海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「失望したインサイダーは、ブッシュに背を向ける」と題する『ワシントン・ポスト』紙の記事。

2006年11月20日 | アメリカの政治・経済・社会
サダム・フセインの銅像が引き倒された一週間後、ケネス・エーデルマンと数名のイラク戦争推進者は、チェイニー副大統領の住居に集まって祝杯を上げた。侵攻は、エーデルマンが予言したように、楽勝だった。チェイニーとその客達は、ブッシュ大統領と勝利を祝って乾杯した。「それは幸福感に溢れた瞬間だった」とエーデルマンは回想する。
3年7ヶ月後(2006年11月)、楽勝は死の行進のように見える。そしてエーデルマンは、ブッシュ・チームと分かれた。彼は防衛長官ドナルド・ラムズフェルドと喧嘩をした。彼とチェイニーとはもはや言葉を交わす仲ではない。そして大統領は、エーデルマンが「イラクの大惨事」と呼ぶものに対して最終的に責任があると彼は思っている。
元レーガン大統領の高官で、一時、「イラク戦争ブレーン・トラスト」のメンバーであったエーデルマンは、大統領あるいはその政策に反対の声を挙げたブッシュ・サークルからの最近の声に過ぎない。彼の大統領職の最後の期間に突入し、中間選挙の大敗を喫したばかりのブッシュは、ますます友人が少なくなっていると感じている。最強の戦争支持者達の何人かは、離れてしまった。元のイサイダーは、公的に不同意を唱え、議会の共和党議員は、ブッシュが下院で多数を失ったと責めている。
「失われた生命は多い」と先週、インタービューでエーデルマンは述べた。「国家が危険に曝されている。地域が危険に曝されている。これは、法外な事態だ。これほど拙劣にマネージされる必要はなかった。」
「ラムズフェルドが辞めていたら、もっと違っていただろう」とアーレン・スペクター共和党上院議員はテレビで言った。
 あるインサイダーは、ホワイト・ハウスは、大衆の反発を招いたと言った。「いつでも誰でも自分たちを神聖だと思いたがる。彼らは違った尺度で判断される」とブッシュのホワイト・ハウスの宗教上のイニシャティブの指導者であったデイヴィッド・クオは言った。彼は『誘惑する信仰』と題する本を書いて、ホワイト・ハウスがキリスト教保守派に迎合していると非難した。「ホワイト・ハウスは、自分自身を神聖だと思っているのだ。」
 国務省の高官であって、現在「外交関係評議会」の議長であるリチャード・ハースは、世界情勢への根本的に異なるアプローチは、当然、批判を生み出すと言った。「民主主義の促進について強調すること、政権の変更について強調すること、イラクでの選択の戦争、これらは、伝統的なアプローチとは離れている。だからそれがより多くの反応をよぶことは、驚くに足りない。」
 ブッシュと断絶したいという傾向は、大統領がワシントンにいる多くの自然な賛同者のご機嫌をとるのに余り時間をかけてないという事実を暴露する。議会の共和党指導者達は、彼らが目にするのは、ホワイトハウスの「俺たちの言うとおりにしろ」というアプローチであるということに怒っている。ブッシュとより個人的な関係をもっている人たちのうち幾人か、例えば、チェイニーやラムズフェルドは、失望の念をもっと鋭く感じているが、その理由は彼らが大統領が彼らの政府に課した目標に非常に近づいていると思っているからである。
 ブッシュの二期目の弧が見せたのは、最も強力な批判が内部に発しているということである。コリン・パウエルを囲むプラグマティストの集団は、彼が国務長官を辞めた二年前から口を開き始めた。ハースやアーミテージやカール・フォードやローレンス・ウイルカーソンは、政策論争を公にした。イラクで働いた多くの人たちは、酷く取り乱して、『浪費された勝利』(ラリー・ダイアモンド)、『イラクを失う』(デービッド・フィリップス)などの本を書いた。軍やCIAの高官は、政府を去った後で、言いたいことをぶちまけた。その頂点が、退役した将校達がラムズフェルドの解任を要求した「将軍達の反乱」である。(以下省略)
[訳者の感想]これまでネオコンに属していた人たちまでが、一斉にブッシュを批判し始めたようです。選挙で負けると大統領でも負け犬同然ということでしょうか。
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