道彦の散歩道

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09/03 「治部煮」と「いちご煮」

2013年09月03日 | 鍋料理

【治部煮】
「治部煮」は、石川県金沢市の代表的な郷土料理。

『概要』
鴨肉(もしくは鶏肉)をそぎ切りにして小麦粉をまぶし、だし汁に醤油、砂糖、味醂、酒をあせたもので鴨肉、麩(金沢特産の「すだれ麩」)、シイタケ、青菜(せり等)を煮て出来る。肉にまぶした小麦粉が旨味を閉じ込めると同時に汁にとろみをつける。薬味はわさびを使う。
本来は小鳥を用いたとされ、その際は丸ごとすすり潰して挽肉状にし、これをつくねのように固めたものを煮立てたという。

『歴史』
本来の『じぶ』は「鴨肉を鍋に張った汁(醤油・たまり・酒などを混ぜる)を付けながら鍋肌で焼き、汁を張った椀に5切れほど盛ってワサビを添えて出す料理」で、鴨の鍋焼きのことだった。
これとは別に「ガン・鴨・白鳥などの肉をそぎ切りにし、麦の粉を付けて濃い醤油味の汁で煮、ワサビを添える」という「麦鳥」と呼ばれる料理があり、これが誤って「じゅぶ」と呼ばれたため、後者の方が「じぶ」とて伝わるようになった。

『じぶの名前の由来』
■豊臣秀吉の兵糧奉行だった岡部治部右衛門が朝鮮から持ち込んだことに因んで呼ばれた
■材料を「しぶしぶ」と煎りつけるようにして作ることから呼ばれた
■野生の鴨肉を使うことから、フランス料理のジビエから変化した
など諸説あるが本当の由来は定かでない。

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【いちご煮】
「いちご煮」は、三陸海岸周辺の伝統的な料理。2007年12月18日に農林水産省の主催で選定された農山村の郷土料理百選において、せんべい汁と供に青森県を代表する郷土料理として選出されている。

『概要』
ウニ(キタムラサキウニ・エゾバフンウニ等)とアワビ(ツブ貝等で代用されることもある)の吸い物である。赤みが強いウニの卵巣の塊が、野イチゴの果実のように見えることからこの名前が付いた。

『歴史』
その昔、八戸の浜の「鮫」や「種差」では、ウニやアワビは至る所にゴロゴロ転がっていて、それらは「ネコマタギ」的な海産物だった。それらの売り物にならない「クズ」で浜の人々が作って常食にしていた「潮汁」が「いちご煮」の原型と言われている。
その潮汁が洗練されて椀に盛られた風情が「朝もやに霞む野イチゴに似ている」と八戸の粋人が称したことから「いちご煮」と呼ばれることになった。

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