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松浦寿輝『川の光 外伝』その3

2012-10-12 04:23:00 | ノンジャンル
 aikoの代々木第一体育館と大阪でのライブを収めたDVD『ポップとロック』を見ました。aikoのステージ自体は文句無しに素晴らしいものでしたが、観客の相変わらずの同じ身ぶりの“同調性”には、見ていて不快感を覚えました。独裁政権下の民衆の行動を思わせるもので、“周りと一緒の動きをすることで陶酔する”感じを受け、そこからは“自由”さは感じられませんでした。日本のポップミュージックのライブの観客は、アメリカなどの国の観客のように、何故それぞれ勝手に踊って楽しむことができないのでしょうか?、毎回疑問に思います。 

 さて、またまた昨日の続きです。
 『緋色の塔の恐怖』 研究のために僧院を訪れていたゴールデン・レトリーバーの錬金術師タミリウスは、ウサギのエリザベッタ女王の容態が悪化したと伝えられます。彼は白鼠の僧院長のチッチリオと穴熊の宮廷医伯フェードルの許しを得て、その原因が最近川の向こう岸に夜だけ現れるようになった緋色の塔が出す音を、耳のいい女王だけが聞こえるためだと見抜き、機械を使って塔の出す音を中和します。すると機械が破壊されるとともに、緋色の塔の主として巨大なナマズが現れますが、これもタミリウスがヒゲを食いちぎると、ドブネズミのグレナルディーノに姿を変えます。すると今度は塔から吹き出した炎が強大な鼠の姿となり、僧院もろとも全員を焼こうと襲いかかりますが、タミリウスは矢を放ち呪文を唱えると、川の水が壁となって炎に襲いかかり、炎は灰色の小動物となり、捨て台詞を吐いて森の中に消えていきます。健康を取り戻した女王の体をタミリウスは舐めつくし、女王も喜びに浸ります。そして動物たちの歓呼の声が響き渡るのでした。「キャスト一覧、タイトル、脚本・監督・製作はゴンベイ(モルモット)、THE END」という英語のエンドロールが流れた後、、物語の内容に不満を言うタータと、はしゃぐチッチの間を取り持つゴンベエの後に、タミーは腹が減ったと言うのでした。
 『リクル・ルパッハの祭り』 川のほとりの石の休憩場所に座り込んでいたロシアンブルーの猫ブルーの元に、和猫のハナちゃんと、小学校の池から退屈しのぎに出てきた陸ガメのテオが現れます。ハナちゃんは向こう岸のセイタカアワダチソウの群れの中にちろちろと火が燃えているのを見つけ、3匹は川を渡ってそこへ向かいます。するとかがり火を真ん中にして、チビトガリネズミたちが歌ったり踊ったりの大騒ぎを続けていました。好奇心を抑えられず、近くに来たネズミにハナちゃんが手を出すと、ネズミたちは大混乱となりますが、群れの長のネズミはテオを見て、ナーダ・リクル・ルパッハ神が来臨されたと言い出します。ブルーとハナちゃんもナーダ神の勇猛果敢な伴廻りたる、勲功隠れもなきふたりの副神、ラミネルーダ・カヤソマータラミーナ様とサーキャソマ・クルテンソポッポ・リッポ様だということにされ、酔っ払って大歓声を上げたネズミたちは歌や踊りを再開し、やがて様々な芸も披露されました。酔ったネズミたちが眠り始めると、長は祭はこれが最後になるかもしれないと告白し、地震でコロニーの入り口の石がずれ、巣穴が丸見えとなってしまい、群れが散り散りになるか、全滅するかの瀬戸際にたっていることを3匹に知らせます。3匹はネズミたちと現場に行くと、テオは石を元の位置に戻すことに成功します。ネズミたちと別れ、元いた石のとろこまで戻ると、テオは疲れからすぐ眠りに落ち、2匹の猫は人間の自分勝手さをなじった後、火を使ったり酒を作ったりしていたチビトガリネズミたちのことを思い、この世界は人間たちの想像を超えたいろんなことがあると話し、人間が、そして全ての動物がいなくなったら、この世界はどうなるのだろうと想像した後、家路につくのでした。

 『川の光』とは異なり、RPG的な面白さは消え、代わりに詩的で幻想的な世界が描かれていました。個人的には『川の光』の方がずっと楽しめましたが、次作には『川の光2――タミーを救え!』という題名の本が控えているということなので、そちらに期待したいと思います。

→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/