海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「バーナンキ議長、新たな景気浮揚策を要求」と題する『フランクフルター・アルゲマイネ』紙の記事。

2008年10月21日 | アメリカの政治・経済・社会
10月20日発:ベン・バーナンキFRB議長は、長期化する経済低迷の危険を見、さらなる景気浮揚策に賛成した。「われわれは重大な下ぶれを経験している」とバーナンキ議長は、月曜日に、アメリカ下院予算委員会で述べた。これを景気後退と呼ぶか呼ばないかは、「たいしたことではない」とFRB議長は、下院議員の質問に答えた。議会は、来年初めに、総額1680億ドル(16兆円)の景気浮揚策を可決した。
 バーナンキ議長は、「経済は、恐らく数ヶ月間は弱いままだろう。後退が長期にわたるリスクを考えれば、議会が景気浮揚策を考慮することは適切である。」
 このような景気浮揚策は、野党の民主党から要求されていたが、ブッシュに代表される共和党は、これまでこのようなアイデアに対して冷たかった。バーナンキの演説の後、米国大統領はさらなる景気浮揚策のアイデアに対してまだ態度を決めていないとホワイトハウスの報道官は月曜日に述べた。これが詳細な点でどのようなものになるかは、まだ未決定である。さしあたりは、受け入れられやすい提案をすることは、民主党が多数を占める下院の問題である。
 ナンシー・ペロシ下院議長は、景気浮揚策は、1500億ドル(15兆円)までのものになるだろうと言明した。経済学者達は、民主党の指導層に対して一括案は二倍の大きさになるべきだと説明した。
 バーナンキ議長の言明によると、ユーロは下げ圧力を被って、1ユーロ=1.33ドルまで下げた。月曜日には、1ユーロは、まだ、1.35ドルであったが、午後には、1.3311ドルまで下げた。
 景気の回復は、どれほど速やかに、金融市場と信用市場とが正常な機能を取り戻すかにかかっている。米国議会が議決した金融機関救済策は、金融危機に対して効果を現すだろう。「あらゆる手段が講じられれば、金融制度に対する信頼を再建し、家計や企業の信用の流れを正常化するのに役立つだろう」とバーナンキ議長は述べた。
 更に、FRB議長は「原油価格の下落と他の資源価格の下落によって、インフレ圧力は下がるだろう」と述べた。「他のファクターと共に、これは、時間と共に雇用の増大と経済活動の活性化に貢献するだろう。」
 そうこうするうち、9月のアメリカの景気指数が5ヶ月ぶりに上昇した。10種類の重要な経済データに基づく指標が9月には、0.3%上昇したと政府機関が発表した。8月には同指標は、0.5%下げていた。(以下省略)
[訳者の感想}米国政府の打つ手は後手後手ではないかと思われましたが、少し利いてきたのでしょうか。それとも、本格的な大恐慌はこれから来るのでしょうか?
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