昨夜(ゆうべ)は一睡(いっすい)もできなかっようだ。朝(あさ)になっても、彼女は布団(ふとん)から出ようともしなかった。彼女は布団の中で考え込んでいた。
「あの人が、恋人(こいびと)になるってことは…。あんなことや、こんなこともしなくちゃ…。それに、きっとこの部屋(へや)にもやって来るわよね」彼女は自分の部屋の中を見回(みまわ)した。
 彼女は布団をかぶって、「ダメだわっ。こんな部屋、見せられないじゃない」
 おいおい、どんだけ散(ち)らかってるんだよ。と、思わずつぶやいてしまった。それは、少しずつ片(かた)づけていけばいいと思うのだが、彼女にはそんな余裕(よゆう)はないようだ。
「どうしようっ。こんなあたしが、誰かと付き合うなんて…。間違(まちが)いだったのよっ」
 彼女のネガティブが、むくむくと心の中にわき上がってきていた。
<つぶやき>誰か、彼女に活(かつ)を入れてやって下さい。やればできる人なんだと思うから…。
Copyright(C)2008- Yumenoya All Rights Reserved.文章等の引用と転載は厳禁です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする