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ブラッドレイ・カプラー&アルバート・メイスルズ共同監督『THE LOVE WE MAKE』

2012-10-13 04:26:00 | ノンジャンル
 奥田英朗さんの'11年発行のエッセイ集『どちらとも言えません』を読みました。題名の通り、特に面白いとも言えない内容であるように感じました。

 さて、ブラッドレイ・カプラー&アルバート・メイスルズ共同監督の'11年作品『THE LOVE WE MAKE』をWOWOWライブで見ました。9・11事件に対し、その年の10月20日に行なわれた“The Concert for New York City”に出演するまでのポール・マッカートニーを追ったドキュメンタリー映画です。
 『ちびまる子ちゃん』で大金持ちの息子「花輪くん」のお付きの「ひでじい」のように、ポールには老運転手のジョージが付き添い、ポールの命じるままに車を運転し、ポールが散歩したいと言うと、そこで車を停め、人だかりから逃げたいとポールが言うと、また命じられるままに車で人々を振り切ります。
 テレビのインタビュー番組で“大切な人を失った時は、どうやって立ち直りましたか?”と聞かれたポールは、“悲しみは隠しておけない。そういう時は、いろんな人に話を聞いてもらう。人前で泣きじゃくったって構わない。そうやって感情を解放させたやるんだ”と語ります。自分の子供たちも公立学校に通わせ、人を警戒するのでなく、誰とでも“普通に”話せるようにさせた、と語るポール。彼は、自分が若かった頃は、皆“平和主義”を合言葉にして戦っていたとも語ります。
 ポール自身、とても気さくで、誰とでもユーモアを持って気軽に接します。様々な人と会い、コンサートへ向けて練習を積んでいくポール。
 「2001年10月20日 The Concert for New York City」の字幕とともに、歌うデヴィッド・ボウイの姿が映し出され、その後も、クラプトン、ディカプリオ、ビリー・ジョエル、ジェイムズ・テイラー、ハリソン・フォード、ビル・クリントン、ジム・キャリーらがポールの楽屋を訪ねてきます。「自分たちの世代は強い」と語るビル・クリントンは、「9・11の時に、すぐに行動を起こした」とポールに賞賛されます。
 舞台でもクラプトン、ビリー・ジョエル、ジェイムズ・テイラー、ザ・フー、ミック・ジャガー&キース・リチャーズ、エルトン・ジョンらの演奏が行なわれます。
 いよいよジム・キャリーの紹介で最後に紹介され、ニューヨークの消防団の名前がプリントされたTシャツ姿で、バンド仲間とともに舞台に登場したたポールは、“I'm down”を歌った後、ストリングスとともに“Yesterday”を歌い、そののち、皆と“Let It Be”を歌うと、アンコール曲として“Freedom”と題された新曲を皆の拍手に合わせて歌います。やがて拍手だけでなく、メロディも口ずさみ始める人々。ソロの部分を担当するクラプトン。殉職した家族の写真をかざしながら、曲を聞く人々や、殉職した仲間の同僚たち。1部の消防団員は舞台に上がり、ポールらとともに歌に参加し、舞台が終わると、ポールは様々な人々と抱き合います。
 「2001年10月23日」の字幕。ストリングスで“Yesterday”の曲が流れる中、消防署を訪ねたポールは、自分の父も第二次世界大戦中に消防士として戦ったと語り、消防士たちと握手します。消防署に飾られる殉職した消防士たちの写真と花のアップで映画は終わります。

 製作総指揮をポール自身が担当し、共同監督以外に撮影も担当したメイスルズは、若き日のビートルズのドキュメンタリーも撮った人のようでした。笑いながら“愛国心”を語れる彼らは、真の意味でのリベラリストなのだと思います。(彼らの合言葉は“自由であること”です。)彼らが歌う歌にも、何度か涙がこぼれそうになりました。また、ポールが14才の時に母を亡くし、その後、父と弟の男3人暮らしであったことも初めて知りました。ポールのドキュメンタリー部分は白黒、コンサートの様子はカラーで映されていたことも書き添えておきます。

→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/