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わくわく記録帳

一日に見聞きすることをすべて記録すると文庫24冊になるらしい。
そんなに!?
記録しておかないのはもったいないよね。

グラフィックレコーディングは何のために?誰のために?

2019-12-11 23:59:53 | グラレコ



「看護管理」12月号がすごいことになっている。
Amazonの看護系雑誌部門の売れ筋ランキング1位にはなったし、売り切れにもなっちゃうし。ほんとびっくり。
(すごいって言えば、この表紙よ。ナカハラ先生のお名前よりも、ひめさん人形の方が目立ってるっていうね。まるで今年のライジングサンで晃司の後に、SUN STAGEで演ったウブちゃんみたいじゃね?(笑))


看護管理12月号でグラフィックレコーディング(以下「グラレコ」)の特集記事を書かせていただきました。
夏のはじめ、ちょうど山笠の時期に編集の小齋さんがわざわざ福岡まで来てくださって、打ち合わせをした。ほんとにわたしでいいんですか?とドキドキ。30ページにもなる特集が書けるとは到底思えなかったんだけど、小齋さんが丁寧にヒアリングしてくださって、構成を考えてくださって、企画がスタート。


締め切りまで2か月以上あったし、報告書やブログ等々で長い文章もそれなりに書いていたから、たぶんだいじょうぶ、と高をくくっていたら、これがとんでもない。ちょうど引っ越し時期とも重なったこともあって、相当にバタバタしながら、そしてうんうんと唸りながらの原稿書きでした。


そして、企画がスタートして、原稿を書いて、校正をして…という期間中にも、いろいろな場所でグラレコ描いたり、講座をやったり、新たなコラボをしたり、尊敬するグラフィッカーのナミさんとお話ししたりと、わたしのグラレコに対する思いや考えもちょっと変化してきた。


おかげさまで「読みやすい」「自分でも描けそうな気がする」など好意的な感想を頂戴しているけれど、正直なところ、この特集記事に関して言うとわたし自身はやり残した感満載。それはまだまだうまく言語化できていないことや、グラレコってこういうもの!というのがはっきりと自信をもって伝えきれていないことや、文章力、構成力のなさが要因ではある。まだまだ内省が足りないなぁ。
「看護管理」12月号が世に出て、あらためて今のわたしがグラレコに対して考えていること、これから先も伝えていきたいことをちょっと整理してみた。


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グラレコは「中の人」が描くのがいい

ありがたいことに、行政や企業など様々なところからグラレコのオファーをいただく。残念ながらスケジュールが合わなかったり、グラレコを導入する目的やどんなことを期待しているのか?などをお聞きしてうまく意思疎通ができなかったり、などでお受けできる機会はとても少ないのだけれど、わたしは、グラレコは「中の人」が描くのがいちばんだと思っている。
目的も、そこで常に会話されている内容もしっかりと頭に、体に入っているから、最終アウトプットがぶれない。だから、グラレコが「作品」ではなく「記録」になり、対話が誘発されるツールになると思っている。グラフィカルでアーティスティックなグラレコを期待して依頼されるケースも少なくないけれども、見た目よりも何が書かれているか/記録されているかの方がずっとずっとだいじで、それは「中の人」が描いた方が圧倒的に達成度が高い。
だから、わたしが描きに行くよりも、「中の人」が描けるようにお手伝いする、というスタンスをとっている。(そうすると大抵話が立ち消えになるのは之如何に???(爆))
描ける人がどんどん増えて行くことが、わたしの喜びであり、使命な気がしていて、最近はそっちに舵を切って活動している。たぶん、それはこれからも変わらない。


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「絵が苦手」「絵心ない」から「私でも描けそう」へ

グラレコやってみたいんです、とおっしゃる方の二言目が「でも、わたし絵心ないので…」だったりする。いえね、わたしがいちばん「うまく描けなくて凹んでる」んですよ、毎回。ほかのグラフィッカーのみなさんのグラレコを拝見するたびにどよどよーーーーんと凹む。なんでうまく描けないんだろ、絵も図もワンパターンで進歩も成長もないなぁ…と凹む。
だったら、絵の勉強をするとか、デッサンを習うとか、努力すればいいじゃん。けど、わたしが努力するのはそこじゃないと思っている。だって、グラレコは「作品」じゃないし、「記録」なんだもの。「私も描きたい」と思ってもらえるようなグラレコを描きたいし、「私でも描けそう」と思ってもらえるような講座をやりたい。そのためにも、来年は基本に戻っていろいろインプットしようと思っているよ。


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アウトプットすることに自由になる

講座をやっていると、たまーにとってもつらそうな方にお会いする。「うまくできない」「見本が欲しい」とおっしゃる方にも。
わたしたちは、ずっと「正解」を出すことを求められていて、中途半端な状態で提出することは「悪」であったから、「とりあえずやってみる」「思ったように描く」ってことがとっても苦手だ。でも、グラレコは、その場で描いて話に追いつかなきゃならないから、自然と「とにかく描いてみる」ことができる(と思っている)。
この辺はまだまだ自分の中でもぼんやりしているんだけど、この「とにかくやってみる」ってマインドの手助けがグラレコではできるんじゃないかと、そんなふうに思っているのです。「うまくやる」「きちんとやる」から「とりあえずやってみる」へマインドセットを変えることができたら、なんだかとっても自由に、ラクになれる気がするのです。


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楽しいと思ったらやる!でいいじゃんねぇ

グラレコに取り組んでいる方のブログやnoteを拝読するたびに、静かに凹んでおります。変化を起こす/対話を誘発するようなグラレコを目指して、そのための努力を惜しまない姿は本当に尊敬している。それに比べて、「楽しく描く」とか言っちゃってる自分って薄っぺらいよね、向き合い方がハンパだよね、と静かに凹む。
でも、なんていうのかな、そんなに難しく構えて取り組まなくてもいいんじゃない?って思う自分がいる。楽しい!でいいじゃんねぇ。こんなノートの取り方があったんだ!っていう素直な発見だけでも十分に変化を起こしているし、ステキなことだと思うのですよ。

誤解を恐れずにいうと、いろいろな場で目にするグラレコはとってもカラフルで絵もたくさんあって「すげー!」ものなのですよ。でも「すげー!」グラレコを見ると、「すげー!」で終わっちゃって思考停止になっちゃうんじゃないかという思いが拭えない。画像としてとらえてしまって、中に書かれている言葉や絵、図から「意味」や「意図」を読み解かなくなっちゃうんじゃないかと。
独り善がりでもいいし、正解じゃないかもしれないけど、自分が大事だと思ったことを、自分が描けばいいと思っているし、そのための手段としてグラレコを使ってもらえればいいなーって思ってる。正確にはグラレコ風の「絵や図や色も使った記録」ね。そう、誰かのグラレコを活用するよりも、自分が描いた方がいい、絶対にいい。

でね、極論。グラレコなんてなくても世の中は成り立つんだから、楽しいと思ったらやる、でいいじゃんねぇ。
でも、少なくともわたしは役に立つと思ってるよ。アウェイ感満載の場に行ってもグラレコ描いていれば居場所ができたし、描いたものを見て会話が始まったり、わたし自身がグラレコで救われてきた。講座を受けてくださった方が、グラレコを使って親子で会話してたり、グラレコ風にノートをまとめ直して受験に成功したって報告いただいたり、何よりもグラレコが楽しい→描くのが楽しい→人の話を聞くのは楽しい→学ぶのは楽しいってサイクルになるのは最高だと思うもの。




先日、WSD仲間で尊敬するファシリテーターのてっちゃんのゼミでグラレコ講座をやった。オンラインでつないで。ほんの80分程度の短い時間で、特に宿題や課題を出したわけでもないのに、終わった後に自発的に感想をグラレコ風味で描いてLINEグループに投稿したり、参加したセミナーでグラレコ描いたりと、アウトプットがハンパない。「やりなさい」と言われて、じゃなくて、「グラレコ楽しい!」だから「描きたい」ってモードなのが何よりいい。
その中で、
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すごく楽しかった!やってよかった!
俺の人生、happyすぎるサイクルに突入した!」
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って感想があった。
そう、こういうのがいい。カテゴリーとか定義とか、意味とか意義とか、そんなのどうでもよくて、誰かをハッピーにすることができるって最高じゃない?そんなグラレコを描きたいし、グラレコ描く楽しさを伝えていきたい。


まだまだ書きたいこと、伝えたいことはたくさんあるんだけど、いつもにも増して収拾がつかなくなってきてしまった(汗)
あらためて思ったこと。わたしの「描くスキル」を高めるよりも、描ける人/描く人をもっともっと増やしたい。そのためのお手伝いをしていきたい。今回の「看護管理」で「描く人」が増えたらいいなぁ。講座の要望にもできる限り応えたい。目指せひめチルドレン1万人!(え?)


貴重な機会を授けてくださった医学書院の小齋さん、お読みいただいたみなさん、これまで講座を主催してくださったみなさん、参加くださったみなさん、本当にありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いします!


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