海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「イスラム主義の波、断ち切れた」と題する『ニューヨーク・タイムズ』の記事。

2012年07月10日 | イスラム問題
今回は翻訳ではなくてダイジェストにしました。
 日曜日に行われたリビアの国会議員選挙では、「モスレム同胞団」の候補ではなくて、マームード・ジブリルを支持する連合政党の候補者数が最大多数をしめた。ジブリルを支持する政党の得票数が「モスレム同胞団」が支持する候補者数を上回ったということは、リビヤの政局の次の段階でもっと重要な声となるだろう。
 2週間前に始まった選挙運動では、リビアの選挙民のイデオロギー的路線は曖昧なままであった。多くの選挙民は、部族的・家族的・コミュニティ的結合に彼らの投票を導かせるという筋書きを承認した。イスラム主義者たちは、ジブリル氏の連合を「リベラル」あるいは「世俗的」であると描こうとした。
 他のアラブ諸国のイスラム主義に反対する人たちとは違って、ジブリル氏は、一度も、イスラム法の適用を要求する人々を過激派だとは呼ばなかった。イスラム主義者を含む他の党派と同様、ジブリル氏は、イスラム法を立法の主たる源泉にするが、唯一の源泉にはしないと主張した。ここには、「モスレム同胞団」のような新興の集団が何をしようとしているかを確信できないリビア選挙民の考え方が反映されている。彼らは「同胞団は、われわれよりももっとモスレムなのか?」と考えているのだ。
 ジブリル氏は、ピッツバーグ大学で政治学を学び、そこで教鞭を取った。リビア・テレビのインタービューで、彼は、友人や近所の人たちは、「彼は金曜日の礼拝には出席するし、お祈りをしている」というだろうと述べた。ジブリル支持の政党が多数を占めるだろうと予測される。
「リビア・モスレム同胞団」によって創設された政党の指導者であるヒシャム・クレスクシは、「ジブリル連合の支配は不幸だ、選挙結果には、落胆している」と述べた。緩いイスラム主義者の政党も、議員投票では多数を取れなかった。
 ジブリル氏の出身部族であるワルハラ族は、600万人の人口を持つリビアで、六分の一を占めている。部族のホームランドは、バニ・ワリドの西方であるが、多数の人々は、トリポリやベンガジのような大都市に住んでいる。(以下省略)
[訳者の感想]ジブリルは、カダフィ大佐時代の財務大臣だったようです。リビアの選挙民の意志がどこにあったのか、「モスレム同胞団」が一番組織力はあるようですが、やはり、イスラム主義者に対する反発が強いのでしょうか。とにかく、ジブリルは一応「中道派」と考えて良いようです。
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