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ロイ・ワード・ベイカー監督『残酷な記念日』

2010-05-27 20:10:00 | ノンジャンル
 山田宏一さんが本『教養主義!』の中で映画史上ベスト50の中に挙げていた、ロイ・ワード・ベイカー監督の'67年のイギリス映画『残酷な記念日』をDVDで見ました。
 未亡人の母(ベティ・デイヴィス)が運営する安売り分譲住宅建設の現場で働く3人兄弟のヘンリー、テリーとトム。母の結婚記念日の日にトムの婚約者のシャーリーがやって来ます。彼女はトムの子を妊娠していて、結婚する前にトムの母に会いに来たのでした。が、母は皮肉屋で息子たちに対して異常に嫉妬深く、そのせいなのかヘンリーは40才前後ながらまだ独身でしかも女性下着フェチ、テリーの妻カレンとは犬猿の仲でカレン夫婦は6人の子供を連れて母の元を離れカナダに移住する計画を進めています。そんな中、両親の結婚記念日を祝う儀式が屋敷で始まりますが、真っ赤なドレスとアイパッチをして現れた母は、カレンからカナダ行きの話を聞くと、様々な手を使ってそれを妨害しようとし、テリーを手許に置いておくため、心臓の悪いカレンを次々に妊娠させようとして、妊娠させるごとに1000ポンドもの金をテリーに渡していたことが明らかになります。また絶対にトムと結婚するというカレンに母は、カレンがコンプレックスを持っている耳の醜さをずばり指摘して結婚など無理だと言い放ちます。片目であることを罵倒したカレンに対し、母は彼女の片目はテリーが幼い頃に過って彼女の目に撃った銃が原因であることを明らかにし、テリーがそのことへの罪悪感から母へ服従を続けていることが分かります。それからも母による妨害工作が次々と行われますが、最後にはテリーとカレン、トムとシャーリーは母を捨てて家を出て行く決心をします。母はテリーの財産没収とカナダ移住阻止のための訴訟手続きを起こし、トムに金を送って懐柔することを決めるのでした。
 色彩の豊かさが目を惹きましたが、画面構成はまさに現在のテレビドラマのように退屈なもので、舞台劇の映画化であることがすぐに分かるほど、登場人物たちにリアリティがありませんでした。ベティ・デイヴィスの目を剥く怪演ぶりと、シャーリー役の可愛い女優さんが見どころかもしれません。舞台劇が好きな方にはオススメかも。