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石井輝男監督『女王蜂と大学の竜』

2012-10-02 07:58:00 | ノンジャンル
 石井輝男監督・共同脚本の'60年作品『女王蜂と大学の竜』をスカパーの日本映画専門チャンネルで見ました。
 「占領下の混乱期、日本在住の第三国人たちは、戦勝国の名のもとに、露店商地区の不法占拠をたくらみ、横暴の限りをつくしていた」の字幕。トラック2台で棒を手に持った愚連隊たちが乗り入れ、商店街を破壊しします。彼らは関東櫻組事務所に乗り込みますが、2階から降りて来た組長の娘・珠美(三原葉子)は父は留守だと言い、愚連隊を率いる三国人連盟のイトーシンから櫻マーケットの半分を明け渡せと言われますが、昔からの縄張を渡せないと断り、片肌脱ぐと、拳銃で脅すイトーシンの手下から拳銃を奪い取ります。そこへ現れた特攻隊の生き残りの竜(吉田輝雄)も珠美らの応援をして乱闘となりますが、パトカーが来て三国人らは去ります。
 帰って来た組長の千之助(嵐寛寿郎)は重傷を追った子分らを見た上で、堅気に迷惑がかからないように自重するようにと組員らに言い、竜にも金をやるから学問しろと言いますが、竜は断り、出ていきます。珠美は彼を追い、オート三輪で青物の運搬をしている娘・美也子と彼女と一緒に住む知人に竜を預けます。一方、櫻組の辰は手下3人を焚き付けて三国人連盟の事務所に殴り込みをかけさせますが、社長の土橋とともに連盟とつるむ辰は、連盟に待ち伏せさせ、3人を惨殺させます。遺体を櫻組に届け、連盟のせいにしようと辰に言う土橋。
 遺体を運んで来た運転手から土橋の命令だと聞いた竜は、土橋の事務所に押し入り、相手の拳銃を奪うと、それで土橋を脅し、日本人への詫状を書かせます。三国人から露店商を守る竜。土橋組の連中が櫻組のマーケットを強奪しようとすると、珠美は手下のパンパンらと彼らをやっつけようとしますが、相手がナイフを出すと、竜が助けに現れます。余計なことをするなと言う珠美。
 美也子に言い寄る四郎をからかう竜。土橋は四郎を雇って竜を襲わせますが、竜は撃退して土橋への伝言を四郎に託すと、四郎はそんな竜に惚れて弟分にしてもらいます。マーケットの顔になっていく竜と、それに反発する珠美。土橋は進駐軍の品をマーケットに流すことによって、櫻組を罠にはめる計画を連盟の会長に話します。美也子が土橋の料亭に誘われたのを見た四郎は竜に助けを請い、すんでのところで美也子を助け出し、土橋に犬のマネをさせたりして恥をかかせると、土橋は今度の祭りで復讐すると言って立ち去ります。
 祭りの日、土橋は連盟の会長に今日櫻組をつぶすと言って金をもらいます。舞台で踊る珠美と美也子に竜と四郎も合流します。不機嫌になる珠美と笑顔の美也子。やがて売り出し中のストリッパーを乗せた土橋組の神輿が現れ、珠美も諸肌脱いで神輿に乗り、押し合いとなります。それを止めに入った千之助はお面を被った男たちに拉致され、鉄条網に縛られて襲われます。駆けつけた竜らに助けられるも重傷を負う千之助。商店街にはMPが入り、櫻組の代貸(天知茂)ら幹部は全員逮捕されます。もう用はなくなったと言って辰を消す土橋。瀕死の辰は土橋らの計略を千之助に伝えて、息絶えます。明日の朝に土橋らの襲撃があると分かった千之助は、関東一円の親分衆に回状を回し、助けを得ますが、先陣は櫻組に取らせてほしいと言い、急遽珠美が四代目を継ぐことになります。
 バリケードを築く珠美ら。機関銃が届きますが、弾は出ず、拳銃で武装した土橋組らと白兵戦となります。そこへ竜と四郎らも加わり、土橋と連盟の会長は捕えられ、もう手出しはしないと会長が誓うことで千之助は許してやります。珠美の腕を取り、一旦は断られた竜でしたが、思い直した珠美は竜の腕を取り、周囲は彼らを祝福するのでした。

 千之助と学資に関する口論となった後、竜が突然池に飛び込むショットが現れたり、ラスト珠美が竜の腕を取ると、武装していた棒が宙に放り投げられるショットがふいに現れるなど、面白いつなぎの部分がいくつかありました。トッポい吉田輝雄の魅力も印象的だったと思います。

→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/