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中田秀夫監督『仄暗い水の底から』その2

2014-12-01 15:18:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 弁護士を呼んだ淑美は、すぐに引っ越すと言い、幼稚園も変わるが仕方がないと言います。弁護士に不動産屋と管理人を呼んでもらった淑美は、上の部屋が施錠されていないことを確認させ、淑美の言う通り、その部屋が水浸しであることを他の者に確認させます。4人は屋上にも行きますが、弁護士は赤いカバンは近所の子供の仕業だろうと言い、水槽に見えた人影も、街灯の影が映ったものだろうと言います。
 引越しは取りあえず止めることにして、壁をきれいに張り替えた淑美は、弁護士から次回の調停で決着するだろうと言われ、何かあったら自分で行動するのではなく、すぐに私に連絡してくださいとも言われます。
 すっかり回復した郁子は、また幼稚園に通うことになり、淑美とその準備を始めますが、郁子のカバンの中から例の赤いカバンが出てきます。淑美はすぐに弁護士に電話しますが、弁護士は既に事務所を出て帰宅した後でした。淑美は赤いカバンを持つと、赤いカバンが水中に沈んでいく幻影を見ます。彼女は郁子を部屋に残し、屋上へ向かうと、水槽から水が大量に漏れてきます。水槽に登っていく美津子の姿が見える淑美。淑美も美津子と同じように、水槽を登っていきます。一方、郁子は水道からコップに水を汲むと、髪の毛が入ってきます。赤いカバンを水槽に落とし、それを拾おうとして水槽に落ちる美津子のショット。水槽を登っていた淑美に、水槽の壁を叩く音が聞こえ始め、水槽の壁に内側から叩いてできたコブが無数にでき始めます。泣き叫ぶ淑美。一方、郁子は目の前の浴槽の栓が開きっぱなしになり、郁子がいくら止めようとしても動きません。やがて浴槽には濁った水がたまり、ボコボコと泡が立ち出すと、いきなり緑色の手が2本突き出てきて、郁子の頭をつかみ、浴槽の水の中に引きずり込もうとします。エレベーターに戻った淑美でしたが、エレベーターの天井からは水が滴り落ち、部屋に戻ると、浴室で郁子が失神していました。淑美は郁子を抱き上げ、エレベーターに行き、下へ降りるボタンを押しますが、エレベーターはなかなか動きません。やがて自分が出てきた部屋のドアが開き、そこから郁子が出てきます。自分が抱いてきたのが郁子ではなかったことに気づく淑美。恐る恐る自分が抱いてきた子供を見ると、緑色をした長髪の美津子で、淑美に抱きついてきます。郁子は淑美に近づき、「ママ、ママ」と言いますが、淑美は「近づいてはダメ!」と言い、やがて美津子を抱きしめ、「私がママよ」と言うと、美津子も淑美を抱きしめる力を弱めます。泣いて「ママ、ママ」と言う郁子を目の前にして、エレベーターのドアは閉まり、最上階に向かって登り始めます。郁子もそれを追って、階段を上がっていきます。エレベーターより先に最上階に着いた郁子でしたが、到着したエレベーターのドアが開くと、濁った水が大量に噴出し、郁子はそれに流され、エレベーターの中に淑美の姿を見出すことはできませんでした。
 “十年後”の字幕。幼稚園の前で話し込む3人の女子高生。2人はコンビニにアイスを買いに行き、残された郁子は、迎えが来ずに1人幼稚園に残された幼児が気になりますが、やがて母が迎えに来ると、安心して歩き出します。母とよく歩いた堤防沿いの道を歩き、例のマンションに入ると、そこは廃墟となっています。自分と母が過ごした部屋に入ると、そこだけは当時のままで、やがて母が現れ、「お帰りなさい」と言ってくれます。郁子は「私はお母さんと暮らした思い出は、幼稚園の頃の2年ほどしかない」と言い、「私がいれば何があっても平気、と言ったことを覚えてる?」と尋ねると、淑美は「もちろん、覚えてるわ」と言います。郁子は「お母さん、ここで私と暮らして。お父さんは新しいお母さんと結婚したし、妹も何人かいるので、きっと許してくれるわ」と言いますが、淑美は「それはできないの」と言います。郁子はひと気を感じ、後ろを見ようとすると、そこには美津子がいます。思いきって後ろを振り向くと、美津子は消えていて、正面を見ると、淑美も消えていました。「母はこれからも守ってくれるのだろう」という郁子の独白で、映画は終わります。

 以前にも見た記憶がある映画でした。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/