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キャロル・リード監督『邪魔者は殺せ』

2010-05-19 16:32:00 | ノンジャンル
 山田宏一さんが本『教育主義!』の中で映画史上ベスト20の中に入るものとして言及していた、キャロル・リード製作・監督の'47年作品『邪魔者は殺せ』をDVDで見ました。
 イギリスの田園風景の空撮をバックに「この映画は北アイルランドの政情不安を背景にある町で起こった事件を扱ったと言われているが、体制と非合法組織の対立のみならず、不意に事件に巻き込まれた人々との闘いをも描いている」の字幕。北アイルランドの独立を目指す非合法組織の支部長ジョニー(ジェイムズ・メイスン)は、刑務所で17年過ごした後脱獄し、キャサリンの家に匿われて半年が経ったところで、活動資金を得るために仲間と工場の事務所を襲いますが、まだ体力が回復していない彼は目眩を起こし、彼を捕まえようとした会計係と格闘になって、その男を射殺してしまい、自分も左手に重傷を負います。逃走する車から落ちてしまい、かろうじて空家に逃げ込みますが、彼を探しに出た仲間は次々に逮捕され、キャサリンもジョニーを探しに出ます。ジョニーはすぐに人に見つかり、道に倒れているところを二人の婦人に助けられますが、指名手配犯人と知れて婦人と夫が口論となり、ジョニーは自分からその家を離れます。知り合いの酒場に倒れ込むと、酒場の主人は厄介払いをするため、その場で騒ぎを起こした画家に店を壊した賠償金替わりに彼を預けます。ジョニーは画家の部屋にたまたまいた元医学生に傷の手当てを受けますが、彼を連れていけば信仰を授けてもらえると神父に約束してもらった浮浪者に連れられ、神父の家を目指します。しかし、そこは既に警官に包囲されていました。浮浪者が警官の注意を引き付けている間に、そこに来たキャサリンは瀕死のジョニーに会えますが、彼女は迫り来る警官隊に発砲して、自分とジョニーを射殺させるのでした。
 ロバート・クラスカーによる撮影はシャープでコントラストの効いた見事な画面で、夜の雨や雪のシーンが美しかったのですが、ひどく長く感じた映画でした。見ていて気持ちのいい登場人物は皆無で、重苦しい画面が続いたという印象です。『第三の男』の光と陰の画面が好きな方にはオススメかも。