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サム・ペキンパー監督『ダンディー少佐』その5

2014-12-18 17:20:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。
 タイリーン「ライアンがいないので、グレアムが見に行っている」。ライアンが担がれてくる。少佐「軍曹、ラッパ手をいたわってやれ。病気だ」。あきらかに二日酔いのライアン。ライアンに駆け寄り帽子を被せる若い女。2人はキスし、皆冷やかす。少佐「ライアン、馬に乗れ」。出発する少佐ら。悲しむ女。見送る村人たち。タイリーンはテレサに挨拶する。少佐「昨夜捕虜を逃がした。案の定彼らは本隊に急行した。グレアム中尉たちがオトリに出て、あとは待ち伏せだ」。チラム軍曹(ベン・ジョンソン)「前哨隊は無駄だ。槍騎兵隊に野砲があれば、1発でこっちは崩され、あとは蛙刺し棒で全滅だ」チラムは唾を吐き、去る。
 黒人兵はフランス軍を見て「きれいだ」と言う。タイリーン「歩兵ならこっちの勝ちだ。片手でひねれる」少佐「なぜ?」「南部で鍛えてないから弱い」。笑い合う2人。タイリーン「来る。日暮れにはグレアム隊に8キロと迫る」ライアン「敵がキャンプに進んだらどうなります? 中尉が危ない」。進軍するフランス軍。
 フランス軍の野営地を襲う少佐ら。
 『1月15日、ポッツとリアゴは足跡で敵を3日間ひき回し、味方の安全と確認してから我々の休息地へ引き返して来た』。水浴びする兵士たち。ひげそりするライアンに「もう大人だな」と冷やかす兵士。『ポッツたち3人が偵察に出ていた。フランス軍の報復が心配だ。リンダの身を案じた』。少佐「報復は?」リアゴ「ひどいもんだ」「女は?」ポッツ「吊るされてはいなかった。アパッチが宣教師に見えた」リアゴ「ヨーロッパ教育の成果だ」少佐「チャリバは?」ポッツ「あせるな。奴は引き延ばす気だ。あんたとの一戦を孫子に延々と語りたいらしい」。
 『傷も疲れも癒え、士気も上がったとき、少佐の嫌う事件が起きた』。兵士「少佐、脱走兵です。ハドリーが昨夜に馬と食糧を奪って逃げました」「ポッツ、リアゴと跡を追って連れ戻せ」「お門違いだ。ホームシックの兵隊捜しなんて」別の兵士「私が」「よかろう、捜し出せ」「ハドリーを捕えてどうするんですか?」ポッツ「ゴメスは殺さずに結局少佐が殺すだろう」タイリーン「違うな。少佐にはやらせん」。
 待機する兵士たち。『2日後ゴメスが戻って来た。途中村を出た女医と子供とリンダを拾って来た。少佐はただちにハドリーを裁いた』。ハドリー(ウォーレン・オーツ)「恐ろしい連中を仲間に持ったもんだ。いきなり撃たれた。女に出会って手当てを受けたから助かった。脱走ではない。村の娘を口説きに行っただけだ。戻るつもりだった。兄貴を離れる訳がないだろ、アーサー?」「そうだ」「脱走じゃないんだから、頼む、何とかしてくれ」。馬に乗ったままのハドリーに少佐は「上から話すな」と蹴落とす。ハドリーはタイリーンににじり寄りながら、「大尉、大尉、大尉、頼む、前にもあった。だが戻ったろう。ムチで打ったけど、殺さなかった。女に惚れたぐらいで北軍に渡さんでくれ。いい子なんだ。きれいで上品で。ほんとだ。食糧は娘の親にやった。ダンスのときに紹介したあの子だ」タイリーン「覚えてる」少佐「チラム軍曹、村が焼かれたことは皆知ってるな」ハドリー「俺も知ってたが、村人が戻るのを待つ気だった」少佐「中尉、盗んだ食糧と弾薬は?」「3分の1週分です」タイリーン「少佐、大目に見てくれ」「我々が命を懸けた物資だ」「ハドリーも命を懸けた」「兵卒、銃殺だ」「よせ、預けてくれ。私が裁く。殺させはせん」「軍人の言うことか」「貴様は彼を手始めに次々に殺す気だろう」「疲れてるな。岩だった男が今はもろいチョークだ。くじびきで銃殺隊を決めろ。南軍は除け」タイリーン、大声で「少佐との約束は守る。任務も果たす。だが終わった後で俺はお前を殺す」「やれるか?」「やれる。殺してやる」ハドリー「これまでだ。畜生。一思いにやれ。少佐、やることをやれ。だが恨むぞ。南軍万歳!」。タイリーンはハドリーを射殺する。
 『隊は完全に分裂し、断絶は深まる一方だ。北軍兵士さえ反発した。それでも少佐は重圧に耐え通した』。少佐は隊を離れ、孤独な時間を過ごしている。そこへテレサがやって来る。「兵隊じゃないわ。あそこはいたたまれなくて。憎しみの渦よ。私もあなたと一緒にいるわ」少佐「虎が怖くない?」「あなたが虎? 山をうろつくあれ? 平気よ。怖くないわ」。散歩する2人。「きれいなところね」「連れが悪い?」「いいえ、さっきは恐ろしかった。命が縮む思いよ。一番辛かったのはあなたね」「なぜ肩を持つ?」「人が死ぬのを見過ぎたせいか……生きてる実感がほしい。一緒にいると感じるの」。キスする2人。(また明日へ続きます……)

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/