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西加奈子『円卓」』

2012-10-07 07:37:00 | ノンジャンル
 今日の朝日新聞の朝刊に、関東で地震が起きた場合、どういう地震が起こると、どこがどの位揺れるかを調べられるウェブサイトを紹介していました。さっそく自分がいま住んでいるところについて、サイト「地震ハザードステーション」で調べたところ、最近何かと話題になっている「東海地震」は30年内発生率が87.2%、50年内発生率が97.2%であること、そしてもしそれが起こったら、私が住んでいる神奈川県厚木市の中央部は、震度6強になると想定されているのを知りました。液状化の可能性についても調べることができ、これは台地に住んでいるので、何とかまぬがれることができそうな感じでした。それにしても、東海地震の発生率の高さには驚きました。防災対策、待ったなしの状況です!

 さて、西加奈子さんの'11年作品『円卓』を読みました。
 主人公は小3の渦原琴子。彼女は3Dの広さの団地で、祖父母と両親、中学生の三つ子の姉と暮らしています。リビングには中華料理屋からもらった紅色の円卓が所狭しと置いてあり、それを囲んで家族とともに夕食を食べている琴子は孤独に憧れています。そして日々の生活の中で大事だと思ったことは、ジャポニカのノートに常に書き込むようにしています。
 同級生で大人の雰囲気を持っている香田めぐみさんが、ものもらいで眼帯をしてきたのを見てかっこいいと思った琴子は、仮病を使って保健室で眼帯をしてもらい、悦に入りますが、学級会の司会をしていた朴君が不整脈で倒れたのにも憧れて、それをまねしたところ、先生に怒られ、その理不尽さに疑問を持ちます。彼女の親友で、吃音で話すぽっさんは、それからしばらくして、まねられる本人がどれだけ嫌がっているかによって、まねることの是非が決まるのではないかと言い、相手がどれだけ嫌がっているのかを知るには想像するしかないとも言います。
 夏休み、ぽっさんが家族と親戚の家に行ったため、1人で遊んでいた時、琴子は自分の顔を踏んでほしいと言う男に出会い、実際にその男の顔を踏みつけます。琴子はその後、学校のうさぎ小屋に行って、うさぎを自分の顔の上に乗せ、うさぎにひっかかれますが、夕方になって家に帰ります。しばらくしてその男は変質者として捕まりますが、その男と会った日のことを琴子がぽっさんに話すと、ぽっさんは琴子に1人にしてしまったことを謝り、琴子は謝ることなどないと言い返します。
 ある日、学校をさぼっていた幹成海が久しぶりに登校してきます。彼女は秘かに紙切れに「しね」と書いては小さく折り畳み、机の中にそうした紙切れを大量に隠していたのを琴子だけに見つけられていたのですが、登校して自分の机の中を見ると、小さく折り畳まれた紙切れがやはり入っていて、それには琴子とぽっさんが思いつくままに書いた言葉がかかれていて、うれしくなった成海はそれを窓から放り投げ、それを見た琴子とぽっさんも幸せな気持ちになるのでした。

 他にも様々なエピソードが描かれていて、在日4世やベトナム難民の子も同級生と差別を味わうことなく付き合っている様子などが見てとれ、楽しく読むことができました。特に琴子とぽっさんの会話が魅力的だったと思います。その一部を私のサイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)に転載させていただきましたので、興味のある方は是非ご覧ください。

→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/