わくわく記録帳

一日に見聞きすることをすべて記録すると文庫24冊になるらしい。
そんなに!?
記録しておかないのはもったいないよね。

選択肢が違いすぎる 都会と地方の間で

2024-03-27 22:14:52 | コトバ・ニッキ
つい先日、甥っ子(オットの弟の次男)の入学祝いを届けに行った時のこと。
オットの弟はとても若く結婚して子どもを持ち、そんな子どもたちも一番上のお兄ちゃんはもう20代も中盤でバリバリと働いているし、二番目のお姉ちゃんも高校生で海外に行きたい、という希望を持つまでに大きくなっている。


二番目のお姉ちゃん(姪っ子)が、ワーキングホリデーを活用しながらオーストラリアに行こうと思っている、という話を聞いたのが今年のお正月。そのために一生懸命アルバイトをして旅費を貯めているとか。それは素晴らしい経験だし、やれるならやっておいた方がいいよね、となんとも頼もしく思っていた。
折からの円安やなかなかビザが降りないなど様々な困難もあって、ワーホリではなくて語学学校への短期留学をすることになったそうで、5月には出発するんだとか。現地で受け入れてくれる人が見つかったり、話をしたりとバタバタバタと決まったのがつい先週、というくらいのスピード感。当初の予定よりは相当短くなってしまいそうだけど、それでも若い頃に違う環境で暮らす経験、それも親と離れて一人で、っていうのはとても得難いものだから、おばちゃん全力で応援する。


そんな話をしていた時に、弟さんがポツリと、「福岡市内にいるから留学とか、いろんな選択肢がある。俺らの頃には考えられもしなかった」と漏らした。もう完全に引き払ってしまっていてお墓とお寺があるだけだけど、オットの実家はお隣佐賀県の原発がある町のすぐ近くの山の中。小学校も中学校も町に1つだけ、という環境で育って、進学も近くの通えるところで、就職するときは街を出たもののそれでもやっぱり選択肢は少なかったそう。


そうなんだよね、都会と地方の格差、みたいなことが言われているけれど、やっぱり圧倒的に違うのは選択肢の差だと思う。


福岡のような地方の都市であれば、高校も大学もある程度の選択肢があるし、仕事も選べる。(もちろん状況や環境によっては選べない人もいることは承知している。)福岡にいたからいろんな情報、選択肢に触れて「留学」が現実的になったんだと思う。けれども、ちょっと離れた“地方”に行くと、県立以外は認めない、とか、手に職つけるために商業科や工業科、といった選択肢しか無くなっちゃう。そんな環境の中にいるから「留学」って言葉は知っていても、よもや自分たちがそれを選択する、なんて選択肢は持っていない。そういうこと。


テレビやメディアからの情報で言葉は知っているし、そういう選択肢があることも知っている。けれどもそれはテレビの世界の話であって、現実の自分たちの住む場所で起きていることではない、っていう感覚。


やっぱりね、格差ってあると思うのよ。格差っていうほどきつい、強いものじゃないけど、差はある、明らかにある。


くだらない例えかもしれないけれど、東京ドームなどで行われる外タレのコンサート。SNSには「行ってきた、素晴らしかった!」な投稿が溢れている。その外タレのことが好き、いわゆる推しってわけではなく、東京にいて自由になるお金と時間があって、見られるのは貴重だから、というプライスレスな経験を得に参加しているんだろうな、と思って拝見している。これ、やっぱり東京にいる人の特権、メリットだと思うんだよね。わたしもビリージョエルやテイラー、クイーン、ブルーノマーズは見たい。けど、飛行機代、宿代、仕事の調整、留守の調整をして行けるか?って言ったらやっぱり行けない。諦めると思うんだよね。(ま、晃司は諦めないですけどねw)東京にいたら「行ってみたいなー、行っちゃうかなー」くらいの軽い気持ちで見にいける。これが地の利、メリットなんだろうな、って思う。本物に触れる機会が格段に違う。


東京にいてそういうメリットを享受してきたからこそ、余計に強く思うのかもしれないね。
けど、やっぱり東京にいる、ってのは何ものにも代え難いメリットなんだと思う。


美術をやっている従兄弟(当時は神戸在住)が、今から20年くらい前に東京で個展を開催した時にやっぱりポツリと言っていた。


関西でも仕事はできるし、見てもらうことはできる。
けど、東京には圧倒的な量の人がいる。それだけたくさんの人の目に止まるって機会は他の地域ではない。


東京に全てが集まっているから、東京が魅力なわけじゃない。いろんなことが東京で行われるから、東京が魅力なんじゃない。いろんな人が集まる、それも絶対的な量が、それが東京の魅力なんだろうな、と思う。そしてその量の差はどうしたって埋められなくて、小さな世界で生きていく幸せももちろんあるし、今が不幸だとは1ミリも思ってないけれど、一度でも圧倒的な量の世界を知ってしまうと満足できなくなっちゃうんだろうな。

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