海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「エルドアン、トルコ系ドイツ人を篭絡する」と題する『ヴェルト・オライン』の記事。

2010年03月17日 | イスラム問題
ベルリン発:2月に沢山のトルコ系ドイツ人のところに届いた招待状は、誘惑的な響きを持っていた。イスタンブール市内の5つ星ホテルでの昼食会、が予定されており、参加者の旅費は、すべてトルコ政府が負担する。招待状の表書きには「われわれ同胞がいるところには、われわれもいる」と書かれていた。
ヨーロッパの数カ国に居住する約1,500名の国外在住トルコ人が申し出に応じた。沢山の演説が持たれた。頭巾をかぶったベルギーの女性国会議員、企業の代表、NGOの代表などなどである。しかし、会合は、多彩な出会いだけではなく、ドイツ在住のトルコ系政治家の間に動揺を引き起こした。なぜならば、招待状の送り主は、保守的で宗教的な「AKP」の政府だったからだ。それは参加者にはっきりしたメッセージを告知していた。「外国に住んでいるトルコ人達は、新しい居住国の市民権を取得すべきであるが、それはその國に同化統合するためではなく、政治的に積極的になるためである」とレセップ・タイイップ・エルドアン首相は述べた。「二重国籍に反対する国々は、基本的人権に違反している」と彼は言う。彼の呼びかけの中で、エルドアンは、欧州諸国の「イスラム嫌い」を「アンチ・セミチズム」にたとえた。
 参加者達は、『シュピーゲル』誌に対して、更に、トルコ首相が二年前のケルンでの彼の演説における。「同化は、人間性に対する犯罪である」といいう激烈な批判を繰り返したと伝えた。ドイツにおける「アレヴィ派教区」の議長であるアリ・エルタン・トプラックによると、トルコ首相は、「われわれは、ヨーロッパ文化にトルコ文化を注射せねばならない」ともっと激しい表現をしたと言う。
 トルコ政府がドイツのトルコ系国会議員について、どのような理解を持っているかは、集会への招待状で既に明らかになった。そこでは、国会議員は、「わが尊敬する国会議員」となっており、エルドアンは、「われらの首相」と呼ばれていた。
 それゆえ、ドイツ在住のトルコ系政治家や宗教代表者達は、現在、アンカラに対して激しい批判を行っている。「あれは、全く明白なトルコ政府のロビー活動だった」とアリ・エルタン・トプラックは言う。「ドイツ系トルコ人は、トルコ国家の利害を代表すべてきだ」とトルコ政府があからさまに言うのを聞いてびっくりしたと。「トルコの欧州連合加入に反対しているドイツ人がいたら、自分たちが反対するための格好の材料を沢山見つけたことだろう。」(以下省略)
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