道彦の散歩道

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09/11 「ザリージ」と「香り箱かに」

2013年09月11日 | 食・レシピ

【ザリージ】

「ザリージ」とは、北海道函館市の郷土料理で「豚のザンギ風天ぷら」である。
「ザリージ」は、その昔函館に数多く存在したという中華料理店で幅広く提供されていた定番メニュー。今で言うとラーメン店でビールのつまみにチャーシューや餃子を頼むような感覚で、サイドメニューとして多く食されていた。また、ザリージをメインのおかずにした「ザリージ定食」をメニューに掲げていた店もあったという。
時には主役になる名脇役「ザリージ」の前途は明るいかに見えた。だが、食文化の多様化が進んだ1980年以降、中華料理店の閉店が相次ぐとともにザリージの存在は次第に函館市民の記憶から薄れていった。今では、函館でザリージを提供している飲食店は片手の指に余るほどだ。

そんな「ザリージ」にもう一度脚光を当てようと、市民有志がたちあがった。彼は函館や道南の「豚食文化」の歴史を象徴的に表す食べ物として「ザリージ」に着目。市民からの聞き取りと歴史的背景の考察を元に、当時の「ザリージ」の復刻に取り組んだ。

はきりとした文献資料かないために不明な点も少なくなかったが、現在50~60代の人も「子供の頃に食べた」と証言していることから、戦後間もない頃には既に存在していたことが推測される。また、人によって味の記憶があまりにもまちまちであることから、決まったレシピはなく、その店によって味付け異なっ他で有ろうことも分かってきた。さらに、「ザリージ」は中華料理店で食べるもので、各家庭では鶏肉のザンギが食べられていたことが分かった。
これは豚肉を使うことが多い中華料理店が食材のロスを嫌い、鶏肉の代わりに豚肉でザンギ風のものを作ったからではないかと考えられる。
こうした数々の記憶を元に復刻された「ザリージ」は、2012年8月に函館大門横丁のイベントで復活デビューした。9月に実施された「はこだてグルメサーカス」でも大々的に販売され、大好評を博した。

復活「ザリージ」では、豚モモ肉のブロックを使用、注文を受けてから6ミリほどの厚さに切り出し、合わせダレをもみ込んで3分ほど漬け込み、一旦上げてタレを切ってから衣を付けてサッと揚げる。
合わせダレは、調味料が豊富でなかった当時の状況を踏まえて醤油・砂糖・日本酒に生姜や胡麻油などを加えたオーソドックスなものにしている。
タレに漬け込んでから一旦ザルに上げてタレを切るのは、衣の色を濃くしないため。「ザリージの衣は白っぽかった」との人々の記憶を再現している。この復活ザリージは現在、大門横丁内の「いか家」と「てらや」の両店で食べることができる。

今回ザリージを復活させた市民有志は、ザリージを函館の名物として再び定着させるべく「函館ザリージ普及委員会」を設立。レシピの公開などを行い、函館の外食産業にザリージを浸透させるべく働きかけていく考えである。

なお、これまでの同委員会の調査では「ザリージ」の語原は分かっておらず、さらなる調査が待たれる。

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【香り箱かに】

かに風味蒲鉾は、オイルショックによって日本経済が沈滞ムードに浸っていた昭和49年に、スギヨは「百年に一度」と言われた大ヒット商品「かにあし」の開発に成功し、その生産に追われていた。
しかし、その「かにあし」は、計画的に開発されたのではなく、偶然と失敗から生まれた開発努力の賜物だった。

試作に試作を重ねてチャレンジしていった結果、口当たりがカニの身にそっくりで、味覚は満点に近いあの「かにあし」が出来上がったのである。
失敗を無駄にしないスギヨの開発者スピリットなくして、世紀の大ヒット商品は日の目を見なかっただろう。

「築地市場」
特許庁から商品名は「かにの足」では駄目だが「かにあし」なら良しと許可取得早速、東京・築地市場に出してみたところ、「売れるわけがない」と一蹴。
ただ、一社だけが「これは面白い発想だ」と救いの手を差し伸べた。ところが蓋を開けてみると、爆発的な人気を呼び、増産に次ぐ増産、まさに開場以来の記録的な商品量を記録した。「かにあし」を積んだトラックが市場に到着すると、待ち構えた業者が我先にと奪い合うほどであった。

「米国市場」
昭和61年、スギヨは米国市場に進出。日本食ブームと健康志向も相まって、能登・七尾生まれのカニ風味かまぼこは、海外でも高く評価され、その人気を不働のものとなり、新しい日本食は、海を越え、世界の食品となったのである。

「商品」
かに風味蒲鉾「香り箱」は、高級なすり身を使い、極細組織でカニの脚肉のように仕上げた「かに風味かまぼこ」である。形状、味、色合い、ジューシーな食感など、ズワイガニの抜き身をとことん再現した商品である。

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