海外のニュースより

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「大抵のイスラエル人は、国内のアラブ人の移住を希望」と題する『アルジャジーラ』局の報道。

2006年05月13日 | 国際政治
最近の世論調査によると、イスラエル人の62%は、政府が人口の五分の一を占める130万人のアラブ人がイスラエルから出て行くように説得することを望んでいる。
イスラエルのアラブ人は、1948年のイスラエル建国に続く戦争中に排除されないか、逃げ出さなかったパレスチナ人とその子孫からなっている。
「イスラエル民主主義研究所」によって公刊された調査結果は、イスラエル社会の中にある分裂を際だたせている。
 回答者の14%だけが、ユダヤ人とアラブ人の間の関係は良好であると言っているが、29%はイスラエルの運命を決める決定にはユダヤ人の多数が必要だと言う意見に同意している。
 この報告書は、36の民主国家の腐敗度調査で、イスラエルを20番目にランク付けているが、これは2004年の調査よりも6位下がっている。
 2006年にはイスラエルはエストニアと台湾の間にあるが、フィンランドとニュージーランドがもっとも腐敗していない国にランクづけられている。
 政党とイスラエル議会は、この国では最も信用されない公的制度であるが、回答者の79%は、軍が最も信用できると答えている。
 2,004人のイスラエル人を対象とする調査にはユダヤ人とアラブ系市民が含まれているが、彼らの警察に対する信用は、2004年には66%あったが、2006年には44%に下がっている。メディアに対する信頼度も同様である。
 この報告書は、昨年夏、ガザ地区からのイスラエル入植者の強制退去の際、警察に抵抗したユダヤ人入植者に対する支持が増えていることを示している。
 昨年は、回答者の70%がガザ地区の移住者を退去させるという政府の命令に逆らうことは間違いだと答えたが、今年はそれが58%に減った。
 「数に減少があることは明白だと私は思う」と報告書の著者でハイファ大学の政治学教授であるアシャー・アリアンは言う。「非民主主義的な態度の底流があるということは本当に困った傾向だ。」
[訳者の感想]ユダヤ人の多数はアラブ人がイスラエル国家から出て行くことを望んでいますが、少数派のユダヤ人はイスラエル国家の中でアラブ人と共生することが可能だと考えているようです。もともと現在のイスラエルにはユダヤ人以外に遥かに多数のパレスチナ人が住んでいたのだから、彼らを追い出すのは間違っていると思います。
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