4月7日の朝日新聞のオピニオンに載っている
歴史家、大阪大名誉教授 川北稔さんへのインタビュー記事
歴史のいま
「3.11に砕かれた近代の成長信仰 もやっとした不安
復興は必ずできる 東洋のポルトガル それも悪くない」
を読んだ。
川北稔さんはイギリス近代史が専門であるという。
近代の世界を一つのシステムとして見る考え方があるそうです。
その「世界システム」は16世紀の西ヨーロッパを中心にうまれ、
その後大西洋をわたってアメリカに重心が移っていく。
そして21世紀は東アジアの世紀といわれる。
全盛期だったポルトガルやスペインはイギリスやオランダに抜かれ、
大地震と津波でポルトガルは没落していった。
東アジアの先頭をはしっている日本がこうした災害に見舞われた。
これから日本は東洋のポルトガルになるのかもしれない。
世界のトップやアジアのトップではなくなる。
しかし、それが一概に不幸ともいえないのではないか。
現在のポルトガルはある意味で安定し、人々は幸せな人生を送っているのではないか。
それには我々がそれを「安定」と受け止める価値観とメンタルな部分変わる必要がある、と語っている。
最後に取材者は我々は「次の時代に入ったのでは」と感じたと書いている。
ずっと自分のなかでこの大震災をどう捉えたらいいのだろう、ともやもやしていたものが、
これを読んでスッとした。
ゆったりとした史観に基づく語り口に、納得できて安心した。
今、歴史の転換点にいるのかもしれない、という気がした。
私は科学のことも、日本の経済のことも、エネルギー政策のことも詳しくはわからない。
どれがいい、どうしたらいいとは、軽々しくいえない。
しかし着実に自分達に突きつけられている問題だ、とだけは感じている。
自分がすこしだけ近代の日本の歩みを勉強していて、
なにかそこから考えることができないだろうか、とここのところあがいていた。
その答えをもらった気がした。
歴史に学ぶことはおおいにあり、そのために歴史は学ばなくてはいけない、とおもった。
コメントありがとうございます。
新聞記事の全文をブログには載せられなかったので、たいへんうれしいです。
読んでない方にそちらのブログで読むことができるとお知らせしたいとおもいます。
ありがとうございました。