道彦の散歩道

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09/16 銘柄米④

2013年09月16日 | 食・レシピ

【きらら397】
「きらら397」は、北海道産の品種で、1990年品種登録。それまでの不味い北海道米のイメージを一新した品種である。

「育成と普及」
北海道立上川農業試験場で育成された。1980年に始まった北海道における「優良米の早期開発試験」事業の中で研究が行われた。
1980年に試験交配が着手され、1982年以降に数度の系統選抜を経て、奨励品種決定調査へと進んだ。「上育397号」の系統番号で試験され、1988年1月の会議で出席者の全員一致により北海道の奨励品種(優良品種)となった。名前の「きらら」は、きらめく様子・白い米のイメージから一般公募の中から選ばれた。

交配組合せは、母が「渡育214号(後のしまひかり)」、父が「道北36号(後のキタアケ)」である。「しまひかり」は「コシヒカリ」の血を引く良味品種であったが、北海道で栽培するには耐冷性に問題があった。他方の「キタアケ」は早生種で、耐冷性に優れて多収量だったが、食味に劣り、典型的な従来の北海道米の性格を有していた。いずれの品種も1980年当時は奨励品種決定前の開発段階であった。

完成した「きらら397」は、かって「鳥またぎ」とまで揶揄された不味い北海道米のイメージを一新する品種となった。1989年から作付けが始まった「きらら397」は、それまで北海道米のエース的存在だった「ゆきひかり」に取って代わり、道内で最大の作付面積を誇る品種に成長した。1996年の全国的な米余りに際しては一時的に販売不振となったが、ホクレン農業教組主導による外食産業向けの販路拡大などで再び活況を取り戻している。
北海道の良味品種としては、その後に開発された北海道産の良食味米「ほしのゆめ」及び「ななつぼし」の先駆けといえる。

「品種特性」
特徴としては、長所は良食味であり、初期生育が良く、穂数確保が容易であること。短所は耐倒伏性と登熱性に劣ることである。食味に関わる成分のうち、数値が低いほど米の粘り気が増すアミロース値は、奨励品種決定直前の検査では19%を記録し、北海道米としては史上初めて20%を切ることに成功した。同じく粘りなどに関わり低い方が好ましいタンパク値も6.3ー6.5で、やはり北海道産としては小さな値に収まっている。これにより、従来の北海道米に比べると、粘り気があって冷めても美味しい米となっている。

いわゆるブランド米でありながら、コシヒカリなどの他のブランド米の品種と比べて価格が安く、かつ、粒が大きく炊き増えがする事が、また、汁気の多い食材と組み合わせてもふやけないことから牛丼チェーンの松屋、吉野家など丼物を中心とした外食産業で用いられる事が多い。

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【ほしのゆめ】
「ほしのゆめ」は、北海道上川管内比布町の北海道立上川農業試験場により育成され、1996年に水稲農林40号「ほしのゆめ」として命名登録れた良食味米品種。2000年に品種登録されている。「上育418号」の系統番号で試験され、北海道の優良品種となった。

「ほしのゆめ」という名称は一般公募され、決定された。名称の由来としては「きらきらと輝く星のイメージが艶のある美味しい米を連想させ、米作りに携わる人や食べる人の夢がかなうように」という思いによる。

「品種特性」
長所は「きらら397」を越える良食味で、傷害型耐冷性が強く、初期分藻が旺盛であること。
短所は耐倒伏性が不十分で、割れ籾が多く、いもち病抵抗性が不十分であること、などが挙げられる。

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