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「カワラノギクまつり」に参加して

2012-10-29 06:21:00 | ノンジャンル
 清水宏監督・共同脚本の'53年作品『もぐら横丁』をスカパーの日本映画専門チャンネルを録画して見ました。下宿に住む駆け出しの小説家の夫・一郎(佐野周二)とその妻・芳枝(島崎雪子)。自分の小説ではまだ食えない一郎は西鶴の現代語訳をして、その清書を芳枝にしてもらい、一段落つくと、妻の動かなくなった腕時計を質に入れて、どら焼きをたっぶり買い、原っぱに座って二人で食べます。自分との結婚を後悔していないかと問う一郎に、楽天的に明るく答える芳枝。彼らが帰ると、そこへ芳枝の幼馴染みの大学生・野々宮が訪ねてきて、下宿の大家(宇野重吉)と碁を打つ一郎を置いて、二人はフランス映画『七つの大罪』を見に出かけます‥‥。と、ここまで見て、ここから先は飛ばし見することとしました。ショットはそれなりに決まっているのですが、話があまりにも古臭いメロドラマで、映画を見始めて最初に「おやっ?」と思ったショットが、芳枝と野々宮が見る『七つの大罪』で女とベッドに寝ている男がランプを消すショットだと分かったところで、もうこれ以上見てもあまり期待できないと思ってしまったからです。ただ、ところどころに見るべきショット(例えば、芳枝の帰りをバス停で傘をさして待つ一郎の姿を後ろからフルショットで捕えた映像や、大家から家を譲り受けた男(田中春男)が住人を集めて話をするのを後退移動で撮ったショット、一郎が叩きつけた看板がドブ川をゆっくりと移動していくショットなどなど)があり、若き千秋実や森繁久弥が出ていたりもして楽しめるのですが、群集の中ではぐれた二人が一緒になって終わるラストは、同年にロッセリーニが作った『イタリア旅行』のラストそのものであり、その点がかなり気になりました。(ただ、もし清水監督がパクっていたとしても、見事なパクリ方だったことを言い添えておきます。)

 さて昨日、神奈川県愛川町田代で行われた「カワラノギクまつり」に参加させていただきました。
 カワラノギクに関しては、以前にもこちらで紹介させていただきましたが、改めて紹介させていただくと、世界でも日本の関東地方の河原にしか生息していないカワラノギクが、宮ケ瀬ダムの建設によって中津川渓谷の河原で絶滅しかかっているのを憂慮した神奈川県愛川町の1民間人である吉江啓蔵さんが、自らの手で種を採取し、その種を芽吹かせて、あるいは芽吹くように河原に移植していく活動を始め、やがてその活動が広く知られるようになり、現在は吉江さんの活動に賛同する仲間たちがNPO法人「愛・ふるさと」を立ち上げ、カワラノギクの群生を復活させんとして現在に至っているというお話でした。
 昨日は、私の職場の同僚である柳石さんがハーモニカの名手ということで、カワラノギクまつりで演奏してほしいと依頼され、1人でハーモニカを吹くというのもどうか、ということで、私に声がかかり、ハーモニカへのギター伴奏といった形で私は参加させていただいたのですが、その他にもオカリナの合奏や合唱をされた方々もあり、「カワラノギクまつり」はアットホームな雰囲気の中、成功裏に終わったように思えました。
 帰り際、「愛・ふるさと」の副理事長をされている浜公代さんから声をかけていただき、雑草抜きなどの作業のため、毎週のように愛川町田代の河原まで来られていることを聞き(ちなみに、いただいた名刺を見る限り、浜さんは横浜市からわざわざ来られているようでした)、また数年前から鹿の親子がカワラノギクを食べにくるようになってしまったことも聞きましたが、浜さんは「それも自然の一部なのですから」とおっしゃっていて、鹿の食害もおおらかな気持ちで受け入れられていらっしゃいました。
 カワラノギク自体は、まだ半分近くがつぼみの状態で、来週の日曜日には盛りを迎える、という話もどなたかがおっしゃっていました。昨日は母と参加させていただきましたが、来週の日曜日には写真を撮りに1人で行こうかな、とも考えています。ちなみに愛川町田代にある中津川の河原のカワラノギクの群生地帯は、愛川町の田代運動公園(大きな駐車場が2箇所にあります)の西側の野球場(この運動公園には野球場が2つあります)の裏に、ガードレールが途切れて階段があって、川に降りていける場所があり、そこから雑草を払って作られた道を西へ5分ほど歩いて行ける河原にあります。とても可憐で、魅力的な花なので、是非ご自分の目でご覧になることをお勧めします。