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アフリカのチャドの現実

2012-10-03 06:26:00 | ノンジャンル
 昨日送られてきたユニセフ通信の秋号に、菊川怜さんが番組でチャドを4日間訪れたことに関するレポートが掲載されていました。以下、そのレポートを要約させていただきます。
 FNS系列の朝の情報番組「とくダネ!」の司会者就任が決まった菊川さんは、今年の6月、FNSチャリティ・キャンペーンのため、チャドを訪れたそうです。チャドはアフリカ大陸の北よりの国、広大なサハラ砂漠を北に含む国です。
 菊川さんが最初に肌で感じた脅威は「気候変動」でした。チャド海は気候変動が原因で干上がり、灌漑等で周りの川からの水が流れこまなくなったこともその原因となっていました。(これはソ連のアラル海が干上がったのと同じです。)4ヶ国(チャド、カメルーン、ナイジェリア、ニジェール)の間にあるチャド湖で、人々は物資を輸送し、家畜に水を飲ませ、洗濯をしていたので、チャド湖の縮小は人々の生活に直接大きな打撃を与えました。水はこの上なく貴重なものとなり、そうなると当然食糧も手に入りにくくなりました。
 チャドのモンゴの町にあるユニセフの栄養治療センターには、多くの母子が集まってきていました。みんな、3時間も4時間も炎天下の中を、歩いてやってきます。そこで菊川さんが会ったカディージャさん(35歳)は、栄養失調になった11カ月の末娘を入院させるために連れてきていました。すでに子どもが9人もいるカディージャさんの家族を訪ねてみると、14歳になる長女は母親に代わり、家事のすべてを行なっていました。(水汲み、調理、掃除など、やるべきことは山のようにあり、1日は家事をするだけで終わってしまいます。)17歳の長男も、畑仕事を手伝い、学校には通っていません。「本当は学校に行って医者になり、みんなの病気を治したい。でも、お父さんが学校にいくのを許してくれるかどうか分からない。」彼が学校を諦め仕事をしないと、家族は死に直面することとなり、学校に行って様々なことを学びたいというのは、ここでは彼の「夢」でしかありえないのです。
 菊川さんは、今回、カディージャさんの長男や長女を招待して、小学校で特別授業を行ないました。日本から持ってきた羊羹を教材に、5等分に分ける方法を子どもたちに考えてもらう授業です。参加した子どもたちからは、「こんなに面白い授業は初めてだ」との声が返ってきました。「この子たちが、こういう授業を受けられたらどんなに良いだろう」と菊川さんは思います。授業を聞く子どもたちの目は菊川さんに、キラキラと輝いて見えたそうです。
 帰国後のインタビューで菊川さんは「生きていくことってすごいことだと思いました。お会いしたお母さんは、自分のことを『不幸だ』と言っていました。でも、選択肢はなくても、そこで生きて、その中できっと日々の小さな楽しみや喜びもあると思うんです。生きるって、本当に力強いことなんだと思いました」と語っています。取材してい辛かったことは「食べるものが本当に少ないこと」、嬉しかったことは「取材した家族に受け入れてもらえたことです。私が涙を流していると、お父さんが心配して、横になりなさいって寝る場所を用意してくれて。チャドの人々の温かさを感じました」とも語っていました。

 この記事を見て、私はまず、チャド湖の'63年における地図と'07年における地図を見て、10%の大きさにまで縮小してしまっている湖のその姿に愕然としました。そして今までのユニセフの季刊誌には登場しなかった「菊川怜」さんという「タレント」の名に引かれて、文章を後まで読むことができました。(ユニセフのマンスリーサポートをしている私ですが、これまだ送られて来ていたユニセフの季刊誌は、ざっと目を通すだけで、記事を詳しく読むということはしていなかったのです。)記事の最初の見開きには、座り込む母子を前にして、しゃがみこみ目を伏せて考え込んでいるように見える菊川さんの写真が大きく掲載されていました。普段は政治的、社会的なことに関する文章を書くことは少ない私ですが、この記事を読んだ私が、何かを皆さんに伝えることができれば、と思ってこんな文章を書いてみた次第です。何か感じていただければ、幸いです。

→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/