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ジョルジュ・フランジュ監督『ジュデックス』(前半)

2010-05-05 12:51:00 | ノンジャンル
 昨日深夜にWOWOWで放映した『ボブ・ディラン・ニューポート・フォーク・フェスティヴァル 1963-1965』を見ました。'63年に初めてスポットライトを浴びた時には、まだ知的で感じのいい単なる瑞々しい青年で、私の知っているディランとは随分印象が違うので、へえっと思っていたのですが、翌年の'64年には彼が歌った後「We Want Bob !」「We Want Bob !」の大合唱となり、司会者が次の出演者を紹介しても鳴り止まず、観衆の説得を再三試みた後に司会者が「新しい形態の民衆音楽の誕生です」と言うと、ついに笑顔のディランが出て来て「順番があるから。でもありがとう」と言うほどの変貌を遂げたのが、翌'65年にはエレキギターを使ったのでいきなり大ブーイングとなり、たまりかねたディランがアコースティックに持ち替え、Eのハーモニカも会場から投げ入れてもらい、やっと会場が落ち着くという、かなり驚きの映像でした。公民権運動、ケネディの登場という熱い時代ならではのものでしたが、ディラン誕生の瞬間に立ち会えたような気がしました。

 さて、山田宏一さんが本「山田宏一のフランス映画誌」の中で取り上げていた、ジョルジュ・フランジュ監督の'63年作品『ジュデックス』をビデオで見ました。
 アイリスイン。ファヴロー頭取は「お前が犯した罪を償うため、明日の夜6時までに、犠牲者に財産の半分を譲れ」というジュデックス(正義の味方)を名乗る者からの脅迫文をもらったため、娘ジャクリーヌの婚約を発表する明日の仮面舞踏会を無事に終えられるように、私立探偵のコカンタンを雇います。そこへ大金と家族の面倒を見てくれることを条件に20年ファブローの代わりに刑務所に入っていたというピエールがやってきて、妻は死に息子も行方不明になっていることを責めますが、ファヴローは相手にせず、逆に彼が帰っていくところを車で轢き大ケガを追わせます。すぐそのことに対するジュデックスからの脅迫文が届けられ、ファヴローはコカンタンにジュデックスの正体を暴くことを命じます。ファブローの命ずるままの結婚に気が進まないジャクリーヌ。ジャクリーヌの娘アリスの家庭教師マリーはファヴローの愛人でもありますが、彼の求婚を拒みます。仮面舞踏会の夜。猛禽の仮面をつけた男が堂々と入場し、舞台でハトを次々と出す手品を披露しますが、約束の時間になると、ファブローにグラスを手渡し、その直後ファブローは倒れ、手品師は悠然とその場を立ち去ります。「ファヴローの葬式の夜」の字幕。ファヴローの執事だったヴァリエールはジャクリーヌに、彼女の父がパナマ汚職のスキャンダルに関する書類をたまたま手に入れ、それを利用して財産を築いたことを話し、その書類をまだ隠し持っていることも明かします。深夜、黒づくめの男たちがファヴローの死体の入った白い袋を館から持ち出し、洞窟の中の秘密のアジトの一室に死体を置くと、3日後には息を吹き返すとお互いで話します。ジャクリーヌは父の遺産を放棄し、婚約者から婚約を破棄され、執事も彼女の元を去ります。マリーは仲間のモラとともに館から書類を盗もうとしますが、モラは机に仕掛けられていた自動手錠に腕をはさまれてしまいます。その頃ファヴローは生き返り、見張りの男を倒して館に電話をし、それに出ようとしたジャクリーヌはマリーらにクロロホルムを嗅がされ誘拐されかけますが、駆けつけたジュデックスに助けられ、ファヴローもジュデックスの手下によって再び捕えられます。ジャクリーヌが気が付くと、そばにはハトの入った鳥籠が置いてあり「危険が迫ったらハトを放せ、すぐに駆け付ける」というジュデックスからの手紙も添えられていました。ジャクリーヌは荷物とともに館を出るとアイリスアウトになります。
 では続きは明日に。